映画「バイプレイヤーズ」公開!濱田岳&柄本時生「存分に楽しんだ、ぜいたくな時間。感謝の気持ちでいっぱいです」

特集・インタビュー
2021年04月08日

濱田:そうかと思えば、アドリブ満載の中で、与えられたせりふをひと言発するだけでピリッとした空気を作るんです。その姿は、まさに先輩方の生きざまを見ているようでした。今回、多くの先輩方と共演して強く感じたのが、役者を長く続けるために大事なのは“人間力”なのかなということだったんです。皆さんが演技の技術をお持ちなのは言わずもがなですが、ずっと第一線で活躍している理由の1つとして、お人柄もあるんじゃないかと思って。現場ではいつも楽しそうで、自由に演技をし、決めるところは決める。そうした、すごくすてきなお手本となる背中を見せてもらった気がしましたね。

柄本:確かに、ぐうの音も出ないほどの人間力を見せていただきましたよね。

濱田:ただ、皆さんのそうした人間力はまねしようと思ってもできるものではないんです。だって、僕らにとっては勝村(政信)さんの姿なんて、何の勉強にもなりませんでしたから(笑)。

柄本:ははははは! そうだったね。勝村さん、ホントに意味が分かんなかったです(笑)。

濱田:突然、奇声を発したりするし。それを見て、「勉強になりました」なんて言ったら、逆に失礼ですよ(笑)。小沢(仁志)さんに至っては、「俺、台本読んでねぇんだよ!」って自慢してきましたし。

柄本:どう答えていいのか分からなかったよね(笑)。

濱田:それでも皆さんは素晴らしい名優になっている。これはもう人柄という人間力でしかないです。

柄本:それと、驚いたのが、どれだけ自由に演技をされていようと、たとえ何が起きようとも、シーンの肝となるせりふはバチッと決めてくるんです。だから、すごく安心感がある。

濱田:そうだったね。しかも、あれだけの人数で好き勝手しゃべっていても、せりふが重なることも絶対になくてね。

柄本:お互いの呼吸を感じ取る耳がすごくいいんだと思います。それを間近で体感できたことは本当に幸せでした。

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