山本舞香×板垣瑞生“ディスきゅん”オフィスラブコメで初共演…キスシーン秘話を告白!

特集・インタビュー
2022年01月01日

山本舞香さんと板垣瑞生さんが主演と相手役として共演し、「LINEマンガ」の同名人気作品を実写化するスペシャルドラマ『デキないふたり』。広告会社で同期として働く奈緒(山本)と黒瀬(板垣)は、実は高校時代の初体験が原因で最悪の別れ方をした元恋人。そんな2人が日々会社でディスり合いながらも、あることをきっかけに関係が変化していく、“きゅん”多発のオフィスラブコメディだ。テレビ朝日では奈緒視点の『ディスきゅん編』(2022年1月3日(月)深0・15)を放送。TELASAでは黒瀬視点の『ムズきゅん編』が配信されている(『ディスきゅん編』も地上波放送終了後に配信)。そこで、山本さんと板垣さんにお互いの印象や撮影エピソードなどを語っていただきました。

◆ご自身の役柄をどうとらえていらっしゃいますか?

山本:奈緒は高校時代、恋人だった黒瀬から言われたひと言がトラウマになって、それ以来、誰かと付き合っても深く踏み込めずにいて。本当は今でも黒瀬のことが好きで、だからこそキツく当たってしまう。好きな人に対して思ってもいないことを言ってしまったり、つい言いすぎてしまったりする複雑な感情って、きっと誰でも持っていますよね。あと、奈緒は弱い部分もあるのですが、それを黒瀬には絶対に見せない。でも、異性として意識していない金城(塩野瑛久)には見せられるんです。そういうところも含めて、共感できました。

板垣:黒瀬はもともと純朴だったのが、奈緒ちゃんとの恋愛がきっかけで変わって。社会人になって再び奈緒ちゃんと恋愛をすることによって、また変わっていくんです。ただ、どうしても異性に対して潔癖というか。それは、相手が好きな人だからこそなんですけど。こじつけでもいいから、何か理由がないと踏み出せないところもあって、そこは僕も共感できました。

◆お二人は今回が初共演だったそうですが、お互いの印象はいかがですか?

山本:板垣君は以前から興味のある役者さんでした。

板垣:興味!?

山本:一緒にお芝居をしてみたいなという意味で(笑)。なので今回、共演できる機会をいただけてうれしかったです。パーソナルな部分まではあまり存じ上げなかったので、ネットで検索したら、まだ21歳で驚きました。弟と同じ年なんです。だから、“弟と同い年の子とキスするの!?”って、すごく不思議な感覚になって。現場での板垣君は、いつもニコニコしていて。周りにフランクに話しかけていて、人懐っこい。あと、人のことをすごく見ている。目のもっと奥から凝視している感じです(笑)。他のキャストさんたちに「どういう感情で見つめてるの?」と聞かれて、「えっ、見たいから見てます」って答えていて。“この人、ナチュラルにきゅんを出してる!?”と、かわいらしく思いました(笑)。

板垣:あははは。

山本:そんな板垣君なので、仏頂面の黒瀬のスイッチを入れるのは難しいんじゃないかなと思ったんですけど。でも、板垣君はカメラが回った瞬間、ちゃんと黒瀬のスイッチが入るんです。しかも、私が台本を読んで想像していた黒瀬とは違う、板垣君なりの黒瀬だったので、一緒にお芝居をしていて楽しかったです。

板垣:ありがとうございます。僕も山本さんは以前から興味のある役者さんでした(笑)。実際にお会いしたらすごく優しくて、安心感がありました。最初は気の強い方なのかなと思っていたんです。実際、お芝居もけんか腰というか…。

山本:おーーーっと!?(笑)

板垣:いやいやいや! すごくいい意味ですよ。いつもお芝居が本気なんです。“相手がフックを出したらアッパーで返す”みたいな(笑)。だから、信頼感を持って臨むことができました。

◆特にその“本気さ”を感じた瞬間は?

板垣:奈緒ちゃんと黒瀬がけんかをするシーンがあって。その撮影をしたのがインしてすぐぐらいだったんですけど。“こんなに気持ちよく怒る人いるんだ!”というくらい、山本さんがぼんぼんっ! と僕に向かって真っすぐにせりふを投げてくれて(笑)。

山本:あくまでお芝居だからね(笑)。

板垣:でも、それが僕には気持ちよくて。けんかのシーンって、ちょっとでもテンポが落ちたり、どちらかの熱量が落ちたりしてしまうとうまくいかないこともあるんです。でも、山本さんは150キロの豪速球をぶん投げてくれて(笑)。相手が山本さんでよかったなと心から思いました。

山本:確かに、劇中では奈緒としての感情をものすごい勢いで投げつけさせてもらいました(笑)。

◆ “きゅん”が詰まった作品ですが、お2人自身がきゅんとしたシーンはどこですか?

山本:やっぱり、黒瀬とのキスシーンですね。

板垣:そこは僕もきゅんとしました。

山本:私、キスシーンに慣れていないからどうすればいいのか全然分からなくて。本番で目を開けたままキスしてしまったんです。そしたら監督に「目を閉じてもらっていい?」と言われて(笑)。そこで初めて“あっ、キスシーンって目を閉じるんだ!?”って。

板垣:みんな閉じます(笑)。

山本:助監督にも「僕は目を開けてキスしたことはありません」って言われて(笑)。なので、それからは“今かな? 今かな?”って自分なりにタイミングを考えながら目を閉じて、“さぁ、来い!”と思っていました(笑)。

板垣:僕は山本さんがキスをする時にいつ目を閉じるかで悩んでいたということに今きゅんとしています(笑)。山本さんは現場に入ってくるとき、いつもにこやかで、「はい、お芝居しよ!」みたいな感じでスッと役に入るんです。でも、キスシーンのときだけは険しい顔をしていたので、てっきり怒っていたのかと(笑)。

山本:いや、緊張していたんだよ。

板垣:役者さんによっては、キスシーンも「撮影だから」という感じでサラッとできちゃう人もいると思うんです。でも、ちゃんと恥ずかしがってくれるという、山本さんのそのピュアさに今またきゅんとしています(笑)。

山本:やめてよー! そういうこと言うと、絶対に(記事に)書かれるんだから(笑)。

板垣:でも、山本さんがそういう感じでいてくれたら、こっちもおのずと誠心誠意お芝居を返さないと! という気持ちになりますよね。

◆『チェリまほ』こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』なども手掛けた湯浅弘章監督の印象はいかがですか?

山本:監督は、お茶目でかわいらしい方でした。キスシーンのときも、「チュー! チュー!」って手をたたきながら盛り上げてくれて(笑)。そうやっていつも現場の雰囲気を明るくしてくれるので、ヘンな緊張感が生まれず、すごくリラックスできました。

板垣:僕たち役者に、自由にお芝居をさせてくれる監督でした。なので、テストや段取りで自分なりに演じられて。それがやりすぎだったらちゃんと止めてくれますし、逆にOKだったら何も言わずに本番に移っていく。“きゅんきゅんもの”って、カットを細かく割って、寄りを撮って、キメも撮って…という感じで進んでいくことが多いんですけど。監督はカット割りが少ないので、何度も気持ちを作らずとも集中してお芝居ができる。それもありがたかったです。

◆最後に、お互いに何か言い残したことはありますか?

山本:私、特に年下の子からはタメ口を使われないんです。怖い印象を持たれているみたいで(笑)。でも、板垣君は初日から「よろしく、頑張ろうね!」みたいな感じで。

板垣:作品によりますけど、奈緒ちゃんと黒瀬は役の設定が同い年だったので。あえてそうしていたところはあったかもです。現場に入った瞬間から、役として周りと接したほうがいいんじゃないかと思っていて。緊張しやすいのもあって、その方が普通に会話するよりコミュニケーションがスムーズにいくんです。

山本:あー、やっぱり。実はそうなんじゃないかなと思ってたの。人見知りで、緊張しちゃうのかなって。塩野さんとも、「きっと板垣君なりに、一生懸命しゃべろうとしているんだろうね。かわいいね」って話してた(笑)。

板垣:いやぁ、バレてたか〜(笑)。

PROFILE

山本舞香
●やまもと・まいか…1997年10月13日生まれ。鳥取県出身。B型。近年ではドラマ『ハケンの品格』『コタローは1人暮らし』、映画「とんかつDJアゲ太郎」「今日から俺は!!劇場版」「東京喰種 トーキョーグール【S】」など、話題作に立て続けに出演している。

板垣瑞生
●いたがき・みずき…2000年10月25日生まれ。東京都出身。A型。2021年は、映画「胸が鳴るのは君のせい」、配信ドラマ『最愛のひと〜The other side of 日本沈没〜』、ドラマ『SUPER RICH』などに出演。映画「君が落とした青空」が2022年2月18日に公開予定、そして「ツーアウトフルベース」が3月25日に公開予定。

作品情報

スペシャルドラマ
『デキないふたり』

地上波:ディスきゅん編
テレビ朝日 2022年1月3日(月)深0・15〜(※一部地域を除く)

TELASA:ムズきゅん編
TELASA 配信中
※ディスきゅん編は2022年1月3日(月)放送終了後配信

原作:里村「デキないふたり」(クロフネコミックス/リブレ刊)
脚本:大北はるか
演出:湯浅弘章
出演:山本舞香、板垣瑞生、高野洸、綱啓永、野呂佳代 / 塩野瑛久

●photo/関根和弘 text/林 桃