三浦貴大インタビュー「今やる意義がある作品。自分に置き換えて見ていただけたら」『好感度上昇サプリ』

特集・インタビュー
2023年05月27日
『好感度上昇サプリ』
『好感度上昇サプリ』三浦貴大 ©テレビ東京

ドラマ『好感度上昇サプリ』(テレビ東京 毎週日曜 深夜1時35分~)で主演を務める三浦貴大さんにインタビュー。作品や共演者の印象、ドラマの見どころなどを聞きました。

本作は、好感度が「数値化」された世界における人間のリアルな心理や行動を描いた新感覚ヒューマンドラマ。原作は、クリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿できるメディアプラットフォーム「note」主催による投稿コンテスト「創作大賞」で、応募総数1万6,848件の中から優秀作品賞を受賞した、目からウロコによる同名作品。

出版社の営業として働く谷村雄二(三浦)は、学生時代から地味で、何事もうまくいかない。そんな自己肯定感の低い人生を送っていた谷村だったが、ある日SNSの画面に流れてきた「好感度サプリ」という広告を偶然見つけ、興味本位でサプリの服用を開始する。すると突如、自分の頭上に数字が出現。その数字は“自分に好感を持つ人間の数”を表す数字だった。

◆オファーを受けたときの感想は?

『好感度上昇サプリ』という題名を聞いて、最初は「どういう話なのかな」と気になりました。すごくSFチックなものを想像していたのですが、実際に台本を読んでみると、現代社会で起こり得るような話だと感じました。今はSNSのフォロワーなど、“好感度”のようなものを皆さん気にされる世の中だと思いますので、そういう面では今やる意義があるような作品だなと思います。

◆三浦さんが演じる雄二の印象はいかがですか?

サプリを飲む前の最初の雄二のせりふで「今までうまくやってきた」というせりふがあるんですけど、実はそうじゃないんじゃないかなと思っていて。“自分の中でうまくやってきたと言い聞かせている人“だと僕は思っています。こういうことができない、ああいうことができないというフラストレーションのようなものを、自分の中で隠すために「うまくやってきたよな、俺は」と言い聞かせている人なんじゃないかと。それが、サプリを飲んで好感度の数字が見えるようになって、今まで抑え込んでいたものが表出化していく。そういった人物だと思います。

◆サプリを飲む前と後での演じ分けはいかがでしたか?

難しかったです。全4回という短い話の中で人が成長していく、変化していく様を演じるのは本当に難しい。気持ちの部分も差をつけながら演じましたが、メークや衣装、髪形を変えるなど、外見の違いに助けられたところもありました。

『好感度上昇サプリ』
『好感度上昇サプリ』 ©テレビ東京

◆作中で雄二は好感度が数字で見えるという状況になりますが、実際に三浦さんが雄二の立場だといかがですか?

僕は耐えられないかもしれないですね(笑)。ただでさえこの仕事をしていると、SNSのフォロワーなどがすごく気になるんですよね。僕は俳優なのでまだそこまでではないのですが、フォロワー数が直結するお仕事をされている方もいらっしゃると思うので、それがさらに一人一人数字で見えてしまうとなると、ちょっと生きづらいと思いますね。

◆俳優だとそこまで過敏に好感度を意識することはないとのことですが、三浦さんご自身は好感度を気にされることはありますか?

ある程度気になりますね。どの職業でも人間誰しも好かれたいとは思いますし、普通に生きていたら好かれていた方が生きやすいですし…。雄二がサプリを飲む気持ちも分からなくはないです。僕も1日くらいだったら好感度の数字を見てみたい気もします(笑)。

◆三浦さんの中で“好感度が高い人”はどのような人だと思いますか?

本当に難しいですよね。好感度って種類があるような気がしていて、親友だったり家族だったり、そういう“好き”もあると思いますし、自分の生活や仕事に役に立つという好感度もあると思うんです。利用価値があるみたいな。本当にいろいろな種類の好感度があって、好感度ってなんなんだろうっていうスパイラルに陥っています(笑)。僕の思う好感度は、単純に人として好きだというもの…であってほしいと思っています。難しいですね(笑)。

『好感度上昇サプリ』
『好感度上昇サプリ』 ©テレビ東京

◆雄二のライバルの彼女・斉藤佳奈役の生駒里奈さんの印象はいかがですか?

生駒さんは初めて共演させていただいたんですけど、すごく自然体で。どこから芝居に入っていくのか分からないような、自然と芝居に入っていく不思議な方でした。

◆とろサーモンの久保田かずのぶさんがインフルエンサー・NORIの役を演じられていますが、印象はいかがでしたか?

とにかく面白かったです。台本にせりふがたくさんあるのに、さらにその5倍くらいの量をアドリブでしゃべってらっしゃって(笑)。雄二がNORIさんにけなされるシーンがドラマの中にあるのですが、本当に辛辣でけっこうへこみました(笑)。

◆サプリを紹介する松原医師役の萩原聖人さんはいかがですか?

萩原さんは何度か共演させていただいたことがありますが、すごく頼りになる先輩です。今回の役はずっと無表情で不思議なことを言う変わった役なんですけど、よくこんな役が成り立つな、と思いました。これは萩原さんじゃないと成り立たないんじゃないかと。やはり尊敬する先輩だなと思いましたし、萩原さんのお芝居って面白いんです。毎回難しい役をやられている印象がありますが、それを直球で捉えていらっしゃる気がしていて。不思議な役でも真っすぐに演じられている印象があるので、今回もたくさん勉強させてもらえてうれしかったです。

『好感度上昇サプリ』
『好感度上昇サプリ』 ©テレビ東京

◆雄二の同僚・長谷川役の山口大地さんの印象はいかがですか?

初めて共演させていただきましたが、山口さんの普段のしゃべり方や物腰などから「本当にこの人良い人なんだろうな」と伝わってくるような方でした。ドラマでは、長谷川と雄二が関わっていく途中で離れてしまうこともあって。その離れるときが本当に心苦しかったです。山口さんが演じているが故に。本当に悪いことをしている気持ちになりましたし、山口さんがものすごく悪い役をやるときにまた共演してみたいです(笑)。

◆本作は、雄二が大切なものを見つけていくという物語でもありますが、三浦さんにとって大切なもの、譲れないものはありますか?

友達と自分の生活が大事です。仕事ややらなきゃいけないこともたくさんあるとは思うんですけど、自分の生活を崩してしまわないようにしています。俳優という仕事は家で台本を読んだりもしますし、役について考えたり、時間があればあるだけどこまででもできる仕事なので、自分の時間を全て削って自分の生活を壊すようなことはしないようにと思っています。

◆この作品が視聴者の方にどのような影響を与えると思いますか?

雄二は、最終回に向かって自分の中である結論を出しますが、「そういう生き方もいいんじゃないかな」「そういうことだよね」と思ってもらえればいいなと思っています。

◆最後に、ドラマの見どころを教えてください。

このドラマは、サプリを飲んで人の好感度が見えるようになるというお話です。今は多くの人が“好感度”をSNSのフォロワーなどに置き換えられると思うので、スッと入ってくる作品になっていると思います。実際に自分が、好感度が見えるようになったらどうなるんだろうということを考えながら見てもらえるとより楽しめるんじゃないかなと思います。

PROFILE

三浦貴大
●みうら・たかひろ…1985年11月10日生まれ。東京都出身。A型。

番組情報

『好感度上昇サプリ』
テレビ東京
毎週日曜 深夜1時35分~

配信:動画配信サービス「Paravi」でも配信
Paravi:https://www.paravi.jp

テレビ東京公式ドラマチャンネルで3か月限定無料配信
YouTube:https://www.youtube.com/c/tvtokyodrama

原作:目からウロコ『好感度上昇サプリ』

主演:三浦貴大
出演:生駒里奈

プロデューサー:松本拓(テレビ東京)、渋谷英史(ハピネットファントム・スタジオ)
監督:角田恭弥
脚本:安里麻里
エンディングテーマ:ヘッドフォンの中の世界「その他大勢」(UNIVERSAL MUSIC)
制作協力:ハピネットファントム・スタジオ
製作著作:テレビ東京

番組HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/koukandosupuri/
番組Twitter:@tx_kousapu

©テレビ東京