【M-1ファイナリストカウントダウン(5)】ダンビラムーチョ/目指すは「なんのメッセージ性もない、ただ笑うだけの“マジで見なくていい4分間”」

特集・インタビュー
2023年12月19日
ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局
ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」。今年はクリスマスイブ、12月24日(日)に決勝が行われる。昨年はウエストランドが2度目の決勝進出で、勢いのある漫才そのままに頂点へと駆け上がった。今年のM-1は敗者復活戦がブロック制、芸人審査+観客審査になるなど大きくリニューアル。放送時間も午後3時~そのまま本戦に続く7時間強のぶっ通しになるなど、新たな一歩を踏み出すことになった。

決勝初進出が5組、最多進出でも3回目が2組といわゆる常連と呼べる組が少ない顔ぶれがそろったファイナリスト9組。TV LIFE webでは、今年も毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

5組目は、初の決勝進出を果たしたダンビラムーチョ。昨年は「準決勝でめちゃくちゃスベった」(大原)ものの、敗者復活戦ではトップクラスの爆笑をさらい、ステージ横で見守ったNON STYLE・石田明に「ちゃんとアホでしたね~! 途中で気持ちよくなってきました」、スピードワゴン・小沢一敬にも「ワクワクするね。サイコーだよアイツら!」と言わしめた。「昨年の敗者復活戦が“0回戦”で、その勢いで決勝に進出できた」と追い風に乗る2人が、今年は念願の決勝での爆発を誓う。


◆初めての決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

原田:記者会見が終わった後は、何が起きているのか分からないふわふわした感じでした。うれしさはずっとあるんですが。

大原:なんだか気持ちいい感じなのは確かです。まさか決勝に行けるなんて、僕らはそういう存在じゃないとずっと思っていたので。昨年は準決勝でめちゃくちゃスベったんです。

原田:昨年、敗者復活戦はよかったとたくさん言ってもらえて、それも含めて今年の決勝進出なのかなって。昨年の敗者復活戦が今年の0回戦で、その勢いで行けた感じはすごくありました。お客さんがワクワクしてくれているというか、僕らがアホなことをやればやるほど、こっちに近づいてきてくれる感じがして。びっくりするくらいお客さんが喜んで、より笑ってくれるので「なんだこれ!?」と。うれしかったですね。僕らが芸歴1年目でこのネタをやったとしても、ウケてなかったと思うんです。芸歴を重ねてこれをやっているアホらしさ、いろんな積み重ねでここまでウケたんだろうなと思います。

大原:昨年の準決勝の段階では、そこがうまく伝わっていない感じがしていました。今年はずっとホームの空気感でできた気がします。

◆今年のM-1のキャッチコピーは「爆笑が、爆発する。」です。これまでの戦いを振り返って「爆発した」と感じる瞬間はありましたか?

原田:それこそ昨年の敗者復活戦かもしれません。みんなが楽しんでくれて、「ドーン!」っていうのを初めて味わったのは。タイミングとかすべてが噛み合って、めっちゃ面白くしてくれた感じがあったんです。

大原:今年は準決勝が終わった後に、マヂカルラブリーの村上さんに「マジで見なくていい4分だったわ~」と言われて。

原田:それはすごくうれしかったですね。僕らは「こいつらバカだな~!」というのしかできない。マジで無駄な時間だし、なんのメッセージ性もない、笑うだけのネタを目指しているので。

◆自分たちの強み、持ち味は何だと思いますか? 「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」に当てはめると?

原田:「一番楽しい!」ですかね。

大原:「一番楽しませる」じゃない?

原田:「楽しませる」か~。みんなで楽しむんだ! みたいなこと?

大原:なんかしっくりきてないみたいです(笑)。

ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局
ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局

◆ほかのファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

大原:くらげです。養成所で僕らの一期下なんですが、同期に空気階段、コットン、オズワルドがいる中でのたたき上げ感があって。

原田:今年のファイナリストの中で、くらげがダントツで食えていないと思うんです。僕らも決勝に行けてうれしいですが、くらげが決勝っていうのがめっちゃすげぇなと思います。

大原:マユリカもですね。東京と大阪ではありますが、同期で仲がよくて。彼らが今年、東京に移ってきてからずっとライブも一緒にやっていたので。

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

大原:実は僕、大学に7年通っちゃって、親にだいぶお金を払ってもらったので、さすがに少しでも返したいなと思います。

原田:普通すぎますけど、親に全額渡して家族で使ってもらいたいです。

大原:あと、巨人ファンなので東京ドームの年間シートを買いたいです。母校の野球部に野球道具を寄贈もしたいですね。大谷(翔平)選手と同じくグローブを3つで。

◆子供のころ、一番初めにM-1を見た記憶はどの大会ですか?

原田:第1回(2001年)の中川家さんが衝撃的に面白すぎて、M-1すごい! と思って見始めました。笑い飯さんもすごすぎて、落ち込んだ時にずっと見ていました。

大原:僕も笑い飯さんですね。

原田:笑い飯さんは、面白いってかっこいいんだと思わせてくれた人です。M-1のDVDの特典映像にあるインタビューとかで、みんなガチで答えている中でもめっちゃふざけまくっているのが面白すぎて。そこでふざけるのって、逆にサムくなったりするじゃないですか。でも面白い域に達しているのがかっこいいなって。

大原:2007年のダイアンさんのスカウトのネタもすごく覚えています。笑わせるというよりも、好きなことを言っているという感じがあって「芸人でこんな人もいるんだ!」と。あの漫才から、今への影響を受けているかもしれません。

ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局
ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局

◆今後、出演してみたい番組、もしくはやってみたいご自身の冠番組はありますか?

大原:野球が好きなので、毎週日曜日にその週のプロ野球を振り返る番組をやりたいです。あとは『熱闘甲子園』に出てみたいです。『Going! Sports&News』とかも!

原田:野球ばっかりだな。僕はもう中学生さんにめちゃくちゃお世話になっていて、これまでいろいろな番組に呼んでもらっているので、もう中さんの地元である長野県で一緒に番組をやりたいです。

大原:音楽番組にも出てみたいです。

原田:音楽番組いいね! 決勝でネタがハネたらね!

◆最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。

大原:絶対に笑わせますよ!

原田:おぉ~気合い入ってるね! 僕は肩肘はらずに楽しみたい。いい意味で、見ている人の休憩みたいな時間を送りたいです。それが一番楽しいと思うので。

大原:お酒飲みながら見てほしいですね。

原田:その上で、やっぱり爆発させたい。(最終決戦まで)2本ネタをやりたいです。

●text/松田優子

ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局
ダンビラムーチョ(左から大原優一、原田フニャオ)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2023』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後6時30分 ~10時10分

『M-1グランプリ2023 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月24日(日)午後3時~6時30分

『速報!M-1ネクストデイ ~王者誕生までの舞台裏~』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2023年12月25日(月)午後8時〜

※すべて生放送

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

©M-1グランプリ事務局