BOYS AND MEN 田中俊介「現場では監督の犬でした!」

映画
2017年05月18日

120020_01_R 6月3日(土)に公開される映画「ダブルミンツ」のナビゲートDVDが5月17日(水)に発売。発売当日のトークイベントに主演の田中俊介(BOYS AND MEN)と監督の内田英治が登壇した。

 本作は、サブカル界のカリスマ・中村明日美子による原作の実写化。高校生の時に同じ音を持つ2人が出会い、主従関係になった“いちかわみつお”。数年を経て、ある衝撃的な再会を果たした2人が共犯者となり、高校の頃の関係ではない、新たな形の関係へと姿を変えていく。公開に先駆け、映画のメイキングを収めたナビゲートDVDが5月17日に発売された。

 映画公開が近づいていることについて田中は「正直ドキドキしています」と緊張ぎみ。「この間の完成披露試写会でも、たぶん僕が一番緊張していて。ずっと楽屋でソワソワしてました」と先日行われた完成披露試写会の舞台裏の様子を明かすと、内田監督は「ずっとうろうろしてるから、うっとうしかったよ(笑)」と。さらに田中は「体験したことなかったんですけど、出産を控える奥さんを分娩室の前で待つ旦那さんの感覚でした」と話し、会場を笑わせた。

 完成披露試写会で久しぶりにキャストと会ったそうで、田中は「撮影で一緒にならなかった、高校時代の光央と光夫を演じてくれた須賀健太君と川籠石駿平君と会えたのがうれしかった」と。「ただ、急きょ冨手の麻妙ちゃんが体調不良で来られなくなっちゃって…。監督に言ったら『この大事な日に来られないなんて、これから僕の映画に出られないね』って言ってました!」と先ほどの仕返しとばかりに暴露。「それだとイヤなヤツじゃん(笑)」と内田監督がツッコむと、田中は「実は、僕から監督に吹っかけたんですけどね」と笑顔を見せた。

 映像化が難しいと言われていた原作を映画にするにあたっての迷いなどを聞かれると、田中は「原作を読んだときに『面白いな、深い話だな』って感じて、原作者の中村明日美子先生が持つ世界観に一気にほれました。その瞬間に『やりたい!』って思ったんです。でも、逆にオファーした監督が僕やマネージャーに何回も『本当にやるの?』って確認してたみたいですけど(笑)」と。

 その理由として内田監督は「やるからには、現場で『あれはダメ、ここまでしかダメ』とかっていうNGをナシにして、“NO・NG”でという話を最初からしていたので…。彼を起用したことによって、安易な映画に見られちゃうんじゃないかという不安もありましたけど、それを凌駕する気合ややる気が伝わってきたので、お願いしました」と語った。

 映画と漫画の違いや、映画と漫画の世界観について聞かれると「完成した映画を見させていただいたときに、原作を読んだときの衝撃や触れたらケガをしまうようなトゲトゲしたものを気づいたら両手で抱きしめている、というような空気感や世界観がスクリーンを通しても出ていると思います。原作のものをしっかり映画として、実写として受け継ぐことができたという手応えは感じました!」と田中。内田監督は「中村先生が映画を見られた後にツイッターや会ってお話ししたときに『私の漫画とは違うと感じたけど、すごく好き』と言ってくれたのがすごくうれしかった。実写をやるうえでは、ストーリーラインを大切にしたいと考えていたので、コピーではなく、新しい付加価値としてストーリーラインに乗せることができたかな」と思いを明かした。

 会場のお客さんからの「監督が田中君のことを『ドMだ』と言っていましたが、実際はどうですか?」という問いに、田中は「いきなりすごいの来たな(笑)」とたじろぎ「前に何かで『男は鍛えるのがマナーだ』という言葉を見て感銘を受けて、そこから鍛えることにしたんですけど…。筋トレで自分を追い込むことでMではあるけど、でも筋トレを自分に課すっていう意味ではSだし…どうでしょう、監督?」と内田監督にパス。それを受けて内田監督は「役者さんが欲するのって“縛り”や“枠”とかで、“こういう中で役作りして”っていう範囲が狭ければ狭いほど、やる気になるし、放置すれば不安になる部分はあるんじゃない?」と分析した。

 そして田中が「僕が演じた光央は、淵上(泰史)さん演じる光夫に『俺の犬になれ』って言ってましたけど、現場では僕は監督に犬でした!(笑)」と話すと、「お前は俺の犬だ」(内田監督)、「はい!っていう関係性です(笑)」(田中)というやりとりを繰り広げ、会場は爆笑に包まれた。

 最後に田中は、「原作の空気感がしっかり描かれていますので、原作ファンの方にも見てもらいたい。音楽も最後にチェロのみの曲が流れるんですが、それがすごくいい!僕も聞いた瞬間に鳥肌が立っちゃいます。そういう部分を含めて120%映画を楽しむためにも、ぜひ劇場に足を運んでください!そして、ぜひ公開までSNS等で盛り上げていってください」と。内田監督は「ジャンルはBL(ボーイズラブ)にくくられるかもしれないんですが、僕はBLだと思って作っていなくて、ちゃんと向き合って作った作品です。ハードな場面もありますが、とにかく見ていただきたいです」とメッセージを送った。

映画「ダブルミンツ」
6月3日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか 全国ロードショー

公式サイト:http://www.d-mints.jp/

©2017「ダブルミンツ」製作委員会©中村明日美子/茜新社