
テレビ情報誌「TV LIFE」で、今後さらなる活躍が期待されるネクストブレーク俳優の魅力を紹介する連載「#今旬コレクション」。WEB版では、本誌に収まりきらなかったエピソードを紹介します。第119回は現在ドラマ『サバ缶、宇宙へ行く』に出演中の黒崎煌代さんが登場です。
「#旬コレ 7seconds CHALLENGE」黒崎煌代
◆本作は、福井県の水産高校の生徒たちが世代を超えて“宇宙食開発”という大きな夢に挑戦した実話をもとに紡ぐオリジナルストーリーです。黒崎さんは“宇宙食開発”を立ち上げる1期生の一人・寺尾創亮役を演じますが、今回の出演はオーディションだったのでしょうか?
いえ、オファーを頂きました。お話を聞いた時は本当にうれしかったです。プロデューサーの方が、私の過去作である映画「見はらし世代」などをご覧になっていたようで、自分の歩んできた道がこうして次につながるのだなと感じました。オファーの具体的な理由は伺っていませんが、これまで口数の少ない役を演じることが多かったので、“寺尾”という役を託していただき、これまでの作品を評価していただけたような気持ちにもなりました。
◆台本を読んだ際の第一印象を教えてください。
“サバ缶”という握りこぶしほどの小さなものを宇宙へ飛ばす…。舞台となる町も決して大きくはありませんが、そんな小さなものが生徒たちの想いの伝播によって最終的に宇宙という無限の彼方まで届いたことがすごいなと。その始まりと終わりの幅の大きさに、とても感動しました。
◆実話をベースにした物語ということで、役作りのために現地の方とも交流されたそうですね。
漁師の息子という役なので、ロケ地である福井県小浜市の漁師の方にお話を伺いました。漁師さんって、やっぱり皆さんワイルドでカッコいいんですよ。その独特の空気感をできるだけ自分の中に取り込みたいと思ってたくさんお話させていただきました。寺尾は、漁師という仕事や自分の住む町、そして親に対してとてもリスペクトを持っています。その部分を大切にしながら演じていきたいです。

◆学校や家族と過ごす場面など、シーンごとに演じ分けはされていますか?
寺尾にとって、妹の瑠夏は何より大切な存在です。車いすで生活する彼女を守りたいという思いが強く、瑠夏の前では柔らかい笑顔を見せる“溺愛する兄”でいたいと思っています。もちろん、口下手な一面は残しつつ。一方で、幼なじみの奈未(出口夏希)には少し砕けた態度を見せたり、ほ かの同級生にはあまり笑顔を見せなかったりと、相手ごとに距離感は意識しています。
◆演じる上で軸にしているものは何でしょうか?
“熱さ”と、頑張っている人を絶対に茶化さずきちんと応援する気持ちです。あと町や家族を大切にするという軸もぶらさずにいたいと思います。
◆主人公の高校教師・朝野先生を演じる北村匠海さんの印象や、かけてもらった言葉があれば教えてください。
私はこれまで映画の現場が多かったこともあり、ドラマ特有の“せりふをしっかり音に乗せて届ける”という点にやや難しさを感じていたんです。もちろん映画でも大切なことですが、ドラマにおいてはその重要度がより高いといいますか…。そんな時に、北村さんも映画の出演が多いという共通点からか「昔の自分を見ているようだ」と声を掛けてくださって。「困ったら助けるから言ってね。でも、最終的には自分で見つけていくしかないんだよね」という言葉も頂きました。頼れる先輩がすぐ傍にいてくださる環境は、とてもありがたいです。
◆同世代のキャストも多いですが、現場の雰囲気はいかがですか?
まだみんなと顔を合わせたのは(この取材の段階で)2回ほどですが、既に和気あいあいとしています。「小浜でご飯に行こう」といった話題も出ていて、これから長い時間を共にするのが楽しみなメンバーばかりです。

◆黒崎さんは、初共演者の方とは自分から距離を縮めるタイプですか?
いきなりグイグイ行くことはないのですが、自然と仲良くなれたらいいなという思いは常に持っています。今回のメンバーとは、すぐに話せるようになっていると思います。
◆ご自身と寺尾に共通する部分はありますか?
私は弟がいるのですが、弟が大好きで、家族を大切にしている点は重なります。それと、中学時代に「怖い」と言われていた時期があって(笑)。低い声と鋭い目つきのせいで、普通にしているだけなのに「なんで怒ってるの?」と聞かれたりしたんです。周囲が勝手に距離を置いてしまう感じは、 寺尾に通じるものがあると思います。高校ではその状況を変えようと、少しニコニコしたり、印象を柔らかくするために丸い眼鏡をかけたりして自分なりに親しみやすいキャラクターを作り上げたんです。そうしたら「怖い」と言われなくなったので、一定の効果はあったのかなと思います(笑)。
◆舞台は福井ですが、方言の芝居はいかがですか?
福井弁はどちらかというと京都弁に近い響きがあると聞いています。私は神戸出身で、関東の方よりはおそらく馴染みやすいはずですが、イントネーションのつかみ方が難しかったりして。せりふの参考音源を頂けるので、それを何度も聴き込んで馴染ませていきたいです。

◆ドラマのストーリーや演じる寺尾について、今後の見どころを教えてください。
朝野先生との出会いをきっかけに、寺尾の中で同級生や町の人たちとの関わりがどんどん広がっていきます。先生の新たなエネルギーが寺尾に伝わり、それが彼の家族にも広がる…。そして宇宙という大きい夢へとつながっていく“想いの伝播”が、このドラマの最大の見どころだと思います。
◆今後、挑戦してみたいジャンルや役はありますか?
ジャンル問わず、本当に何でもやりたいです。特に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のような、ハチャメチャな男の人生にひかれますね。ほかには、「メン・イン・ブラック」のウィル・スミスのような役もやってみたい。犯罪者でも、それを捕まえる側でも、宇宙人でも。何でも興味があります。
◆黒崎さんは一人称が「私」ですよね。男性の若手俳優の方では少し珍しいというか、とても丁寧な印象です。
ありがとうございます。大学二年で事務所に入った当初は「俺」と言っていたのですが、仕事の場ですし、社会人として「俺」はどうなんだろうと考えて。「僕」にしようとも思ったのですが、うっかり「俺」が出てしまうこともあって、それなら初期設定を「私」にしておけば、うっかり崩れて も「僕」で済むだろうと(笑)。社会人であるという意識から、自分なりに考えた策みたいなものなんです。
◆そうだったのですね。また以前、黒崎さんがご自身の容姿について「今のトレンド顔じゃないからこそ、勝機を見出せる」という発言をされているインタビュー映像を拝見して、それも印象的でした。
別にカッコよくなくてもいいと思っているんです。俳優として、整いすぎていないというか、いい意味で“普通”である自分もいいんじゃない?と思っています(笑)。これまで数多くの映画を見てきたのですが、登場人物は至って普通の人間であることも多いですから。言い方が難しいのですが、普通の顔で、どこか少し変なところがある…そんな自分の個性を面白がってもらえるような俳優でありたいです。
PROFILE
●くろさき・こうだい…2002年4月19日生まれ。兵庫県出身。主な出演作はドラマ『九条の大罪』、映画「見はらし世代」「ストロベリームーン 余命半年の恋」「万事快調〈オール・グリーンズ〉」など。出演映画「急に具合が悪くなる」が6/19(金)公開予定。
番組情報
『サバ缶、宇宙へ行く』
フジテレビ系
毎週(月)後9・00~9・54
●photo/干川 修 text/川倉由起子









