蒔田彩珠インタビュー「『姉妹で恋バナしてみたい!』なんて願望も」『おかえりモネ』

特集・インタビュー
2021年08月13日

気仙沼・登米編を経て、第10週(7月19日〜)から東京編に突入した、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合ほか)。3度目の気象予報士試験で、念願叶って気象予報士となったヒロイン・永浦百音(清原果耶)は、東京の気象情報会社で新しい仲間たちと共に日々奮闘している。

そして、先週放送の第12週(8月2日〜)では「東北の太平洋側から台風が上陸しそう」という情報が百音の元に入ってきたことをきっかけに、宮城県に暮らす家族やサヤカ(夏木マリ)らお世話になった人々に連絡を取り、災害対策をアドバイスする頼もしい百音の姿が描かれた。

そんな中、着々と前に進む姉を目の当たりにし、ふと複雑な表情を浮かべていた妹の未知。思春期の繊細な心情を巧みに表現し、その演技力の高さで注目を集めている蒔田彩珠さんに、自身の演じる未知の役柄や永浦家のお話、今後の展開について語ってもらいました。

◆家業を担うため、そして地元の将来のため、水産試験場でカキ養殖の研究に取り組む未知とは境遇がまったく違う蒔田さんですが、演じていて共感できる部分はありますか?

私も兄が2人いて末っ子なのですが、意地っぱりで負けず嫌いなところはよく似ているなと感じています。ただ、未知は感情的になって家族に強く言ってしまってもすぐに謝ることができますが、私はなかなかすぐには素直になれず…(笑)。なのでそこは尊敬している部分ですし、未知のいいところだなと思います。

◆姉の百音を演じる清原さんとは『透明なゆりかご』(NHK総合)以来、2度目の共演ですね。クランクインから約10か月、蒔田さんにとって清原さんはどんな存在でしょうか。

果耶ちゃんは私にないものをたくさん持っていて、とてもカッコいいんです。そのあこがれというのはきっと未知が百音に対して抱えている感情に似ていて、お芝居にもつながっているなと感じています。果耶ちゃんとは生まれ年が同じなのですが、現場でも本物のお姉ちゃんのようなので、いつも甘えてしまっているんです(笑)。

◆そんな清原さんをはじめ、祖父・龍己役に藤竜也さん、父・耕治役に内野聖陽さん、母・亜哉子役に鈴木京香さんと、永浦家には豪華なキャストの皆さんが揃われています。

藤さんはとても安心感があって、おじいちゃんがいるシーンは皆さんホッとしているように思います。内野さんはお芝居に真剣に向き合いながらも、空き時間には「最近、10代の子たちの間では何が流行ってるの?」と話しかけてくださったりする、おちゃめで優しい方。鈴木さんは本当に劇中のままで、いつも現場をあたたかく見守られているお母さん的存在ですね。とにかく皆さんから学ぶことが多く、お芝居は自分だけで考えて完成するものではないということを改めて実感しています。

◆東京で再会を果たした百音と菅波(坂口健太郎)の今後の行方も気になりますが、妹・未知はそんな2人のことをどう感じていると思いますか?

百音はこれまで全く恋愛をしてこなかったんじゃないかなと思うので、妹としては「姉妹で恋バナしてみたい!」なんて願望もあるんじゃないかな(笑)。きっと、菅波先生と幸せになってほしいと願っていると思います。

◆そんな未知も、幼なじみの亮(永瀬廉)こと“りょーちん”に対して見せる乙女な部分がとてもかわいらしいですが、その思いの真相は…?

今の未知は、りょーちんに対して“好き”という気持ちや“付き合いたい”という感情がまだよく分かっていない気がしていて。だから、すーちゃん(恒松祐里)と高校生の時に付き合っていたという話を聞いて、“付き合うっていう展開もあるんだ…”みたいな驚きもあったのかなと(笑)。りょーちんにとっての一番の理解者は百音ですが、未知はいつか自分がそうなりたいんじゃないかなと思いながら演じています。何でも話してほしい、頼ってほしい、と。

◆最後に、蒔田さんの思う『おかえりモネ』の魅力を教えてください。

百音の家族や幼なじみ、職場の人たちの人生が、彼女に関わったことで大きく変化していくところではないでしょうか。百音は色々な経験を経てどんどんと大人になっていきますが、未知もそれに負けじと自分のやるべきことに真剣に挑んでいくので、その成長を見守っていていただけたらと思います。

PROFILE

●まきた・あじゅ…2002年8月7日生まれ。神奈川県出身。O型。近作にドラマ『言の葉』、映画「朝が来る」など。

番組情報

連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

●photo/大石隼士 text/片岡聡恵