日向亘&片岡凜が語る過酷なサバイバル撮影で得た気づき『ペンディングトレイン』インタビュー

特集・インタビュー
2023年06月02日
『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』©TBS

山田裕貴さん主演の金曜ドラマ『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)に出演中の日向亘さん、片岡凜さんにインタビュー。本作は、偶然乗り合わせた電車が未来の荒廃した世界にワープし、何もかも遮断され“ペンディング”された“非日常”の世界へと放り出された乗客たちが、共にサバイバル生活を生き抜く姿を描くヒューマンエンターテインメント。名門高校に通う医者志望の受験生で、大人に対して強い不信感を持つ江口和真を演じる日向さんと、和真の恋人で同じ名門校に通う成績優秀な和真を尊敬している佐藤小春を演じる片岡さんに、役作りや本作を通して学んだことなどを聞きました。

◆ここまでの撮影を振り返って、ご自身のキャラクターと撮影の感想をお願いします。

日向:和真は大人への不信感を持っていたので、1話では小春と一緒に「もうこの人たちと一緒にいるのやめよう」と言って、5号車を飛び出しましたが、赤楚(衛二)さん演じる優斗の懸命な説得によって少し心が動かされて。3話で山田さん演じる直哉からのちょっとしたアシストであったり、褒めてもらったりしたことによってさらに心を開いて、そこから5号車のみんなと打ち解けていきました。そこの和真の成長は、僕自身もすごく意識して演じさせてもらっていたので、皆さんに伝わっていたらいいなと思います。

片岡:私が演じている小春は、比較的自分が信頼している人以外、あまり自分の中に迎え入れないような性格の人。なので、1〜2話ぐらいではずっと和真の隣にいて、他の人を寄せ付けないっていう印象が強く、どちらかというと、ツンツンしてるような女の子に見えていたと思います。だんだんとお話を重ねていくにつれて、このペンディングされた状況下で、自分はこの5号車の人たちと一緒に生きるしかないという現実を彼女なりに受け入れたところで、小春の優しさがいろんな人に向けられていくというのが見どころの1つですし、キャラクターの特徴でもあります。

◆小春は和真に秘密を抱えているような描写もありますが、そういったところについてはいかがですか?

片岡:だんだんとお話を重ねるにつれて小春の不安要素が誰にも打ち明けられないまま、彼女の中でどんどん大きくなっているんです。どんどん彼女が限界を迎えてきていて、そこも注目していただきたいポイントです。

◆ご自身のキャラクターを演じるに当たって、意識されたことは?

日向:反抗期の子供に見えないように意識しています。和真には大人を毛嫌いする明確な理由、経験があるので、意識して大人に対して反抗的な態度を取ろうと考えました。凜ちゃんは?

片岡:和真と小春はセットというイメージが強いので、例えば小春が不安だったら、和真に寄り添ってもらったり、何かひと言声をかけてもらったりと、台本に書かれていないところまでそういったお互いのキャラクターをきちんと認識した上で、どうやって尊重していくかというやりとりをさせてもらっています。

◆お2人でどんなお話をされたんでしょうか?

日向:和真の表には出さないけど、小春のことを一番に思っていること。少し大げさかもしれないですが、自分の命に代えてでも守りたい存在だと思っているので、危険が伴う場所で生活をしている以上、小春のことを放っておけないし、彼氏としての紳士的な部分は出していきたいなと。

片岡:小春はどちらかというと愛情表現が豊かな女の子なので「好き」っていう思いが強いというのはお互い共通認識として持っておこうと話しました。

◆和真と小春の大人に対する対応について、監督と何かお話をされましたか?

日向:最初に、和真が先導して大人を嫌って、小春はその和真の意志を尊重するというようなことをお話ししました。小春は「お父さん、お母さんに会いたい」という描写もあるので、すてきな家族に恵まれて育ってきた女の子というイメージがあって。そんな小春は和真が1人にならないように、周りに気を使ってくれる。なので、どちらかというと小春の方が大人になじむ能力があって、和真はそれにすごく助けられていて。小春は和真の決断力に少し頼っている部分があって、お互いが持っている長所と短所で補い合っているところは大事に表現したいと思って演じています。

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