劇団ナイロン100℃ 3年ぶりの新作『ちょっと、まってください』開幕

エンタメ総合
2017年11月13日

劇団ナイロン100℃第44回公演『ちょっと、まってください』 来年25周年を迎える劇団ナイロン100℃の第44回公演『ちょっと、まってください』が11月10日、下北沢・本多劇場で開幕した。

 同作は、劇団公演としては3年ぶりの新作となり、三宅弘城、大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、村岡希美といった劇団の主力俳優が集結。また、水野美紀、遠藤雄弥、マギーという実力派客演陣が加わり、キャストを見るだけでも層の厚さに期待が高まる。

『グッドバイ』『8月の家族たち August:Osage County』『キネマと恋人』『陥没』など演劇界で話題となった作品を次々と発表し、近年賞を総なめにしている、作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、自身のホームである劇団で、今自分が一番やりたいことを、KERA作品の神髄を表現できる鉄人メンバーで上演するとあって注目が集まっている。

 物語は、どこの国かははっきりしないが、クラシカルな洋装に身を包んだ、裕福な家庭の居間から始まる。金持ちの父親(三宅弘城)、母親(犬山イヌコ)、息子(遠藤雄弥)、娘(峯村リエ)、使用人(マギー)などが四方山話に花を咲かせる。

 一方、屋外には、宿無しの乞食の家族。その息子(大倉孝二)と娘(水野美紀)が何やら込み入った話をしている。

 全く環境の違う2つの家族の日常の中に、少しずつ入り込んで来る異物感。この2つの家族にどんな接点が生まれ交差してゆくのか…。

 KERAは、今公演の発表時には、別役実的な不条理喜劇を創りたいと述べていたが、別役作品へのパスティーシュもありながらカフカ的なところもあり、だが、やはり唯一無二のケラリーノ・サンドロヴィッチの世界観が、そこにある。

 公演初日を迎え、劇団員・三宅は「(初日を迎えるまでは)結構、切羽詰っておりましたが、力を合わせて1つの作品を作り上げていくのは劇団ならではだなと思いました。今は無事に初日を迎えることができてホッとしています。(お客様が入り)どんな風にご覧になり、どんな風に笑いがくるのか、楽しみだったのですが、喜んで頂けた感じだったので良かったです。爆笑するタイプのものとまた違う面白さがある作品だと思いますので、ぜひ劇場に来て頂けたらと思います。来年劇団は25周年、自分が出る作品は『睾丸』(仮題)という作品なので、タイトルに負けないように頑張りたいと思います」と、初日の感想を安堵した様子で語り、来年25周年を迎える劇団への思いを述べた。

 同作は12月3日まで下北沢 本多劇場で公演。その後、三重、広島、北九州、新潟で上演される。本多劇場公演の当日券は、毎公演開演の1時間前から劇場入り口にて販売。

ナイロン100℃ 44th SESSION
『ちょっと、まってください』
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:三宅弘城、大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、峯村リエ、村岡希美、藤田秀世、廣川三憲、木乃江祐希、小園茉奈/水野美紀、遠藤雄弥、マギー

<公演期間・劇場>
■東京公演:11月10日(金)~12月3日(日)@下北沢 本多劇場
■三重公演:12月6日(水)@三重県総合文化センター 三重県文化会館 中ホール
■兵庫公演:12月9日(土)・10日(日)@兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
■広島公演:12月12日(火)@JMSアステールプラザ 大ホール
■北九州公演:12月16日(土)・17日(日)@北九州芸術劇場 中劇場
■新潟公演:12月20日(水)@りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場

企画・製作:シリーウォーク キューブ

ナイロン100℃ HP:http://sillywalk.com/nylon_swp/
キューブHP:http://www.cubeinc.co.jp

撮影:桜井隆幸