桐山漣×ゆうたろうインタビュー『青きヴァンパイアの悩み』

特集・インタビュー
2021年02月08日

桐山漣×ゆうたろうインタビュー

コロナ禍の東京を舞台に、頑張っているけど報われない、ちょっと憎めない2人の“青き(=未熟な)ヴァンパイア”の奮闘を明るくユーモアを交えて描く新月曜ドラマ『青きヴァンパイアの悩み』が、TOKYO MX(地上波9ch)で2月8日(月)夜10時からスタート。 本作で W主演を務める黒澤蒼役の桐山漣さん、紫藤葵役のゆうたろうさんにインタビュー。ドラマの見どころや、コロナ禍での心境の変化などを聞きました。

◆とてもユニークな設定ですが、最初に台本を読んだときの印象を教えてください。

桐山:今までにないような斬新な切り口だなと思いました。コロナ禍という状況がありつつ、そこで人間たちは何を見ていて、何に絶望していて、何に苦しんでいて…そんな人間たちの血を吸いたい僕らは、人間たちとどう関わっていくのか。僕らの目的は血液で、毎回血を吸うために悪戦苦闘するさまが見ている人にとって活力になればいいなと。
話を聞くバイトや、ウーバーイーツみたいなバイトを始めたりとか、わりとヴァンパイアもヴァンパイアで苦しんでるっていうところが身近に感じてもらえるエッセンスになっていて、楽しそうだなと思いました。

ゆうたろう:台本を読ませていただいたときに、本当にやりがいのある作品だなと思いました。2020年の年末に撮影していたんですけど、リアルタイムだからこそ、この作品を撮る意味があるなと思いながら演じていました。
僕自身も自粛期間でいろんな気持ちが複雑に入り交じって。それはみんなも同じことで、それをそのままゆうたろうとして、葵君という役を通して伝えられたらいいなと思いました。
葵君は、エネルギーはあるけど、放つものはそんなに大きくないし、わりと冷静で博識で、俯瞰的に物事を見ている子で、そのバランス感は演じるうえで悩みましたね。
オリジナル脚本というのもあって、自由にどこまででも広げられるので、みんなでイメージを合わせる作業がすごく大事だなと思いました。
ワクワクとか、いろんな不安とかプレッシャーもあったんですけど、人間としてひと皮むけるなっていう意気込みで臨みました。

◆ゆうたろうさんは本作が連続ドラマ初主演となります。

ゆうたろう:2020年は自由にお仕事ができなくて窮屈に過ごしていた中で、こんなに大きな作品で大きな役を頂けるっていうのは自分を褒めてあげたいなって。今までやってきたお仕事が認めていただけたっていうのもありますし、この苦しい時期にできたっていうことはうれしいです。
役者のゆうたろうとして初めて自信が持てたというか、ここにゆうたろうがいていいんだって思えて、役者として初めて認めてもらえた瞬間だなって。
情報が解禁されたときに、僕のフォロワーさんやファンの方がすごく喜んでくれて、家族もすぐ連絡をくれて。会えなかったけど、いろんな人たちに支えられてつかみ取れた初主演だなとすごく思いました。

◆お2人は本作が初共演となりますが、いかがでしたか?

桐山:2人の絡みが本当に多い中で、僕の役がわりと跳ねた役なんですが、それをきっちり受けてくれて。自分のお芝居を貫くっていうタイプというよりも、相手をちゃんと見ながら自分を表現していくタイプの方だなと思いました。
僕自身もどちらかというとそういうタイプなので、お芝居の掛け合いをしながら探っていけたかなと。
コメディなので、僕だけが跳ねてもそれを客観的に葵が見て受けてもらわないと見ている人も置いてけぼりになっちゃうし、俺も一人ぼっちになっちゃうので(笑)、そこを一緒に作れてよかったです。

◆その言葉を受けて、ゆうたろうさんはいかがですか?

ゆうたろう:いろんなキャストさん、スタッフさんほぼ初めましてで、作品を見たことはあったんですけど監督も初めてで。強い信頼感がないとできない作品だろうなというのは最初から思っていたので、そこは葵君としてじゃなくて、まずゆうたろうとして距離を近づけたいなと思っていました。
お会いしたときからツンツン突っついたり、僕がちょっかいを出したりしていたですけど(笑)、それを一方通行じゃなくて全部受け止めてくれるし、ボケたらツッコんでくれるし、ちゃんと一つ一つリアクションを頂けるので、すごく救われました。
年の差があると、どうしてもどちらかが気を使ってしまったりすると思うんですけど、それを受け止めてくれたので、最初から自分としての課題はクリアできたのかなって。
お芝居の中でも、テンポとか、アドリブを入れ合ったりとか、役を通して2人の関係性がうまく築けたかなと思います。

桐山漣×ゆうたろうインタビュー

◆印象に残っているシーンを教えてください。

桐山:2人の部屋のシーンですね。大きな倉庫を家にしていて、一階が物置みたいになっていて、二階がリビングで2つ棺があって、生活空間がある。空間を広く使うために一階と二階でお芝居をするシーンがあって、アドリブで台本にないことをしても上から助けにきてくれたりとか。自然と役柄としての関係性が出来ていたので、(部屋の)上と下を使ったお芝居が印象的で好きですね。

ゆうたろう:ヴァンパイア特有の生態で、食べ物は食べられない、でもちょっとしゃぶってみたりとか、においをかいでみたりとか、“ニューノーマル”というテーマに沿っていろんなものに挑戦してみるんですけど、やっぱり血を吸うシーンでは牙をつけてお芝居をしているので、そういうヴァンパイアに寄せたお芝居は楽しかったです。
蒼がいろいろ動いて、それを葵君が客観的な目で冷ややかに見ていたりというところはコミカルなシーンになっていると思うですけど、本人たちは本気で一人前のヴァンパイアになりたいという思いなので、2人のヴァンパイアに対する向き合い方というのは演じていて楽しかったです。見ている方もその温度差は楽しめるんじゃないかなと思います。

◆劇中と同じくご自身もこのコロナ禍を過ごした中で、心境の変化などはありましたか?

桐山:シンプルだけど、カメラの前でお芝居できる喜びをすごく感じましたね。やっぱり自分はこれしかないんだなっていうことを再確認できました。
日常が失われて、夏前くらいのときに緊急事態宣言が解除されてカメラの前に立ったときは、ドライのときとかに、緊張してるな…って(笑)。本番では緊張しなかったんですけど。
最初の瞬間は、あらためて日常に感謝しましたね。

ゆうたろう:僕もデビューをさせていただいてから、いろんなお仕事をさせていただいて、その中で去年から役者という職業をメインでやらせていただいている中での大きな世界的な打撃があって。みんなが当たり前だった環境を奪われて、僕もやっぱりしたかった仕事が中止になったり、延期になったり。延期になってもいつできるか分からないし…。ずっと家に一人でいると、いろいろ自分のことや家族のことなどいろんなことを考えて、自分を見つめる期間になって。
お仕事をしていると、役のことについて考えたりして、あんまり自分自身のことについて考えなくなってくるので、あらためて考えるきっかけになりましたね。
人間というものにちょっと億劫になっていたんですが(笑)、久しぶりにみんなと会ったら、本当にこの時間は大事なんだな、貴重な時間なんだなってあらためて感じました。
仕事って人と人とのつながりで成り立つものだと思うし、特にこの芸能界はそうなので、あらためてお芝居をさせていただける環境はありがたいなって。お仕事を頂けることに甘えていた自分がいたなって気づけたので、役者のゆうたろうとしても、人間のゆうたろうとしても、すごく初心に返れる時間でしたね。
マイナスなことだけじゃなかったので、そこは自分の救いになったというか、そういう方向に向けないとどんどん沈んじゃうなって日々考えていましたね。

桐山漣×ゆうたろうインタビュー

◆お2人から見た本作の見どころを教えてください。

桐山:衣装合わせのときにスタッフさんに嫌いな飲み物はありますか? って聞かれて、僕はトマトジュースがだめですって伝えてたんですが、小道具の中身がトマトジュースだったんですよ。

ゆうたろう:ははは(笑)

桐山:あの質問はなんだったの!?っていう隠れた見どころがあります(笑)。
あと蒼たちは、血を吸いたくなると牙が出てくるんですね。牙が露出しているときに、人間の悩みを解決してあげたい、でもヴァンパイアとしてその人の血を吸いたいという思いで揺れるんです。
そこが楽しくて、コメディ要素もありながら、ヴァンパイアとしての本能と人間らしさの部分、この相反する葛藤を見てほしいです。

ゆうたろう:各話にゲストの方が出てきてくれて、その人たちもいろんな葛藤をして、そこに僕たちがどうやって寄り添って、ヴァンパイアとして助けにいくのかがコミカルに描かれている中で、ちょっとしたセリフがすごくグサッとくるんです。コロナ禍で傷ついた人間たちが出てくるお話なので、どこかしら共感できる部分があると思います。
葵君を演じていても、自分自身にささったので、見ている皆さんも感情移入できたりとか、あれちょっと泣きそう…みたいな瞬間もきっとあるはず。
出演した身ですけど、自分自身も視聴者として楽しみたいと思います。

PROFILE

●桐山漣
1985年神奈川県出身。テレビや映画・舞台などで活躍。
2013年には、韓国『ソウルドラマアワード2013』ネチズン人気賞(JAPAN 俳優部門1位)受賞。
主な出演作は、映画『群青色の、とおり道』(佐々部清監督)『新宿スワンII』(園子温監督)『曇天に笑う』(本広克行監督)『貞
子』(中田秀夫監督)をはじめ、近年ではドラマ『俺のスカート、どこ行った?』『これは経費で落ちません!』『いいね!光源氏くん』『おじさんはカワイイものがお好き。』など数々の話題作に出演。

●ゆうたろう
1998年6月3日生まれ。広島県出身。
2016年、古着ショップ店員から”可愛すぎる美少年”モデルとして、芸能活動開始。
2017年から俳優としての活動をはじめ、昨年、映画『かぐや様は告らせたい?天才たちの恋愛頭脳戦?』メインキャスト、
ドラマ『シャーロック』にレギュラーキャストして抜擢され、今年は『30 歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』等、数々の話題作に出演が続く。
今後も待機作品が続々と控えており、若手個性派俳優として更なる活躍が期待される。

番組情報

『青きヴァンパイアの悩み』
©TOKYO MX

『青きヴァンパイアの悩み』
TOKYO MX・地上波9ch
2021年2月8日(月)スタート
毎週月曜 後10・00~10・30<TOKYO MX1>

<ストーリー>
自分の力で一度も血を吸った事がない“青きヴァンパイア”の黒澤蒼と紫藤葵。二人は、生き延びるために血を吸おうとするものの、ニューノーマルへの戸惑いや、元来の優しさなどが邪魔してしまい――。果たして彼らは人間の血を吸うことができるのか。夜から昼へとニューノーマルな生き方を強いられた若い吸血鬼が見た世界とは…。

<出演>
黒澤蒼…桐山漣
紫藤葵…ゆうたろう
香椎未亜…谷口めぐ
大藪春樹…芹澤興人
西野悠…伊島空
オソノ…護あさな
岸岡太一…吉田ウーロン太
ほか

※漣はさんずいに連が正式表記

<スタッフ>
原作・脚本:アサダ アツシ
監督:井口昇(1~4話、7~8話)、石井純(5~6話)

制作プロダクション:ダブ
製作・著作:TOKYO MX

<配信>
スマホアプリ/Webサイト『エムキャス』で全国無料でリアルタイム配信。見逃し配信として、最新話放送から1週間は全国無料で視聴可能。

TELASA、auスマートパスプレミアム、J:COMオンデマンド、milplusでTOKYO MX放送後から随時公開。最新話まで見放題独占配信。

※都合により変更となる場合があります。

公式サイト:https://s.mxtv.jp/drama/mx9_vampire/
公式Twitter:https://twitter.com/mx9_vampire
公式Instagram:https://www.instagram.com/mx9_vampire

桐山さん/衣装協力: Sian PR 03-6662-5525、BLUE IN GREEN pr 03-6434-9929 スタイリスト:吉田ナオキ
ゆうたろうさん/本人私物