すい(飯豊まりえ)の旧友がついに集結!バイク事故に隠された純平(YU)の優しさも明らかに『何曜日に生まれたの』

ドラマ
2023年09月03日
『何曜日に生まれたの』飯豊まりえ©ABC

飯豊まりえが主演を務めるドラマ『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット 毎週日曜 午後10時~)の第4話が、9月3日(日)に放送された。

本作は『101回目のプロポーズ』『高校教師』『未成年』など、センセーショナルな作品を世に送り出してきた野島伸司が脚本を務めるオリジナルドラマ。高校時代の“ある出来事”をきっかけに、10年間ほぼ引きこもり生活を送っていた27歳の黒目すい(飯豊まりえ)が主人公の物語だ。

9月3日(日)に放送された第4話は、すいや取り巻く同級生たちの温かさにやさしさ、本音が見え隠れした回となった。すいは10年ぶりに高校時代の旧友であるサッカー部の悠馬(井上祐貴)、元親友で今は悠馬の配偶者・瑞貴(若月佑美)、すいと事故に遭った純平(YU)と食事をしていたが、そこに純平の計らいで同じく元マネージャーのリリ子(片山友希)がやってくる。

リリ子といえば、高校時代に純平のことを追いかけ続けた自他ともに認めるストーカーで、現在は純平の秘書として働いているほど、ぞっこん。高校時代、すいは遠くから双眼鏡で純平を眺めているリリ子の気持ちにいち早く気づき、「もっと近くで見たら?」とサッカー部のマネージャーに誘ったのだった。

『何曜日に生まれたの』片山友希©ABC

しかし、すいが恋のアシストをしたと思ったのもつかの間、男子の悪ノリで純平とリリ子はハグする流れに。いたたまれず部室を飛び出してしまったリリ子を追いかけたすいは、リリ子から「触られるのが嫌い…小さいときからスキンシップが苦手」と打ち明けられる。驚くすいだったが、とっさに「『E.T.』って知ってる?」と人差し指を差し出した。

“2人だけの合図”とでもいうように、人差し指の先端をそっと突き合わせる「E.T.」ポーズをしてみせる、すいとリリ子。リリ子のパーソナルな部分を受け入れるだけでなく、一歩踏み込んだコミュニケーションを取る姿に、すいの押しつけがましくないやさしさを感じるのと同時に、それがリリ子の心をほぐすのだろう。

10年越しに再会した2人が、しっかりと「E.T.」ポーズを決めてくるところは、死んでいない友情の証といったところか。こうした男女も超えたにんまりしてしまうこそばゆいやりとりも、野島作品の魅力のひとつだろう。

『何曜日に生まれたの』YU©ABC

また、今回は純平のやさしさにも注目したい。件のバイク事故時、すいの怪我を最小限にとどめようとした純平の配慮が明かされた。その心遣いに、すいは気づいていたともいう。

過去の回想シーンでは、純平がすいに「俺、好きなんだ」と言い、「うん」とすいが返事をする姿も。現在では公文(溝端淳平)がすいの彼氏だと勘違いしつつも、純平は「何か力になりたい。お前のためなら何でもする」とすいにぐいとにじり寄る。これは、事故の申し訳なさからくるやさしさか、それとも恋や愛の範疇なのか…。現状ではどちらとも判別つかないが、ミステリアスなこの男はおそらく今後のカギを握る人物の1人なのだろう。

そんなスポットが当たった純平とリリ子の仲だが、公文だけは「一途な恋とすいは言っているけど、レストランであなたから好きという感情を読み取ることはできなかった」とリリ子に迫り、リリ子も負けじと「私もふたり(すい、公文)が付き合っているという関係を読み取れませんでした」と打ち返す。

このふたり、変わっている者同士という共通点があるばかりか、人の心理の深部まで見る点まで同じように長けている。公文の読みが正しいのであれば、リリ子は10年以上も“わざと”熱烈な片思いのふりをしているということ。ポーカーフェイスかつ同じトーンでやり取りをする2人のシュールな雰囲気は、物語に独特の緊張感を走らせていた。

終盤には、補欠だがサッカー部のキャプテンを務めていた城崎健人(濱正悟)も顔を見せ、4話にしていよいよ登場人物がそろった感があった。次回5話からは第2章の幕開けとでも言えるだろう、過去の核心部に迫っていきたい。

『何曜日に生まれたの』溝端淳平©ABC

番組情報

『何曜日に生まれたの』
ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット
毎週日曜 午後10時~
※2023年9月10日(日)は午後11時~

番組公式HP:https://www.asahi.co.jp/nanuma/

●text/赤山恭子