大橋トリオ「不思議な世界観に浸るお手伝いができれば」『探偵ロマンス』音楽・主題歌を担当

ドラマ
2023年02月03日
『探偵ロマンス』大橋トリオ

土曜ドラマ『探偵ロマンス』(NHK総合 毎週土曜 午後10時~10時49分)より、音楽と主題歌を担当している大橋トリオからコメントが到着した。

『探偵ロマンス』は、新進気鋭の脚本家・坪田文が書き下ろすオリジナルドラマで、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』制作チームがNHK大阪放送局から送る、ロマンスあり、笑いあり、涙あり、魂の叫びあり、アクションありの珠玉のエンターテインメント活劇。江戸川乱歩が作家デビューを果たした1923年から100年という節目を迎える今、“知られざる江戸川乱歩誕生秘話”を描く。

本作の音楽と主題歌を担当している大橋トリオは、2007年にアルバム『PRETAPORTER』でデビュー。シンガーソングライターとしてだけでなくテレビドラマやCM、映画音楽の作家としても活躍しており、映画「余命1ヶ月の花嫁」「雷桜」「PとJK」の劇伴を担当。近年ではNHK Eテレ『にゃんぼー!』の音楽や、TBS系『世界遺産』のテーマ曲も手掛けている。

大橋トリオ コメント

◆『探偵ロマンス』のオファーを受けた時のお気持ちは?

僕は元々映画音楽家になりたいという夢があって、これまでに何度か映像音楽に携わってきました。このところしばらくドラマや映画の劇伴制作から少し遠ざかっていたのですが、次にもし劇伴をやるとしたら満を持して挑んでみたいと思っていたところに『探偵ロマンス』のお話をいただいたのでうれしかったですね。音楽家としては何か特別な意味合いがあります。
探偵のドラマはいくつかありますが、その音楽は汎用性が高くいろんなシチュエーションにはまりやすい。自分のバックボーンやルーツみたいなものが、いい具合に生かせるジャンルであると思いました。また僕は大正時代が好きなんです。大正時代が舞台と聞いて、その響きだけでもグっときました(笑)。

◆大正時代がお好きだと聞きましたが、どういったところに魅力を感じられていますか?

誰もが夢を見ていられた、そんな時代だったんじゃないかなと勝手に想像しています。実際にその時代に居たわけではないので分からないですが、想像が膨らみますよね。建築だったら擬洋風建築だとか。たった15年間という、その刹那的な短さやその時代の空気や文化、建築に引かれているのだと思います。

◆楽曲を制作するにあたって、その時代を描いた本や映画など、何かインスピレーションを受けられたようなものはありましたか?

影響を受けすぎると良くないので、極力その時代を描いたものには触れないようにしました。本とか映画とかはあえて触れないようにしていましたね。ただ大正時代らしい音楽って一体何だろう? というのはリサーチしました。その時代にどんな楽器があったのか、またはどんな楽器がなかったのか。ジャズはまだ日本には入ってきてはいなかっただろうといったイメージトレーニングはしましたね。音楽を聞いてしまうとそっちに絶対引っ張られてしまうのはもう目に見えたから、あえて白いままにしておきました。

◆主題歌や劇伴を制作するにあたって込められた思いはなんでしょうか?

とにかく自分にとっては満を持しての制作だったので、音楽家として世に出てから20年ほどたちますが、その20年間の集大成となるようにしたい気持ちはありました。
僕の作業はもう終わってしまったので、どこまで達成できたかは分からないのですが、制作陣の皆さんが、大橋トリオの音楽に対する期待が10だとすると、それを12ぐらいまでには持っていきたいなというのはずっと思っていました。制作統括の櫻井賢さんが「その音楽がそこにあることで、言語化できないものが浮かび上がってきて、大橋トリオさんの音楽の世界の深さみたいなものに毎回圧倒されています」と言ってくださって、うれしかったですね。

◆放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

ここまで満を持して自分の集大成としての音楽だと何度も言いつつも、音楽がメインなわけではありません。視聴者の皆さんには『探偵ロマンス』がもつ、ありそうでなさそうな不思議な世界観の映像に浸っていただきたいですし、僕の音楽でそのお手伝いができればいいなと思っています。

番組情報

土曜ドラマ『探偵ロマンス』(全4話)
NHK総合
毎週土曜 午後10時~10時49分

©NHK