古屋呂敏インタビュー「“息をつきたい”という感覚が今はあまりないかもしれない」『元彼の遺言状』

特集・インタビュー
2022年05月22日

現在放送中の月9ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ系)。綾瀬はるかさんと大泉洋さんがバディを組み、数々のミステリーを解いていく極上リーガルミステリードラマだ。新川帆立さんによる同名小説を原作に、奇妙な遺言状に導かれた敏腕弁護士・麗子(綾瀬)と、作家志望の謎の男・篠田(大泉)が数々の不可解な殺人事件を追っていく。

今回、そんな本作に、刑事・松田大樹役で出演中の古屋呂敏さんにインタビュー。綾瀬さんをはじめ、上司・橘五郎役を演じる勝村政信さんとのエピソードや、“将来残したいもの”“ご自身の武器”などについてお話をお聞きしました。


◆今回、『逃亡医F』(日本テレビ系)に続いて、2度目の刑事役となりますが、本作で演じる松田はどのような人物ですか?

松田は、若さゆえ、刑事として自分で手柄を取りたいという思いが強くて、“警察がやるべき仕事は警察がやる”というこだわりがあるんです。そういう意味では真っすぐな男なのですが、周りからは「こいつ若いな。頑張ってるな~」くらいに思われている彼の像というのが僕の中にあって(笑)。とにかくまじめに、真摯に事件を解決したいっていう、そういう男なんじゃないかなと思っています。

◆バディであり、上司・橘役を演じる勝村さんの印象を教えて下さい。

勝村さんはとにかく面白い方です。プライベートでフットサルに誘って下さって、一緒にやったりもしています。そして、これは綾瀬さんもなのですが、いつも“ハワイ”イジりをしてくるんですよ!(笑)。僕、父親の出身がハワイなのですが、何か話すたびに「はい、またハワイだよ~」「来た来た、ハワイ!」みたいな感じで、皆さんにイジっていただいていて(笑)。そんなハワイネタで、最初にイジって下さったのも勝村さんだったんです。

◆そもそも、なぜ“ハワイ”イジりが始まったのですか…!?(笑)。

勝村さんが「呂敏って本名なの?」と聞いて下さったところから、「本名です。僕、父親がハワイ島出身で…」と。そこからハワイ島の良さをお伝えしたくて、つい熱く語ってしまったことをきっかけに、ハワイいじりをして下さるようになりました(笑)。でも、そのおかげで、松田としても橘さんにグッといけるようになったので、そういうきっかけを作っていただいて感謝していますし、現場でもプライベートでも、本当にいい先輩ですね。

◆勝村さんのお芝居から受ける刺激はありますか?

勝村さんは、何か必ずお芝居にご自身なりの“動き”を入れられるんです。例えば、第3話で橘さんがパンツのポケットからくしゃくしゃの名刺を出して麗子に渡すシーンがありましたよね。そこで、台本に書かれているのは“くしゃくしゃの名刺を出す”ということだけだったのですが、勝村さんはポケットに小銭やお菓子を仕込んで、それをボロボロこぼしながら名刺を出すという。

◆確かに、あの1シーンだけで橘刑事の人となりが見えた気がしました。

「こうやって橘の人物像を作り上げるんだ」と。そういうことを自然にやられるので、僕も「こういう時、松田だったらどうするだろう」と考えてお芝居を変えたり、「勝村さんについていかなきゃ」とすごく刺激を受けています。1つひとつ小さなことを積み上げて、キャラクターの物語を描いていく姿勢は、本当に尊敬しかないですね。

◆現在、第7話の放送を目前に控えていますが、印象に残っているエピソードはありますか?

僕、一番最初に撮ったシーンが、第3話で庭に穴を掘っている黒丑(望月歩)を、橘さんと麗子と見張るシーンだったんです。そこで、監督から「“警察だ!”と言い終わってから(黒丑に)懐中電灯を当てて」と言われていたのですが、本番になったら気持ちが出すぎてしまって、「警察だ!」と同じタイミングで懐中電灯を当ててしまって…。

◆最初のシーンからまさかのNGを出してしまったのですね。

そうなんです。それでカットがかかって、「やっちゃった…」と思っていたら、それまでお話したことがなかった綾瀬さんと勝村さんが、「言ったじゃん~!」と僕の肩をポンと叩いて下さって。それをきっかけに現場に笑いが起きて、場が和んだんです。ずっと第一線で活躍してらっしゃる方々は、こうして撮影がスムーズに進むように現場の雰囲気を作っているのだなと、こうして引っ張っていくのだなと、日々勉強させていただいています。

◆古屋さんは俳優としてのご活躍をはじめ、2月にはカメラマンとして初の写真展も開催されました。お忙しい毎日の中で、どのように息抜きをされていますか?

インプットは欠かさずにしないと、と思っています。時間がある時は美術館に行ったり、他のカメラマンさんやクリエイターの方々がどのようなものを作って何を表現しているのか、ということに意識的に触れるようにしていますね。

◆それも古屋さんにとっては息抜きになるのですね。

気分転換、というほうが近いかもしれません。特に、作品作りをしている時はその世界に入り込んでしまうので、たまに外の世界に触れないと思考が凝り固まってしまうというか。でも、「ふと息をつきたい」という感覚が今はあまりないかもしれないです。本来であれば、何もせずにビーチとかで寝ていたいのですが(笑)、今はそういうフェーズじゃないのかなと。

◆このドラマのタイトルにもなっている、“元彼”栄治(生田斗真)は麗子をはじめとする元カノたちに多くのものを残して亡くなりましたが、古屋さんが将来大切な人に残したいものはありますか?

僕は、何も残したくないですね。もし将来大切な人ができて、僕が先に亡くなるとなった場合、大切な人がその後の人生をおもむくままに動けるようにしてあげたいなって。もちろん、本音としてはずっと忘れないでいてほしいですが…(笑)。きっと、何も残さない選択をするんじゃないかなと思います。

◆そんな栄治から“篠田”を残された麗子は圧倒的な法律の知識とハッタリを効かせた話術を武器に活躍していますが、古屋さんご自身の“武器”を挙げるなら?

“ナチュラルさ”やそのまんま感”ですかね。人と比べると欲があまり無いのかなと。あと、ハワイならではの“なんとかなる感”のようなものが、いろんな局面でいいふうに働いているのかなと感じています。

◆古屋さんの飾らないところは、間違いなく“武器”の1つだと思います。

極論ですけど、いつかは何も持たず、ハワイでただただゆっくりできたらいいなという思いがあって。…と、こういうことを言っていると、また綾瀬さんたちにハワイイジりをされてしまいますかね(笑)。なので、僕自身は麗子とは正反対の人間ですが、ああやって「お金が一番大事」とはっきり欲しいものを言える人になれたらいいなという憧れもあります。

◆最後に、古屋さんの思う今後の本作の見どころを教えて下さい。

一番は篠田がどうなっていくのか、という部分ではないでしょうか。彼のバックグラウンドに一体何があったのか、そして、麗子は篠田とどう向き合っていくのか。また、篠田が警察を避けていることから、まだ大泉さんとの共演シーンが無いので、個人的に最終回までにどこかで絡めるシーンがあったらうれしいです。はたして篠田の過去が明らかになるのかどうか、それが何かの事件に絡んでいるのかどうか、僕自身もワクワクしています。

PROFILE

古屋呂敏
●ふるや・ろびん…1990年6月2日生まれ。京都府出身。“スラッシュ男子”のコンセプトを掲げ、役者だけでなく、映像クリエーター「ROBIN FURUYA」としても活動。2022年2月にはプロカメラマンとして個人初の写真展を開催。テレビ朝日系『仮面ライダーセイバー』(2020〜21年)、日本テレビ系『逃亡医F』(2022年)に出演。

公式Twitter:https://twitter.com/mynameis_Robin/
公式Instagram:https://www.instagram.com/robin_officialjp/

●photo/YOSHIHITO_SASAKI text/片岡聡恵

番組情報

『元彼の遺言状』
フジテレビ系
毎週月曜 午後9時〜9時54分

公式HP:https://www.fujitv.co.jp/motokare/

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2022年5月29日(日)23:59