【M-1ファイナリストカウントダウン(8)】さや香/昨年の準優勝コンビは「気負うことなく、新鮮な気持ちで楽しくやり切った先に結果がついてくる」

特集・インタビュー
2023年12月22日
さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局
さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。今年はクリスマスイブ、12月24日(日)に決勝が行われる。昨年はウエストランドが2度目の決勝進出で、勢いのある漫才そのままに頂点へと駆け上がった。今年のM-1は敗者復活戦がブロック制、芸人審査+観客審査になるなど大きくリニューアル。放送時間も午後3時~そのまま本戦に続く7時間強のぶっ通しになるなど、新たな一歩を踏み出すことになった。

決勝初進出が5組、最多進出でも3回目が2組といわゆる常連と呼べる組が少ない顔ぶれがそろったファイナリスト9組。TV LIFE webでは、今年も毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

8組目は昨年の準優勝コンビ、さや香。2017年以来の決勝進出となった昨年は、ファーストラウンドで審査員に「美しい漫才」「完璧」と讃えられ1位通過したものの、最終決戦で涙をのむ結果に。今年のファイナリストの中では、真空ジェシカと並んで最多の3回目の決勝進出だが、その経験を生かして「決勝は運やと思っているので、楽しんでやるだけ」(新山)、「新鮮な気持ちで楽しくやり切った先に結果がついてくる」(石井)と気負わずに挑む構えだ。


◆決勝進出おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

新山:ホンマにホッとしています。「よっしゃあ!」というよりは、「ああ、よかった」という感じですね。ここで負けていたら「ああ、落ちたな」という感覚になっていたと思うので、それを回避できてよかったです。

石井:まったく同じですね。(ファイナリストの発表時は)もちろん決勝へ行くつもりで、名前を呼ばれるつもりで立っていましたが、いろんなコンビが呼ばれていく中で緊張感が上がり続けて、呼ばれたときには「よかった」とホッとしました。

新山:東京で新幹線に乗って、新大阪で財布をなくしたことに気づき、東京駅に電話したら「財布ありました」と言われた時の感覚とまったく一緒といいますか。「耐えたぁ!」という感じですね。

◆今年のM-1のキャッチコピーは「爆笑が、爆発する。」です。これまでの戦いを振り返って「爆発した」と感じる瞬間はありましたか?

石井:僕は大阪の「森ノ宮よしもと漫才劇場」でのネタ中に、気合いが入りすぎてブラックアウトしかけた時ですね。熱が入りすぎてウケるところで「ウケてない!」となり、焦って心臓がバクバクして。でもネタは最後までやって、周囲にはバレてないなと思ったときに「あ、プロやな」と思いました。今ではその爆発も調整できるようになりました。

新山:今年の準決勝では、昨年よりも緊張が爆発していましたね。それもあって、ホッとしたところが大きい。全然ちゃいましたね、緊張が。昨年は負けてもしゃあないか、という気持ちが大きかったんですが、今年は負けたらヤバイと思っていました。

◆自分たちの強み、持ち味は何だと思いますか? 「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」に当てはめると?

新山:身長差ですかね。ファイナリストの中では、M-1の優勝トロフィーにもっとも近い身長差です。今年でいうとダンビラムーチョさんも身長差がありますが、大原(優一)さんが小さすぎて、トロフィーより身長差が開きすぎているんですよね(身長差16cm)。

さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局
さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局

◆子供のころ、一番初めにM-1を見た記憶はどの大会ですか?

新山:2004年くらいから記憶に残っていますが、完全に覚えているのはブラックマヨネーズさんが優勝した2005年。あの時はクリスマスで、母方のおじいちゃんの家で母の姉妹家族とおじいちゃん、みんなで鍋を囲みながらテレビの前に座って見ていました。品川庄司さんで息ができひんくらい笑い転げたのを覚えていますね。そのときに、親が「これがブラマヨやな」と話していたのも覚えています。

石井:第1回(2001年)はリアルタイムで見ていなくて、第2回以降は見ています。(第2回は)「なんやろう、こんな番組あるんや」と興味を持って見てはいましたが、具体的にこのシーンというよりも、吉本じゃない芸人さんが優勝したというのが印象に残っています。そこからはM-1前に準備を終え、テレビの前に座って見るようになりました。ブラックマヨネーズさんが優勝した時にはもう漫才に興味が出ていて、近くの河川敷で漫才をしていたんです。まるまる同じようにネタをやるだけやったんですけど、それが楽しかったですね。その当時の、友達に「M-1始まるで!」と電話したりする風景は覚えていますね。

◆ほかのファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

石井:真空ジェシカは同期で意識していますね。ヘンなことをするので、直後の出番はイヤやな、とか。2017年はマヂカルラブリーさんのあとでイヤな思いをしたので。そういう意味では意識します。

新山:僕はカベポスターですかね。大阪に戻ったときには、カベポスターと仕事の取り合いになるので。永見(大吾)が『探偵!ナイトスクープ』の探偵になったとき(2023年5月12日~)は「よしもと漫才劇場」の先輩たちもだいぶザワついていたので、その先輩たちの分も背負ってカベポスターを倒したいです!

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

石井:僕は父親が82歳になり、昨年のネタでも言っていたんですけど、運転免許証の更新をしたという連絡がきたので、車を買ってあげられたらいいなと思っています。返納するのは次の更新かなと言っていました。

新山:M-1のエントリーフィーが2000円なので、賞金500万円から来年のM-1のエントリーフィー2500組分おごります。僕らが優勝してM-1を卒業していると想定しての話なので、2500組増やしてM-1をさらに激戦にしたいと思います。

さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局
さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局

◆今後、出演してみたい番組、もしくはやってみたいご自身の冠番組はありますか?

新山:『名探偵コナン』の映画で本人役とか?

石井:それエエなあ。

新山:『ちびまる子ちゃん』とかね。本人役で国民的アニメに出れたら売れたでしょ! 国民的アニメの中に入りたいです。

石井:ドラマの本人役もいいけど、確かにアニメの本人役は出たいなあ。

◆最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。

新山:決勝は運やと思っているので、楽しんでやるだけ。「絶対に勝つ」と言える大会ではないと思っているので、運にお任せして、楽しくできたらいいなと思います。

石井:2年連続で、決勝は3回目ですが、そこはまったく気負うことなく新鮮な気持ちで楽しくやり切った先に結果がついてくるという気持ちで臨みたいです。

◆相方にも何か一言を!

新山:自己紹介でかまないように。

石井:それは(昨年の最終決戦での)お前やろ(笑)。

●edit/松田優子

さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局
さや香(左から新山、石井)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2023』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後6時30分 ~10時10分

『M-1グランプリ2023 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後3時~6時30分

『速報!M-1ネクストデイ ~王者誕生までの舞台裏~』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月25日(月)午後8時〜

※すべて生放送

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

©M-1グランプリ事務局