

金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)に出演中の及川光博のインタビューが到着した。
本作は、訴訟社会化が進む日本と飽和状態にある弁護士界の実態をテーマに描いた完全オリジナルのダークリーガル・エンターテインメント。
上白石萌歌が演じているのは、ピース法律事務所のムードメーカー的存在・伊野尾麻里。“歩く六法全書”との異名を持ち、鋭い観察眼で人の心を見抜く一方で、「うまいのお」「うれしいのお」といったオリジナルフレーズを生み出すなど、自由な振る舞いも印象的な伊野尾。知性と愛嬌を併せ持つキャラクターを上白石はどのように演じているのか。今後の見どころや撮影現場の様子と合わせて聞いた。
及川光博が演じているのは、ピース法律事務所に協力する弁護士・桐石拓磨。5月16日(金)放送の第5話でカメレオンのように七変化を見せた桐石が、6月6日(金)放送の第8話では新たな一面を見せる。さまざまな顔を持つ桐石をどのように演じているのか、及川に注目ポイントを聞いた。
及川光博 インタビュー
◆普段のドラマとは違った映像の特徴がある本作ですが、映像を見た時にどんな感想を持ちましたか?
もちろん画角にこだわりじっくり時間をかけて撮影しているので、見応えのある映像になっていると思います。フィルムで撮影したかのような画質が、この作品のハードボイルド性をより高めているのではないかと思いました。
◆及川さんの元にどんな反響が届いていますか?
友人、知人からは、「逆パターンで裏切ったね」って言われますね(笑)。私の役どころとしては、“味方のふりして実は敵だった”というパターンが過去に何度かあったんですけれども、今回はその逆。敵のように登場して、実は味方だったと。これは、気持ちよかったですね。だから初回放送まで何もしゃべらず、悪役面(づら)して生きていました。
◆実は味方という役をどのように見せたいと思いましたか?
オファーを頂いた時からワクワクしていましたね。この第1話がオンエア終了した後の皆さんの驚く顔を想像しながら。楽しんで敵側の弁護士を演じました。
◆弁護士を演じる上で特に難しいなと感じることはありますか?
初めてではないので、特にはないですね。長セリフや説明セリフが大量にあるだろうという予測はしていたし、桐石のキャラクター的にそれを淀みなくスラスラと、クールに圧迫感を持って演じるべきと理解していたので、ただただセリフを覚えて。口角筋に叩き込むみたいな意識で挑みました。
◆桐石の好きなところを教えてください。
やはりごくごくたまにデレるところですよね。ツンデレキャラ設定なので、ふとした表情の変化を全国の桐石ファンには見逃さないでほしいなと思います。第1話で言いますと、山上工業の案件で勝敗が決した瞬間に、向かい側に座っている(ピース法律事務所・代表の)轟謙二郎(仲村トオル)と目を合わせるんです。その時点で、「これでいいんでしょ、うまくやってあげたんだからね!」みたいな顔をしていて。それが実は味方だったと判明するラストシーンの前だったので、加減が難しい表情演技でしたね。
◆第5話は桐石のキャラクターが生きていましたよね。
僕はこの第5話のためにこれまで俳優活動を頑張ってきたのではないかと(笑)。まあそれは過言ですけれども、第5話で1人3役を演じる気持ちで突っ走りましたね。
◆カメレオンのように、いろいろな人物になる桐石を演じる中で楽しいところはどこでしょうか?
監督と相談の上ではありますが、ヘアメイクも衣装もアイデアを出しあってチェンジしています。エンタメに振り切った方が作劇として面白いと思って。探り探りやるよりかは、思い切って“カメレオン桐石”となろうと。大変な作業でしたけれども、ワクワク楽しく演じることができました。特に“地味石”(八二分け姿)は、ほとんどコントだなというくらい振り切ってみたんです。
どんな桐石であれ、ふとした瞬間に冷徹で、素の表情をちらっと見せるので、表情筋が忙しかったですね。でも本当に楽しかった。
◆共演者の方々について、「この瞬間、この人の芝居がすごい」「キャラクターと重なる!」と思ったエピソードがあれば教えてください。
祥太朗ちゃんと共演するのは3回目。どの作品でも、キャラクターをしっかりと演じ分けられていて、常に感心しますね。根気というか、集中力の高い俳優だなと思います。目力が強いよね。
◆特に第5話では、宇崎と桐石がタッグを組んでいましたね。
楽しかった。第5話ってちょっとスピンオフ的な宇崎と桐石のバディものになっていて、その2人の関係性の変化にもモチベーションが上がったな。彼と芝居の呼吸を合わせていく作業も、とても有意義でした。
(仲村)トオルさんに関しては、やっぱり80年代からのリスペクトと、男性としての憧れがありますね。ストイックで照れ屋さんだし。50歳を超えて、胸がキュンとするのもどうかと思うんですけど(笑)、共演できてうれしいです。
トオルさんは、セッティングチェンジの時に、侍のようにじっと待っているんです。その姿が素敵で。僕はホラ、隙あらばトークしちゃうから(笑)。
◆轟と桐石は信頼し合っている感じがありますよね。
特に第8話、第9話と回を追うごとにそれぞれの過去も描かれていきますし。第8話に関しては、今まで謎に包まれていた桐石の私生活まで物語の軸となってくるので、見どころしかないです。
◆弁護士・伊野尾麻里役の上白石萌歌さんはいかがですか?
萌歌ちゃんに関しては、明るい笑顔に癒やされます。そこは伊野尾ちゃんのキャラと重なる部分があるなと思います。ハードボイルドワールドに、パステルカラーの風が吹く感じ。
◆現場のムードメーカー的存在でしょうか?
そうそう。実際、長丁場の撮影現場でも、彼女の笑い声がすると、少し息をつけるというか、気分転換にもなる。だから萌歌ちゃんには個人的に助かっています。
◆作品にちなみ、及川さんご自身が最近「心が焚きつけられた」と感じたことはありますか?
この作品の撮影期間中、並行して全国ツアーのステージに立っているんですけれども、先日初日を迎えまして、幕が開いた瞬間の客席の大歓声。これはもう焚きつけられますよね。魂が燃える瞬間でした。
◆長年ステージに立たれていても、幕が開くたびにそう感じられますか?
そうなんですよ。定期的にキャーキャー言われないとダメかもしれない(笑)。撮影現場で作品と向き合い、ステージでベイベー(ファンの愛称)たちと向き合う。やりがいも生きがいも感じますね。この仕事に向いているんじゃないかな(笑)。
◆ドラマとステージが並行するというのは大変ではないですか?
スイッチが違うかな。プロデューサーもしくは監督に選ばれて作品に参加する意識と、自分が作品を作り出して表現するという意識の違いがあって。忙しいけど、飽きないんですよね。退屈しないって、エンターテインメントの根幹じゃない? それはお客様はもちろん、自分自身も“そうあるべし”と常に思っています。
◆第8話の見どころを教えてください。
冷徹な桐石がかなり動揺するんですよ。今までずっと隠してきたプライベートを『イグナイト』メンバーに知られてしまうというところがポイントです。
これまでの彼のキャラクターが大きく覆るようなギャップがある、かわいい男だなと思います。第1話からは想像できないほどの桐石の素顔に注目!
◆最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
桐石にしろ、轟にしろ、今までどのような過去があって、ピース法律事務所がどのように誕生したのか。そういった隠されてきた部分が明らかになっていく。そして最終決戦になだれ込んでいきます。ここからの展開は、きっと視聴者の皆さんの感情を大きく揺さぶることと思います。
第8話はもちろん、第9話の過去編にも要注目ですね。第1話につながるエピソードゼロとなっていますので、あらゆる謎が解ける注目回だと思います。
ぜひお楽しみに。みんなありがとう、チャオ☆
番組情報
金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』
TBS系
毎週金曜 午後10時~10時54分
<出演者>
宇崎凌…間宮祥太朗
伊野尾麻里…上白石萌歌
高井戸斗真…三山凌輝
浅見涼子…りょう
桐石拓磨…及川光博
轟謙二郎…仲村トオル
<スタッフ>
製作、BABEL LABEL TBS
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太(『量産型リコ』『お耳に合いましたら。』『絶メシロード』など)
脚本:山田能龍(「全裸監督」「新聞記者(Netflixオリジナルドラマシリーズ) 」「朽ちないサクラ」など)、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利(「帰ってきた あぶない刑事」「朽ちないサクラ」など)、山口健人(「イクサガミ」『アバランチ』など)、吉田亮
©TBS