小芝風花が『この花咲くや』に込める思いを語る「何かしらのきっかけになったら」取材会開催

ドラマ
2022年03月16日

3月16日(水)放送の鹿児島発地域ドラマ『この花咲くや』(BSプレミアム)に、坂元知花役で出演する小芝風花のリモート取材会が開催された。

鹿児島県を舞台に、寄り添うことに素直になれない2世代の男女が、桜島を臨む天災と隣り合わせの街で“幸せ”を探す姿を描く本作。脚本を手掛けるのは、映画「新聞記者」などでも脚本を務めた詩森ろば。そして、不動産会社に務める坂元知花役を小芝風花、知花の務める不動産会社に家を探しにやってくる津村幸次郎役を吉岡秀隆が演じる。

本作は、実際に物語の舞台である鹿児島で撮影が行われた。現地の印象を問われた小芝は「鹿児島には今回の撮影で初めて訪れたのですが、率直に桜島が『こんなに大きくて力強い島だったのか』という発見と、『近っ!』という驚きがありました」と。「山といえば遠くでドンと構えているイメージが強かったので、本当にNHK鹿児島放送局の目の前にあって想像以上に近くで見られるということに衝撃を受けたことを覚えています」と振り返った。

また、本作については「知花の彼(森薗洋平:犬飼貴丈)はすごく防災に関心をもっている人物なのですが、一方で知花にはどこか『災害なんてそう簡単に起こらないだろう』と思っているところがあるんです。実際に経験していないとどこか他人ごとに捉えてしまいやすいですし、いつくるかわからないものに積極的に対策をとっていく意識ってなかなか芽生えにくいと思うのですが、そういった心情や意識の違いが描かれているのはすごくリアルだなと思いました」と語る。

本作で小芝が演じる知花はさまざまなものを抱えている役柄だ。そんな知花について、「誰にでもなかなか癒えない傷や後悔していることがあると思うのですが、そういったものは四六時中ずっと頭にあるわけではなく、ふとした時に出てきて引きずり込まれそうになったりするものだと思うんです。1時間という限られた放送時間の中で心情の移り変わりを見せなければならないというのは難しいことでもあるのですが、そういった部分をできる限り表現できたらいいなと考えていました」と明かす。

また、本作には方言のせりふも登場する。小芝は「感情的になるとより強く方言が出やすくなると思うのですが、実際にやってみるとイントネーションを調整するのがすごく難しかったです。でも私を担当してくださった方言指導の先生が、カットがかかるたびに笑顔でこっちを見て、両手で大きく丸を作ってくださっていて(笑)。それを見るとすごく安心しましたね」と笑顔を見せた。

最後に「本作ではどんなに傷を負い、乗り越えるのに時間がかかることでも向き合い、ひたすらにもがいて奮闘する登場人物の姿が描かれています。人それぞれ苦しみの度合いや乗り越えていくスピードは違うけれど、「前を向きたい!」という思いは誰もが持っているものだと思うので、見てくださる方にきっと伝わるものがあるんじゃないかなと思っています」と。

続けて「『あなたも前を向いてよ!』と背中を押すのではなく、優しく寄り添う作品になっているので何かしらのきっかけになったらうれしいです。そして、鹿児島のすてきなところもたくさん詰まっているので、鹿児島の方はもちろん、普段なじみがない方にも楽しんでいただきたいです。皆さんもきっと、鹿児島に行きたくなると思います」と力強く語った。

鹿児島発地域ドラマ『この花咲くや』は、3月16日(水)午後10時より放送される。

番組情報

鹿児島発地域ドラマ『この花咲くや』
BSプレミアム
2022年3月16日(水)後10・00~10・59

©NHK