POLYPLUSが語る『コンビニ★ヒーローズ』劇中音楽作曲の舞台裏「ドラマに完全に寄せ切ろうというスタンスで作りました」

ドラマ
2022年11月22日
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』POLYPLUS ©カンテレ

横田真悠主演『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』(カンテレほか 毎週火曜 深夜0時25分~0時55分ほか)の劇中音楽を担当しているPOLYPLUSのインタビューコメントが到着した。

今年の4月に放送された『クロステイル〜探偵教室〜』(東海テレビ)の劇中音楽で話題になったインスト界のオールスターズバンド・POLYPLUS。11月15日から『コンビニ★ヒーローズ』のサウンドトラックも配信されており、POLYPLUSの新たな一面を垣間見ることができる。そんなPOLYPLUSのメンバーに、作曲の裏側や注目ポイントなどについて聞いた。

◆『コンビニ★ヒーローズ』の劇中音楽を担当することについて感想をお聞かせください。

TSUUJII(サックス):ドラマ音楽を初めて担当させていただいたのが、今年4月の『クロステイル〜探偵教室〜』(東海テレビ)だったのですが、年内にもう一本担当させていただけることがすごくうれしかったです。制作スタッフの方が『クロステイル』の劇中音楽がすごく良かったということで、オファーを頂きました。『クロステイル』の音楽が評価されて、その流れで『コンビニ★ヒーローズ』の音楽制作に関わることができて、すごく光栄な気持ちでしたね。『クロステイル』とは結構作風が変わったんですけれども、これも僕たちにとってプラスの新しい側面だと思って、いろいろ楽しんで作業させていただいております。

◆MELTEN(キーボード)とYUKI(ベース)が作曲を担当されましたが、楽曲に対するこだわりや、作曲に当たって意識したことはありますか?

YUKI:POLYPLUSのことはいったん切り離して考えて、それをPOLYPLUSの現場に再度持ち込むと、POLYPLUSのサウンドになるという感覚でやりました。ある意味POLYPLUSのサウンドにこだわらずに作ったところはあります。

◆『クロステイル』の楽曲に比べても、楽器の構成やサウンドは違うのでしょうか?

YUKI:作品自体のテイストがものすごくコミカルで明るい作品で、そういう作品がPOLYPLUSにあまりないサウンドだったので、最初は正直違和感があったんです。これがPOLYPLUSの曲になるのかという不安もあり、手探りなところはありましたが、結果的にはPOLYPLUSのサウンドになっていました。

MELTEN:POLYPLUSの音楽性を制作サイドがどれくらい求めているのか? どれだけPOLYPLUSらしさを出せるかを僕はこだわって…あとはピアノ曲だったり、劇中音楽的に求められているPOLYPLUSが普段やらない部分とかを結構担った記憶がありますね。バンドサウンド以外を用いて曲を作ったりというのは率先してやらせていただいた結果、サポートドラムも呼んで、バンドサウンドを生かした劇中音楽が大半を占めることになったので、それがPOLYPLUSらしさと最終的につながったかなと思います。

『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』POLYPLUS ©カンテレ

◆曲が出来上がるまでのフローを教えてください。最初はどのような形で『コンビニ★ヒーローズ』について触れたのでしょうか?

TSUUJII:最初は台本ですね。その時点では、ビジュアルやキャスティングは全く分かりませんでした。『クロステイル』は、探偵の卵っていうところから…もう一段階乗っかってる。ただの探偵ドラマではなく、探偵の卵と大きいテーマがあって、『コンビニ★ヒーローズ』はヒーローものであるけど、コメディであり、舞台がコンビニということで、めちゃくちゃ引っ掛かりがある作品だなというのが最初の印象でした。ノータブーのPOLYPLUSに面白い作品が来たな、と思いました。

◆そこからどういうふうに曲のイメージをされて、メンバー間でどのような話し合いをされましたか?

YUKI:最初は、メンバーそれぞれが作った曲を出して……。で、お蔵入りになったんですけど(笑)。

◆お蔵入りになったんですか?(笑)

TSUUJII:お蔵入りになった音源は、僕たちの作品としてリリースしようかっていう話が実は水面下で進んでいるくらいの埋蔵金なので、お宝を懐に入れているという感じです。

◆一度真っさらになった状態から、どのように完成に向かっていったのでしょうか?

YUKI:一時はPOLYPLUSとドラマの折衷案というか、お互いの良いところが交わったテイストを考えたんですけれども、ドラマに完全に寄せ切ろうというスタンスから、必要なものを考えて、実際に曲を作って渡して、そこからいろいろキャッチボールしました。

TSUUJII:鬼のキャッチボールというか千本ノックを乗り切ってくれたYUKIとMELTENっていう感じですね…。リーダーとして、やっぱり立て続けに映像作品とコラボができるというということを優先したかったので、2人に『コンビニ★ヒーローズ』をやりたいという思いを伝えたところ、2人とも「じゃあ、最後までやろう」といってくれたことで実現することができました。そこは、YUKIとMELTENの力が本当に大きいです。

『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』POLYPLUS ©カンテレ

◆POLYPLUSは、特定のジャンルで語れない、自由度が高い音楽が持ち味だと思うのですが、POLYPLUSのアイデンティティとドラマの世界観の狭間での葛藤や不安はありませんでしたか?

MELTEN:テンポとか曲の構成はリファレンスで頂いた曲も参考にして、ダンスビートの速いテンポに寄せたりしながらも、それでいてPOLYPLUSらしさも残すことを意識しました。トランペットを使ってほしいという要望がありましたが、アルトサックスの音を三本重ねることで、トランペットに近い役割をさせるような工夫もしました。トランペットも使っているんですけどね。

YUKI:トランペットを使ってくれということなら、使ってやろうと(笑)。自分たちの音楽からは脱線しまくってやろうと思いました。そこにPOLYPLUSのアイデンティティがあるかと言われたら、楽譜にはないです(笑)。

TSUUJII:最終的に演奏するのは我々なので、というのもあったんじゃないですか?

YUKI:戦隊ものっぽい、自分たちの音楽からはかけ離れているという思いはあったんですけど、回数を重ねるごとにすごくカッコよくなってきて…。

TSUUJII:POLYPLUSらしいかはさておき、カッコよさが勝った!

YUKI:「カッコよくなってしまった」という表現が正しいかは分からないですけど、正直…めっちゃカッコよかった(笑)。

TSUUJII:僕はPOLYPLUSがオールスターチームだと思っていますし、信じていますし、今回はそれを証明できたと思っています。ただのギターの音、ただのベースの音、ただのピアノの音、ただのサックスの音ではないので、この4人で鳴らしたら、童謡を演奏しても、多分POLYPLUSの音になるだろうと思いました。
もともとPOLYPLUSには楽譜がないことも多くて、最初から役割を決めて、しかもいろんな楽器も入れてっていうのはこれまでと違いますが、この4人が集まって核となる音を出せば、POLYPLUSの音になるということが分かりました。今回、更地からの挑戦をさせてもらえなかったら実証できなかったことなので、本当の意味でノータブーなグループになったと実感しています。

◆絶対に聞いてほしい曲やお気に入りの曲はありますか?

MELTEN:「open the auto door」はメインテーマである「convenie heroes」と並ぶスピード感あるダンスビート曲。register workは、主人公のアカリ(横田真悠)が考察するときに使えるように作った曲で、オリジナル作品では作らないような不思議な曲調となっています。

YUKI:どれが好きと言われたら、メインテーマの「convenie heroes」が、サウンドがカッコよくて、一番好きです。

◆先日のツアーで「日本武道館に行きます」と公言されていましたが、皆さんの夢ややってみたいことはありますか?

TSUUJII:武道館という目標を成すためには、やらないといけないことがたくさんあると思うんですけど、「仲間を増やすこと」がその一つで、『コンビニ★ヒーローズ』という作品に携わらせてもらえたのも、仲間が増えて背負うものが増えたからだと思っています。武道館に立った時に「『コンビニ★ヒーローズ』を担当したバンドです」と言えるようになっていく。そして、このオールスターズが鳴らせば、それがPOLYPLUSのアイデンティティなんだということが分かったので、自分たちの可能性を自分たちで狭めないことを大事にしようと今回の作品を通じて思いました。世界に羽ばたくバンドになりますので、引き続きよろしくお願いします!

YUKI:また、劇中音楽やりたいですね(笑)。いろいろな主題歌やりたいです。よろしくお願いします。

Gotti(ギター):楽器をやる人が増えたらいいなと思います。POLYPLUSが良い音楽を作って、それを聞いた若い人たちが学祭とかで弾いてくれたらいいなと思っています。

MELTEN:今までは、セッションベースで、曲の作り方も結構シンプルな感じでしたが、『クロステイル』と『コンビニ★ヒーローズ』の劇中音楽を担当したことを踏まえると、いろいろな構成が展開していくみたいな曲もPOLYPLUSらしさが意外と出て、面白かったなと思っています。学んだことをオリジナル作品にも生かせたら、また新しいタイプの曲ができると実感しました。新しい音楽性が見えたなと思いますね。今後のオリジナル作品の制作につなげていきたいです。

◆『コンビニ★ヒーローズ』をご覧の視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

TSUUJII:『コンビニ★ヒーローズ』の劇中音楽は映像作品と我々POLYPLUSのコラボ作品で、映像から入った人も、我々の音楽から入った人も、みんな仲間なので、この作品を一緒に盛り上げてもらえたらうれしいです。

YUKI:みんなが誰かのヒーローです(笑)。

Gotti:聞いていただいて、いいなと思いましたら、ぜひライブに来てください。YUKIさんが作ったメインテーマは、ギターのメロディが三重になっていて…ライブの時はどうしようと思っていますが…(笑)。

MELTEN:作品や役者さんが好きだということがきっかけだったり、たまたま見たというのがきっかけの方もいると思うんですけれども、POLYPLUSの音楽が少しでも気になりましたら、SNSやサブスクリプションで見たり、聞いたりできますので、応援していただける方が増えたらいいなと思います。ぜひぜひライブに足を運んでいただけたらうれしいです。

第7話「サバサバ押しつけハラスメント」(11月22日(火)放送)あらすじ

『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』©カンテレ

<ゲスト出演>工藤美桜、未来

コンビニに来店した時に、いつも迷わず商品を選ぶことから“即決デカ”と呼ばれている泉(工藤美桜)。ある日、アカリ(横田真悠)は泉の髪の不自然な痕と手首についた輪ゴムに違和感を覚え、ハラスメントの正体がサバサバ押しつけハラスメントだと気づく。泉は、夏希から食事の仕方から恋愛までサバサバすることを強制され、サバサバを演じないといけないことに苦痛を感じるようになっていた。
そこでヒーローズは、サバサバしている人だけが入れる“サバサバ王国”の入国審査場を舞台に、夏希のサバサバが偽物だと主張し、追い詰めていく。アカリたちは夏希のハラスメントを暴き出し、泉の悩みを解決することはできるのか。

工藤美桜 コメント

典型的なサバサバ系女子の夏希先輩に憧れとリスペクトを持って、自分も追いつこうと努力しているのですが、その裏に少し違う気持ちも抱えています。頑張っている泉の愛らしさに、ぜひご注目ください。

第8話「見せかけ優しさハラスメント」(11月29日(火)放送)あらすじ

『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』©カンテレ

<ゲスト出演>辻凪子、杉森大祐

久しぶりにコンビニに来店した新婚の亜紀(辻凪子)は、一度手に取った牛乳を元に戻して、同じ商品を棚の一番奥から取った。さらに、夫の誕生日に1カートンのたばこを買う亜紀を見て、アカリ(横田真悠)はハラスメントの正体を突き止める。
亜紀の夫・優志(杉森大祐)は、「亜紀のため」と言いながら、自分の都合や好みを亜紀に押しつけていた。また、愛情がゆえに夫からのハラスメントに気づかない亜紀は「全ては夫の優しさ」と受け止めて、無意識のうちに違和感から目を背けていた。
今回の作戦の舞台は夫婦人生をシミュレーションできる“半生ゲーム”。ヒーローたちは優志と亜紀のいびつな関係に終止符を打つことができるのか。

番組情報

『コンビニ★ヒーローズ ~あなたのSOSいただきました!!~』
毎週火曜 深夜0時25分~0時55分(カンテレ/関西ローカル)
毎週木曜 深夜0時~0時30分(BSフジ/BSフジ4K)

ホームページ:https://www.ktv.jp/conveni-heroes/
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予告動画 YouTube URL:https://youtu.be/dz4rCXsAjnQ

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