『テイオーの長い休日』スタイリストが明かす船越英一郎の七変化を彩る衣装のこだわり「熱護を通して『船越英一郎さんという存在そのもの』がドラマに出ている」

ドラマ
2023年06月16日
『テイオーの長い休日』©東海テレビ

船越英一郎が主演を務めるドラマ『テイオーの長い休日』(東海テレビ/フジテレビ系 毎週土曜 午後11時40分〜深夜0時35分)より、衣装担当のスタイリスト・キクチハナカのコメントが到着した。

船越英一郎が“仕事のなくなった2サスの帝王”を演じているセルフパロディドラマ『テイオーの長い休日』。ベテラン俳優・熱護大五郎(船越)がマネージャーの吉田ゆかり(戸田菜穂)と共に仕事復帰を目指す物語。かと思いきや、仕事はなかなか決まらず、なぜか周囲の人間の悩みを解決してしまうという、謎解きあり、涙ありのヒューマンコメディだ。

その解決方法は斬新。第2話には、船越主演の2時間ドラマ『外科医・鳩村周五郎』をほうふつとさせる白衣をまとった「闇の外科医・ジャック小笠原」が登場。ドラマ現場に蔓延る問題を病に見立て、見事、一人の新人脚本家(工藤遥)を救った。毎度、熱護が演じてきたキャラに変身する展開は「小京都シリーズも見たい」「次回は何の衣装?」と往年の2サスファンを首ったけに。

そんな中、マネージャー役の戸田菜穂もまた「美しすぎる」と話題。今回、戸田は久しぶりのコメディ出演ではじけたコミカルな演技を見せているのだが、その演技もあいまって「最高にキュート」「戸田菜穂はやっぱりすてきだなあ…と思い知らされる」と視聴者をとりこにしている。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

船越の七変化もあいまって、見た目だけでもいろいろな楽しみ方が出来るのが『テイオーの長い休日』の魅力のひとつ。その裏には衣装担当の緻密な作戦があるという。ドラマの世界観を作り、それぞれのキャラを際立たせる衣装へのこだわりについて、担当したスタイリスト・キクチハナカは「戸田さんの美しさが立っているとしたらホッとします。そこは意識してスタイリングしていたので。戸田さんが演じる吉田ゆかりは、生活のために業界に復職した子育て中の女性で、役柄上さほど裕福な人ではないという設定なんです。なので、必然的に衣装もシンプルで、仕事着として分かりやすいスーツ姿が多くなるのですが、ヒロインですから魅力的に映らないとダメですし、暗くもしたくなかったので、ソフトな色味を多くして、やわらかい印象でお美しい戸田さんをひきたてるようにしました。ただ、何よりも戸田さんのコミカルで明るい演技がゆかりの魅力を最大限に引き出してくれていると思います。衣装はあくまでキャラクターの魅力を引き出すお手伝いなので」と。

また、「熱護の変身シーンに関しては、視聴者の方が『テイオー』を見た時に“あ、船越さんが出ていたあの作品だ!”と思い起こしてもらえるように作っています。オリジナル要素も加えた上で、かなり忠実に再現している衣装もあります。例えば、第1話の火災調査官は、船越さんが2003年から13年間にわたって演じられた『火災調査官・紅蓮次郎』(テレビ朝日)がモデルです。熱護が、火災調査官・遠藤萌としてゆかりの洋食店に乗り込むときのコスチュームなのですが、第1話ということもあり、船越さんとも相談の上で、紅蓮次郎を忠実に再現することを意識しました」と明かす。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

さらに「第2話で熱護が変身する闇の外科医・ジャック小笠原は、2004年から放送された『外科医・鳩村周五郎』(フジテレビ)から、脚本の入江さんがイメージを膨らませて生まれたキャラクターです。鳩村周五郎では白シャツを着られていたと思いますが、今回は“闇の外科医”ということで黒シャツにアレンジしました。船越さんのお芝居も『闇』感が足されていて(笑)、衣装でキャラ作りをフォローできていたらうれしいです」といい、「明日放送の第3話ではプロゴルファーに扮しますが、このキャラクターは実は船越さんの過去作品には似たものはないんです。むしろ熱護だからこそのキャラだろうということで、船越さんと相談をして、襟の部分をちょっとカッコよくしたり、形にこだわりました。変身シーンとのギャップを作るために、練習シーンは別の衣装にしたりと、見せ場をどう盛り上げるかも、船越さんと一緒に考えています」と衣装にまつわる裏話が次々と飛び出す。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

キクチはテレビドラマはもちろん、映画やCM、PVでも活躍している実力派スタイリスト。しかし、『テイオーの長い休日』はなによりも“船越ありき”のドラマゆえに、衣装の方向性については、まず船越とじっくり話をすることから始めたという。「スタイリングに関しては私の発想より、“熱護大五郎あらため、船越英一郎という大物役者さんご自身”が着ている服や、スタイリングをベースに、形にさせていただきました。熱護の部屋着である薄い生地のガウンも、船越さんご自身、ご自宅でシルクのガウンを着てらっしゃるということで、採用されました。まさに、熱護を通して『船越英一郎さんという存在そのもの』が、今回のドラマに出ているという印象です。すごい貴重ですよね(笑)」。

続けて「そんな中でも大切にしているのは『熱護らしさ』です。熱護という“こだわりの俳優”がいて、その熱護が自分で納得のいかないコスチュームは決して着ないだろうという前提でスタイリングを考えています。例えば、熱護はパステルカラーの服にOKを出すことなど絶対にないだろう、ということで、熱護の私服は黒をはじめ、シックな、はっきりとした色ばかりになってます。『熱護らしさ』については、とにかくカッコよく作りたかったので、そういう意味ではうまく行ったかなと思います! スタイリングで意識したのは、画面に登場した時に、風などがなくてもふわっとなびく感じが出るようにした、という点です。ガウンもシルク素材なら、風がない部屋の中でも熱護が動いたときに、服の動きが軽やかに映りますからね。熱護大五郎に限らないのですが、個人的に“動きが出る衣装”が好きでして…。熱護の外出着ではトレンチコートも取り入れました。船越さんからアイデアをいただいたのですが、すごく動きが出るので、登場シーンで着ていただき熱護のカッコよさを強調出来たと思っています」と自信をのぞかせた。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

いっぽうキクチにとって、今作でスタイリストとして一番「遊べる(自由度が高い)」衣装なのは、人気俳優・伊集院大樹役の白石隼也の衣装とのこと。「伊集院の衣装に関しては、演じる白石隼也さんの普段のお洋服を見る、ということから始めました。変な言い方をすると、それを見ることができるのは、衣装メイク部の『特権』とも言えるわけですが(笑)、『ああ、こういったワードローブを着られていらっしゃるんだな』と分かると、ご本人をベースに足し引きでスタイリングが出来るので。人によっては本当にラフな服で現場においでになる方もいらっしゃいますし、すごいカッコいいな!と思えるいでたちをしっかり私服としている方もいらっしゃいます。白石さんご自身も私服がおしゃれな印象があったので、伊集院に関しても、わりと普段からおしゃれな人なのかなぁ?とイメージしながら作りました」。

さらに「伊集院は今回の作品の中でいちばん遊べる、つまり、いろいろな服を着させることができるキャラクターだと思って、私の遊びたい願望をかなえさせてもらっています。1話の出演者の中で言うと、おしゃれなベージュのセットアップ着て、ハット被って、サングラスして…みたいな今っぽい服装の方もいたので、そういったイメージを全部、『伊集院』に詰め込んでみました(笑)。あと人気俳優の役なので、スタイリングの上では『いつどこでみても伊集院』という存在感は出せるようにしたつもりです。私服だったとしてもラフ過ぎず、“隙が無い”。それが伊集院かなと。伊集院は役柄として、どこにいてもすぐに伊集院だと気づかれるような存在なんです」といい、「だとしたらトレランスの看板人気俳優・伊集院大樹として常に、カッコいい見え方にこだわっているんじゃないかなと。そこは、熱護の場合と似ている部分があるかもしれません。熱護も、プライベートでも、いつでもどこでも、熱護大五郎なので(笑)白石さんとも『こういう俳優さんていますよね?』とか会話しながら、お知恵を拝借したり、あるいはそこから引き算したりして伊集院を作っています。そこで生まれたリアルな“人気俳優感”は、視聴者の方にも共感してもらえるんじゃないかな、と思っています」と語った。

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

また、「細かい所ではあるのですが、オリプロのシーンで出演されている久保田磨希さんの衣装はすごくポップにして、毎回毎回工夫をしています。アクセサリーも(これは衣装部でなくメイク部の担当)メイク部さんと相談して、すごく遊んで作っています。そういったところも含めて、若い方から、上の方まで、幅広く楽しんでいただける面白いスタイリングになっていると思いますので、そんなことも気を留めながら、観ていただけたらうれしいです」とコメントを寄せた。

6月17日(土)放送の第3話では、ゆかりの長女・陽向(宮下結衣)のダンスの練習着姿や、夢を実現できずくすぶっているバラエティ番組のディレクター・豆原ユータ(市川知宏)の「THEスタッフ」感満載の衣装も登場する。夢に悩む若い2人に、熱護がかける言葉は何なのか。そして、ゆかりは娘の悩みにどう向き合うのか。

第3話(6月17日放送)あらすじ

『テイオーの長い休日』©東海テレビ

せっかくの人気ドラマ出演をふいにした熱護(船越英一郎)。相変わらず仕事はなく、バラエティNGのため、ゆかり(戸田菜穂)は営業にも困り始めていた。そんな中、再現ドラマの仕事を取ってくるゆかり。バラエティとはいえ芝居の仕事! これなら熱護もOKするのではないか!? しかし、熱護が興味を持ったのは別のことだった。ドラマ志望でくすぶっているディレクター・豆原(市川知宏)に才能の片鱗を見出した熱護は、豆原とある特訓を始める。そんな中、ゆかりの長女・陽向(宮下結衣)が友人関係で悩んでいることが分かり…。「自分のやり方を貫くには強さが必要だ」妥協しない元2サスの帝王は再現ドラマで輝けるのか。

番組情報

『テイオーの長い休日』
東海テレビ/フジテレビ系
毎週土曜 午後11時40分~深夜0時35分
※『FNS27時間テレビ』のため7月22日(土)は休止

出演:船越英一郎、戸田菜穂、今井悠貴、宮下結衣、石原颯也、平野絢規/白石隼也、久保田磨希、前川泰之、木場勝己
企画:市野直親(東海テレビ)
脚本:入江信吾、川﨑いづみ、諸橋隼人
音楽:仲西匡(カレント)
主題歌:「素顔」上野大樹(cutting edge)
OPテーマ:「Bumpy」Beverly(avex trax)
ナレーション:大和田伸也
演出:吉川鮎太(ホリプロ)、白川士
企画:市野直親(東海テレビ)
プロデューサー:松本圭右(東海テレビ)、井上竜太(ホリプロ)
制作協力:キャンター
制作:東海テレビ、ホリプロ

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