本仮屋ユイカ＆平岡祐太＆藤田玲＆兵頭功海が明かす“愛されキャラ”の役作りの秘密　TOKYO MX新月曜ドラマ『片恋グルメ日記2』インタビュー

TOKYO MXの月曜後10時のドラマ枠「ドラマニア！」で5月23日（月）よりスタートする『片恋グルメ日記2』に出演する本仮屋ユイカさん、平岡祐太さん、藤田玲さん、兵頭功海さんにインタビュー。約1年半ぶりの再共演の感想や、個性豊かなキャラクターの役作りについて聞きました。

『片恋グルメ日記』は、アキヤマ香の人気コミック（双葉社刊）を原作とした「妄想×グルメ」の“新食感”ラブコメディ。出版社を舞台に、現実の恋に踏み込めない漫画編集部員・所まどか（通称：コロ）が、思いを寄せる男性営業部員・八角直哉（通称：八角さん）に近づくべく、彼が食べたものと同じメニューを食べることで、妄想しながら追体験＝“食事ストーキング”をしていく。パート2では、前作でついに結ばれたかのように見えたコロと八角さんの恋の行方を、原作にはないオリジナルストーリーで描く。

◆パート1の好評を受けて、続編の制作が決まったときの感想を教えてください。

本仮屋：前作はすごくいいムードで撮影していたので、スタッフ・キャストの間から「パート2だったらこんなふうにやる？」なんて和気あいあいと話していたんです。放送が終わってから視聴者の方から続きが見たいというお声を頂いていて、そういう熱量があるままにこんなに早いタイミングで実現できるんだってすごく感激しました。

平岡：僕も自分が大好きな作品だったので、続編ができることはすごくうれしいなって純粋に思いました。

兵頭：パート1のときは原作があって、原作の終わりが最終回だったので、パート2があることが想像できませんでした。パート2があるって聞いたときは、え？原作者の方が続きを出したのかな？と思ったんですが、オリジナルの脚本だと聞いて、再会が本当にうれしかったです。

藤田：僕も一緒で、え？完結してるよね？って。コロちゃんと八角さん、くっ付いたよね？って思いました。パート1からかなりぶっ飛んだというかキャラ全開だったんですけど、パート2は最初に監督と衣装合わせでお会いした時に「もっと好き勝手にやってください」みたいな（笑）。なのでプレッシャーと闘いながらもめちゃくちゃ楽しい撮影でしたね。

◆ドラマ放送後に作られたオリジナルストーリーということは、皆さんがこのキャラを演じるという前提になるので、当て書きのようなかたちですよね。

藤田：台本は完全に当て書きでしたよね。

本仮屋：どこでそれを感じました？

藤田：僕は「何なに系」です。これムチャぶりだ、絶対ニヤニヤしながら書いてるだろうなと思ってました（笑）。

一同：（笑）。

本仮屋：今回は原作がなくて、遠距離になったコロと八角さんが恋に踏み出せないっていうそれだけの話なんです。それが8本のお話になっていて。これは女優として、あなたはどういう表現できますか？っていう挑戦状であり、みんなが本当に魅力的なキャラクターじゃないと視聴者の人の心はつかめないから、すごくハードルの高い台本だなって感じました。

平岡：現場に入ったときに、監督が「八角さんだけど平岡さんのままでいいですよ」とおっしゃっていて、僕はすごくそれにとまどったんですよね。やっぱりパート1があってのパート2なので。自分そのままではなく、八角さんをかなり意識して最後までやっていましたね。

兵頭：星はすごく人間らしくなったなと思いました。原作ものだったので、パート1は少し漫画寄りのせりふが多かったり、“いそうだけどここまでの人はいないよな”っていうキャラクターに感じたのですが、本当に人間らしくなりました。星が成長して帰ってきたといわれているんですけど、そのとおりで一人の男として立派に帰ってきたなって思いました。

◆同じ作品で1年半ぶりに再会したときの思いは？

本仮屋：すごくうれしかったです。みんなそれぞれ忙しかっただろうし、きっといろんな役があったり、プライベートでもいろんなことがあったと思うんですけど、役に入ったらその役が帰ってきた。しかもみんなの成長や進化と相まってその役自身も熟成されている気がして。なんだか一人一人との再会にすごく感動しました。

平岡：撮影に入ったときにパート1のことを思い出しましたね。撮影期間が短かったりで大変なんですけど、その中でも楽しかった思い出があって、それがまた始まるっていう高揚するような気持ちがありましたね。

兵頭：まずはうれしかったのと、1年半前には見えなかったものがすごく見えた気がして。例えば本仮屋さん演じるコロさんはこんなこと考えてるんだ、だから本仮屋さんは今こうやって集中してるのかなとか、1年半前じゃ気づけなかったことに気づけるというか。

本仮屋：観察してたの!?（笑）うれしいよ～！

兵頭：（笑）。監督とのやりとりとか、カメラマンさんと監督の会話とか、今こんな感じで撮ってるんだなっていうのをちょっと分かった気がして。同じ現場に帰ってきて、気づけるようになったのはよかったなと思いました。

本仮屋：すごい成長だね。

藤田：素晴らしいね。本当にすごく現場の空気がいいんですよ。もちろん本仮屋さんが真ん中にいらっしゃって、みんながコロちゃん、本仮屋さんのことが好きでやっている現場なので、あんまりブランクを感じてないというか。あれ？先週ここで撮ってたよね？ぐらいな再会でしたね。特にりんご先生はほとんど家にいるので、セットも一緒だったし、日常の先というか。
役としても、役者・藤田としてもみんなとお会いできたのがすごくうれしかったですね。

◆本作の登場人物はみんな本当に魅力的な愛されキャラぞろいで、それは演じる皆さんによるところが大きいと思いますが、演じるに当たって大切にしたことはありますか？

本仮屋：大切にしていたこと…

藤田：ノートに書いてたじゃない（笑）。

本仮屋：ノート持ってくればよかった！（笑）

兵頭：僕もノートに書いてました。

本仮屋：八角さんは何を大切にしてた？

平岡：僕の場合はギャップですかね。八角さんって何が魅力的かってずっと考えていて、ギャップかなって。八角さんって奥手だし、自分のことを語るキャラじゃないし、おとなしい優しい人なんですけど、それが妄想になった途端、すごく大胆になるっていうそのギャップが大きいほど魅力的に作れるのかなって。そこはずっと意識していましたね。

兵頭：今回、星は、全体的に本当に優しく見えるんです。でも星としてはコロさんが困っているのを見て楽しんでいるっていう部分は、監督にも言っていただきながら、気をつけて演じていました。
どうしても優しくなっちゃうので、なりすぎないようにしました。

◆ちょっと星君、楽しんでない？というのは第1話を拝見して感じました。

藤田：やっぱり成長したんだよ。

兵頭：（照笑）。

藤田：僕はまずはもちろんテンション高くというのはあったんですけど、天使と悪魔の共存ですかね。

一同：（笑）。

藤田：それが曲家りんご先生なんじゃないかと思っています。このタイミングでこれを言うことによってコロちゃんはどう変わるかな？ちょっとつついてみようかな？っていう。りんご先生はただただ楽しんでいるだけなので（笑）、その引き出しを自分の感情ではなくてコロちゃんの感情に合わせるっていうのを意識していましたね。
コロちゃんが考えちゃうんだろうなっていう言い方とか、これでちょっと救われるだろうなって言い方とか、同じ台詞でも言い方っていっぱいあるので。自分主体というよりはコロちゃん主体っていう考え方でしたね。

本仮屋：私は、このパート2はコロが“私は私らしく生きていっていいんだ”って決意できる全8話だと思うんです。それに気づくきっかけをありとあらゆるキャラクターが与えてくれるから、みんなのお芝居を120％受ける、全てのみんなのセリフとかリアクションに対しての感情を出し続けるというのを心掛けていました。
キャラクターが決まってくると、通る思考のルートとか表現する域っていうのが決まってくるんですけど、それをなるべく決めない。自分でも出したことがないところを出す、恥ずかしい、怖いというのが所まどかの大半を占めている感情なんですけど、それは役者の本仮屋ユイカも持っているものだから、その葛藤をちゃんとずっと感じるという拮抗を一番意識し続けました。

◆続編ということで、前回演じた役柄をもう一度演じるときに、どんなふうに取り組まれるのでしょうか？例えば本仮屋さんの中にコロちゃんという引き出しがあって、そこからキャラを取り出すとか、あるいはほかの皆さんとの関係の中で相互作用で役に戻っていくとか…。

本仮屋：どちらもある感じがしますね。会うたびに、八角さんに見せているコロってこんな感じだったな、星君といるときのコロはこうだな、りんご先生はこうだったって思い出して。あと、みんなそうだと思うけど、1回やった役って体のどこかにいるんですよね。その引き金を引いてくれるのは共演者だったり、スタッフだったり、セットだったりするという感じです。

◆本仮屋さんがパート1のときに“ニヤニヤ”がト書きにとても多いとおっしゃっていて、今回もニヤニヤのバリエーションがすごいと感じたんですが、微妙な違いはどうコントロールされるんですか？

本仮屋：無意識なこともあるし、意識していることもありますけど、バリエーションは多いほどいいので、ちょっとエッチなニヤニヤとか、すごい恥ずかしいニヤニヤとか、自分の中で台本以外のエッセンスを5、6バージョンくらい考えながらやるようにしています。パート1のときはニヤニヤだけですごく恥ずかしくて、この頭の中を誰かに見られたら死ぬかもしれない！と思うことをずっと考えていたんですけど、パート2は何にも恥ずかしくなくなってきて。だいぶ麻痺してきたなと思いました（笑）。妄想女子が板に付いたんだなって。

◆第1話のオフィスのシーンのニヤニヤが最高でした。

本仮屋：あれは相当恥ずかしいことを考えてました（笑）。

◆そんなニヤニヤも含めて、コロちゃんの魅力が作品を引っ張っていると思うんですが、男性陣の皆さんが感じるコロちゃんの魅力、そしてそれを生み出す本仮屋さんの魅力を教えてください。

本仮屋：なんてご褒美タイムなの！

男性陣：（しばし考える）

本仮屋：そんなに悩まないで！何でもいいから絞り出して（笑）。

兵頭：僕からいいですか？本仮屋さんは、本当にかっこいいなと思います。現場の居方とか役に対しての向き合い方とか、この役を生きる瞬間のために全力を懸けていて。それを間近で見ていてかっこいいなと思いました。
コロちゃんの魅力は憎まれないところじゃないですかね。コロちゃんは悪いところがあるわけではないんだけど、めちゃくちゃいいところがあるかって言われたらそれも分からない。でも、なんか好きだな、応援したくなるな、いとおしいなっていう感じが魅力だと思います。

本仮屋：ありがとうございます！

藤田：本仮屋さんはとてつもなくプロだっていうところはもちろんかっこいいなと思います。女性としてとても美しいし、かわいいところもいっぱいあるし、チヤホヤされるものしか持っていないのに、誰も傷つけないし、空気を支配してないように支配してるなって思っていて。

本仮屋：えぇ～（驚）。

藤田：そして、誰からも愛される人なんだろうなって感じます。現場の居方からも休憩の取り方からも、すごい人なんだなって。これは褒めてるのと同時にちょっと怖がってます（笑）。

一同：（笑）。

藤田：一緒に仕事をした人はみんな大好きになるんだろうなっていう魔性の女性です（笑）。

本仮屋：フフッ、魔性系女優（笑）。

藤田：コロちゃんは、あの不完全さとピュアさが魅力なんじゃないですかね。人って人を応援してるときにすごく幸せになれるから、その応援したくなるものをたくさん持っているっていうのがコロちゃんのいいところですね。

平岡：現場で本仮屋さんを見させてもらっていて、その世界観に入る集中力っていうのは本当にすごいなって思いましたね。真似できないなって。コロちゃんについては、僕は八角さんの気持ちにもなっちゃっていたので、そこからの視点で言うと、コロちゃん、そんなにいろんな男の人と出会ってちょっと嫌だなって（笑）

一同：（笑）。

本仮屋：魅力じゃないじゃん（笑）。

藤田：ちょっと嫉妬しちゃいますよね（笑）。

平岡：奥手だったから好きだったはずなんだけど、すごく大胆になってて（笑）。

本仮屋：うんうん。なってた（笑）。

平岡：でもコロちゃんがおいしそうに食べる顔を見て、言葉じゃなくて一緒にいると幸せなんだろうなって思いますね。

◆妄想シーンも大きな見どころのひとつですが、パート2でも健在ですね。

本仮屋：妄想シーンは平岡さんに引っ張ってもらっています。私は、台本に書いてあるストレートなことしか思い浮かばないし、そういう読み方しかしないんですけど、平岡さんは「例えばここで立つのどうですかね？」とか、「ここはこういう入り方の方が面白くないですか？」っていう提案をすごくしてくださって。とても自由だし、役者としてこれをやりたいっていうのもあるけど、こう見えた方がいいっていう俯瞰で見た視点も持っていて、一緒にいて勉強になりました。

平岡：妄想シーンは全部僕のエゴです（笑）。

一同：（笑）。

本仮屋：だからこの妄想のハードルについていくのに必死です（笑）。

平岡：すいません、妄想ばっかり考えていて（笑）。妄想って現実とは違う時間軸だから、何でもできるので。

本仮屋：平岡さんが何か言うと「来たぞー！八角さん妄想来たー！」ってスタッフも湧くっていう（笑）。

平岡：妄想楽しかった…（笑）。少しワクワクすることを入れたいというか、小さく収まっちゃいけないところかなとは思っていましたね。

本仮屋：そのかいあって、かなり世界観が複雑に大きく膨らんでいるので注目してほしいです。

◆前作では藤田さん演じるりんご先生も反響が大きかったですね。

本仮屋：金髪の役が増えたって言ってたね。

藤田：金髪の役は増えましたね。どうせやるならと思ってりんご先生の髪にして、そこから戻すことなく、金髪いいね！金髪でいこうってけっこういろんな役がきて。この1年半くらいほとんど金髪でした。

本仮屋：それすごいよね。役の幅が広がってる。

藤田：あとはテレビなのにあんなにはっちゃけてるの楽しそうでいいなっていう反響はめちゃくちゃもらいました。いやこっちは大変なんだよ！って思いつつ（笑）。どこまでが台本でどこからがアドリブなのか分からないという声も頂きましたね。

本仮屋：それを踏まえてパート2の脚本が書かれているから、最初からすごいハードルなんだよね。

藤田：そうなんです。で、その中にもネタがあるのに、その間にもネタを入れなきゃいけない雰囲気なんですよ（笑）。

一同：（笑）。

本仮屋：みんなワクワクして待ってるからね。何してくれるんだろうって（笑）。

藤田：僕だけいっつもカットがかからないですよ。からの～？からの～？みたいな。

平岡：終わったあとにいつも拍手してたよ。なんかいいもの見たなあって（笑）。

◆けっこうアドリブはあるんですか？

本仮屋：りんご先生は異常にありますね。

兵頭：終わった瞬間にスン！って（笑）。

藤田：言わないでよ！（笑）

本仮屋：でもそれぞれの意見とか段取りでやったことの採用率はすごく高いよね。

藤田：高いね。

本仮屋：みんなと役の融合率がすごく高い作品なので、誰よりも先にあなたはどう思うか？、この役がこう動くなら？っていうのを尊重してもらえたなって思います。

◆どのシーンがアドリブか想像しながら見るのも楽しそうですね。では最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

本仮屋：パート1をご覧いただいた皆さまがいてくださったから今回パート2を作ることができて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。八角さんとコロの恋の行方ももちろんだし、今までその恋を引っかき回していた星君がコロを見守り、応援し、導くような存在になっていて、かつりんご先生のパワフルさもそのまま楽しんでいただけると思います。プラスして新しいキャラクターがたくさん出てくるので、いろんなナイスガイたちに目を奪われつつ、妄想もグルメも楽しんで、月曜から元気いっぱいになれる作品なので、ぜひよろしくお願いします。

PROFILE

本仮屋ユイカ
●もとかりや・ゆいか…1987年9月8日生まれ。東京都出身。A型。NHK連続テレビ小説『ファイト』で主演、TBS系『王様のブランチ』で司会を務め、多数のドラマや映画などに出演。
近作に映画「しあわせのマスカット」、ドラマ『山女日記3』『私の夫は冷凍庫に眠っている』『愛しい嘘～優しい闇』など。近年ではラジオパーソナリティーとしても活躍し、また、2021年より「ゆいか」名義で歌手活動もスタートさせている。

平岡祐太
●ひらおか・ゆうた…1984年9月1日生まれ。山口県出身。O型。映画「スウィングガールズ」やドラマ『ゴッドハンド輝』で注目を浴び、大河ドラマ『龍馬伝』、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』、ドラマ『東京タラレバ娘』『今野敏サスペンス機捜235』など多くの作品で活躍。『新・浅見光彦シリーズ』では4代目浅見光彦を演じる。「復讐の未亡人」が2022年3月より独占配信中、7月より放送予定。映画「東西ジャニーズJr.ぼくらのサバイバルウォーズ」が公開中、映画「鋼の錬金術師完結編」にも出演。

藤田玲
●ふじた・れい…1988年9月6日生まれ。東京都出身。O型。2003年、ドラマ『仮面ライダー555』で俳優デビュー。ミュージカル「レミゼラブル」「南太平洋」や「ネクスト・トゥ・ノーマル」、ミュージカル「『刀剣乱舞』～結びの響、始まりの音～」、MANKAI STAGE「A3!」シリーズなど幅広く出演。ロックバンド「DUSTZ」のヴォーカルとしてアニメや映画の主題歌を歌唱。藤田玲としてアプリゲーム「ブラックスター -Theater Starless-」のキャラクターの歌唱も担当している。2022年5～6月全国ツアー、ミュージカル「『刀剣乱舞』～真剣乱舞祭2022～」、7～8月は舞台「呪術廻戦」に出演。

兵頭功海
●ひょうどう・かつみ…1998年4月15日生まれ。福岡県出身。B型。映画「五億円のじんせい」で俳優デビューを果たすと、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』にカナロ／リュウソウゴールド役で注目を集める。その後も、ABEMAドラマ『ブラックシンデレラ』（2021）、『DIVE!!』（2021）、『インバージョン』（2022）、ahamoドラマ『きいてください、最後の曲です』と作品は続く。6月4日、映画『レッドブリッジ』『レッドブリッジビギニング』の公開や、今年公開予定の「消せない記憶」では映画初主演を務める。