瀧本美織インタビュー「言霊という言葉があるように、言葉には魂が宿るんだなって」

特集・インタビュー
2021年02月26日

WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』で、出会い系サイトで本をお薦めする主人公の女性を演じた瀧本美織さん。「さらに人と関わることが面白くなりました」というドラマの内容のほか、出会いやお薦めしたいことなど、たっぷり語ってくれました。

◆自分史上一番のせりふ量と格闘したとのことですが、やはり大変でしたか?

文字と格闘する毎日でした。舞台と同じか、それ以上に台本をめくってもめくっても、せりふがとどまることを知らないという感じで(笑)。私の場合は、せりふを体になじませて覚えたほうが早いんですよね。なので部屋の中を歩き周りながらしゃべって覚えたりしました。

◆出会い系サイトで出会う個性的な人々とのやりとりが描かれていますが、会話劇を演じていかがでしたか?

人と真正面から向き合うことってこんなにもすてきなことなんだとあらためて実感しました。菜々子さんが人生に迷い、やりたいことを思うようにできていないところから物語は始まります。そこからいろんな人と向き合いながら、自分自身とも向き合っていく。そうしているうちに自分の幸せは自分で決めると思えるようになっていくのがすごく良いなと思いました。花田菜々子としてせりふをしゃべるたびに、自分も勇気づけられましたし、言葉の力をすごく感じました。言霊という言葉があるように、言葉には魂が宿るんだなって思いました。

◆菜々子が本を薦める人のことを、頭の中で分析するのが面白かったのですが、人との向き合い方で瀧本さんと似ているところ、違うところは?

菜々子さんと同じように、私も人に関わることが好きなので、そこは似ていると思いました。でも自分の場合は「この人はこうだ」と決めるというよりは、初めて会う方は分からない部分が多くて、分からないから会話しながら見つけていくのが面白いんだと思います。お話ししながら、「こういう人かな」ってその人のことを想像するのが好きですね。

◆菜々子を演じるにあたり、どんな役作りをしましたか?

原作から考えるところが多かったですね。原作に登場する本を全部買って、囲まれてみたりもしました。そうするとちょっと書店員の気持ちになれるかなと思って(笑)。

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