STU48・沖 侑果インタビュー「ここで成功させないと、次のステップにつなげていけないなって」

特集・インタビュー
2022年04月28日

「瀬戸内」エリアを本拠地とし、「1つの海、7つの県」を中心に活動するAKB48グループ初の広域アイドルグループ・STU48が、8thシングル『花は誰のもの?』を4月13日にリリースした。それを記念して、TV LIFE webで「STU48 沖 侑果の瀬戸内女子図鑑」を連載中の沖 侑果さんが、今回もソロインタビューに登場!
話題のドラマミュージックビデオ「光は君に、あの日々に。」についてや新曲の話はもちろん、5月3日(火・祝)に広島グリーンアリーナで開催予定の「STU48 5周年記念コンサート」に向けた意気込み、さらには岡田奈々さんとの思い出や連載の裏話までたっぷり語っていただきました。

◆いつも連載のご執筆ありがとうございます! 昨年12月で連載開始から1周年を迎えたわけですが、どういうお気持ちですか?

当初は3〜4回くらいで終わる企画物かなと思っていたので(笑)、“こんなにやらせていただけるんだ!”という気持ちはあって…。なので、ありがたいですね。だんだんメンバーも協力してくれるようになって、私が元々知らなかったものを教えてもらったりもしました。

◆メンバー内での連載の認知度も上がっていると。

(メンバーが)ごはんを食べているところに「写真を撮っても良いですか?」と聞きに行ったら、「あ、コラムですか?」と返されたりもして。結構、浸透していますね。

◆第11回の「高雄さやか×エディオン紙屋町ホール」では、高雄さんが照明や音声の仕事にチャレンジしている感じの写真もSNSなどで好評でした。

職業体験みたいな感じですよね(笑)。締切が近づいている中でちょうど公演日だったので、(会場の)エディオン紙屋町ホールを紹介させていただきました。私もファンの方からの反響は、あの回が一番良かった気がします。

◆第13回では、川又優菜さんのお正月ランチの様子も紹介されていましたが。

お正月は私自身も実家に帰っていたので、他のメンバーと会うことができなくて。それでメンバーのSNSをいろいろ見ていたら、川又優菜ちゃんがホテルで優雅にランチをしている写真をアップしていたので連絡を取ったんです。「ゆなゆな(※川又優菜)のお正月をコラムに載せても良いですか?」と訊いたら、「どうぞどうぞ」という感じで写真も全て提供していただきました。

◆川又優菜さんへの「もし好きな人とお正月を過ごすなら」という質問も面白かったです。

最近、(コラムの中に)メンバーの恋愛観が分かるような部分をちょこちょこ入れていて。メンバーには用途を知らせずに質問しているから、たぶん何に使われるか分からないまま答えてくれています(笑)。

◆用途は教えていないんですね(笑)。

教えたら、みんなきっと“良い子”な答えをすると思うんですよね。石田みなみさんに理想のデートプランを聞いた時(※第15回)も唐突だったので「え、何?」と言われたんですけど、「いや、何でもないんで…とにかく答えてください」みたいな感じでした(笑)。だいぶ本音の答えが聞けていると思うので、皆さんにも参考にしていただけたらなと。

◆もしメンバーをデートに誘う機会があれば(笑)。今後やりたいことは何かありますか?

動画もできたら良いなと思いますね。記事は記事として、その裏側をメイキング動画みたいな感じでSNSに載せられたら、より分かりやすいかなと考えたりはしています。

◆なるほど。今後の展開にも期待ですね!

2期生に関しては、私もこのコラムがきっかけで話しかけたメンバーもいて。ゆなゆなと連絡先を交換したのも、このコラムがきっかけだったんですよ。そういうきっかけ作りにも、めちゃくちゃ役に立っていますね。連載を利用して、仲良くなれたらなと思います(笑)。

◆さてSTU48としては、岡田奈々さんの兼任解除も大きなトピックでしたよね。3月18日に開催されたラストコンサートは、いかがでしたか?

最初はあまり実感が湧いていなかったんですけど、パフォーマンス中に奈々さんからのサプライズもあったりして、そういうのを見ていると“本当にいなくなっちゃうんだな…”って思いました。本当に偉大な背中だったし、奈々さんにはそのコンサート中もそうですけど、最後の最後まで学ばせていただいたから。そうやって教えてもらったものは、STU48として受け継いでいきたいなと思っています。やっぱり、寂しいですけど…。

◆沖さんが個人的に、岡田さんから学んだことは何かありますか?

私はよくケンカをするメンバーがいて…、そのことについて奈々さんにも相談に乗ってもらっていたんです。深夜に「今から謝りに行こうと思うんですけど…」と相談したら、「いいと思うよ、沖ちゃん。言葉で言うべきだよ」とすごく親身になってくださって。アイドルとしてもそうですけど、私はプライベートな人間性の面ですごく学ばせていただきました。誠実に対応することが大事だと学びましたね。

◆公私共に学ぶところがあったと。兼任解除後は、その存在の大きさを改めて実感しているのでは?

曲作りって猛スピードで進行しているというか、歌詞もその日に来て、ダンスも覚えて、でも表現力も大事で…といったものが1日の中に詰め込まれている感じがするんです。自分ではその短い時間の中でなかなか対処できないものも、奈々さんはすぐにできる人だったから、その姿を見て“こういうのが1つの方法なんだな”ということを学んでいたところもあって。そういう“道しるべ”みたいな人がいなくなって、自分たちで全部考えなきゃいけないんだなということは感じましたね。

◆メンバー個々の責任感も増したわけですね。

“自分たちの曲だから、自分たちがやらないと”という気持ちはありますね。

◆沖さん自身もそういう意識が強くなった?

はい。今回のシングルでは奈々さんもいなくなって、新しい選抜メンバーも増えて、今までとは(顔ぶれが)変わったんですよ。自分も7作連続で選抜メンバー入りさせていただいているので、新たに選抜に入ってきた子にちゃんと教えられるように…という心構えみたいなものは持つようになりましたね。

左から)瀧野由美子、中村舞、石田千穂 (C)STU/KING RECORDS

◆今回の表題曲「花は誰のもの?」では石田千穂さん、中村舞さん、瀧野由美子さんの“トライアングルセンター”という初の試みもされていますが、メンバーとして今までとの違いは何か感じられていますか?

誰か1人が主役という曲じゃなくて、その3人が代わる代わるメインに立つ曲なんですけど、誰が真ん中に立つかによって、1曲の中でもガラッと雰囲気が変わるんですよ。例えばゆみりんさん(※瀧野)だったら力強かったり、(石田)千穂さんだったらしなやかだったり、(中村)舞ちゃんだったら繊細な感じになったりして。その3人の誰が真ん中に立つかによって、周りにいる私たちもそれにつられるというか。本当に1つの曲の中でいろんな表現ができるから、トライアングルセンターというのは面白い試みだなと思いました。

◆もう1つ今回の大きなトピックとして、ドラマミュージックビデオ「光は君に、あの日々に。」(以下ドラマMV)もありますが、撮影はいかがでしたか?

私は昔からお芝居をするのが大好きだったので、ドラマ仕立てのミュージックビデオだと聞いた時はめちゃくちゃうれしかったですし、いただいた台本を何回も読み返すくらい楽しみにしていました。

◆ドラマMV内では沖さんが部活の仲間の前でノリツッコミをする場面が印象的でしたが、あれも台本に書かれていた?

そうなんですよ。なぜか私だけ、謎の“陽キャ”設定で(笑)。あのノリツッコミは、何パターンも撮ったんです。寝っ転がるバージョンとか、自分で頭をたたくバージョンとかいろいろなパターンを撮ったんですけど、メンバーもだんだん笑わなくなってきて…。メンバーに冷ややかな目線を浴びせられながら、何回も撮った中から使われています(笑)。

◆ある意味、今回の見どころの1つですね(笑)。合唱部と写真部を舞台にした作品ですが、ご自身も部活動の経験はありますか?

実は私、写真部だったんですよ。学校のホームページに掲載するために、スポーツの試合を撮りに行ったりはしていて。だから今回ゆみりんさんが演じているような、頑張っている人たちを撮る気持ちはよく分かりましたね。

(C)STU/KING RECORDS

◆撮影は楽しかったですか?

楽しかったですね。“青春”っていう感じで。私は今まであまり“青春”してこなかったので、ああいう(映像内にある)海に向かって叫ぶみたいな“青春”が擬似的にでも体験できて楽しかったです。

◆ドラマMVがあることで、楽曲の世界観により深く入り込めるのかなと。

今までもSTU48には(リスナーに)訴えかける曲が多かったんですけど、私の中では全ての表題曲がつながっているなと感じていて。STU48の世界観のまま、世界中の人たちにどうやって伝えていけるのかということを考えながら今回のドラマミュージックビデオも撮影したんです。実際にこの曲に対する反響も大きくて、もっともっといろんな人に聞いてもらいたい曲だなと思いました。

◆すでに反響も感じられている。

TikTokとかでこのドラマMVのCMが流れているのを見て、STU48のことを知らなかった人が歌詞の感想を書いてくださったりもして。自分も学生時代に同じようなことを感じていたと言ってくださる方が多いですね。あと、今のコロナ禍での学校の風景も描いているので、共感してくださる学生の方も多いんです。

◆お互いの顔を覚えるために、マスクを外して見せ合う場面は今の時代ならではですよね。

今回の選抜メンバーの中には、現役の女子高生が2人いるんです。監督の方がその2人に、今のコロナ禍での学校生活はどんな感じなのか聞いたりしていました。例えば教室でもすぐ隣の席には誰も座らずに、1つ間を空けて座ったりするらしくて。そういう部分も結構リアルに見せられているんじゃないかなと思います。

◆沖さんも参加されているカップリング曲の「ポニーテールをほどいた君を見た」(Type B M-2)も、学生時代の気持ちを歌ったものかと思うのですが…。

私はちょっと、おじさん目線っぽいなと思っていました(笑)。“あと何年か 歳月が経てば 話しかけられるか?”という歌詞もあったので、高校卒業まで待っているのかなと思って。

◆なるほど、相手が成人年齢に達するまで待っているという解釈をしたんですね…! てっきり中学生くらいのピュアな男子が、ちょっと年上の女子高生に憧れている感じなのかなと。

そういうふうに年下の後輩(からの視点)だと捉えているファンの方もいたので、人それぞれだとは思います。でも私とは逆パターンですね。

◆あくまでも、おじさん目線の歌だと(笑)。

私はその気持ちで歌っています。この歌詞の主人公の気持ちはなぜかよく分かるので、心の中におじさんがいるのかもしれないです(笑)。

◆ちなみに歌詞の中には“ポニーテールをほどく”や“長い髪を掻き上げる”のような女性の仕草が描かれていますが、沖さんが見ていてグッとくる仕草は何かありますか?

仕草ではないんですけど、私はすごく制服が好きでして…。薬剤師さんの白衣みたいな職業的なものから、(サラリーマンの)スーツや学生の制服も好きで。例えば警備員さんの制服とかがすごく好きなんですよね。だからお話し会とかでも仕事の合間に制服姿のまま来てくださる方がいらっしゃるんですけど、そういう姿を見るとキュンキュンします。たぶん仕事着から私服に着替えた時のギャップが好きなのかなって。

◆これをファンの方が聞いたら、今後の沖さんのお話し会では列の絵面がすごいことになりそうな…。

コスプレ大会みたいになりそうですよね(笑)。

◆ちょっと見てみたいです(笑)。その他のカップリング曲についてもお聞きしたいのですが、「船から降りた僕たちは・・・」(Type A M-2)は昨年5月に船上劇場を終了したことにも重なる内容でしょうか?

タイトルからマイナスなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれないんですけど、サビの歌詞とかを見てもらえたら全然ネガティブじゃなくて。“新しい自分たちを見てもらおう”という歌詞になっていて、今回のカップリング曲の中でも表題曲に並ぶくらいめちゃくちゃ良い曲だなと思いました。

◆1つの節目を越えて、新たな一歩を踏み出していく気持ちも込められているように感じました。

ファンの方からは、「出航」(2ndシングル『風を待つ』収録曲/2019年)という曲のアンサーソングみたいだと言われたりもして。「出航」は船ができる前に作られた曲なので、確かにアンサーソングっぽいなとは思いました。

◆そういう解釈もできると。劇場盤に収録の「Sure、じゃあね」は、ちょっと懐かしい感じの曲調ですよね。

「ポニーテールをほどいた君を見た」についても、「懐かしい感じがする」と言ってくださる方が多くて。今回は「懐かしい感じだね」と言ってもらう曲が多いですね(笑)。参加メンバーのかわいい声と、ちょっと懐かしいディスコっぽい曲調とのギャップも良いですし、早くパフォーマンスが見たいなと思います。

(C)STU/KING RECORDS

◆表題曲「花は誰のもの?」をライブでやった時の反応も楽しみなのでは?

楽しみです。ファンの方からは「あんまり踊らない曲っぽいね」と言われているんですけど、意外に踊るんですよ。ダンスも込みで歌詞を表現している部分も大きいので、ぜひパフォーマンスも見てもらえたらなと思います。

◆5月3日(火・祝)の5周年コンサートもその機会になりそうですね。この日の舞台である広島グリーンアリーナは結成以来、メンバーが目標にしてきた会場だそうですが。

結構前に一度、メンバー同士で話し合う機会があって。その時にみんなで相談して決めたわけじゃないのに、個人個人で思っていた目標がグリーンアリーナでライブをすることだったんですよ。そこで初めてメンバー内で共通認識として捉えて、「5周年コンサートではグリーンアリーナに立とう」とずっと目標に掲げていて。そういう中で今回やらせていただくことになって、“夢がかなった”という部分はありますね。でもそこをちゃんと(観客で)埋められるかどうかは自分たちの実力にかかっているので、メンバーの間では今“もっとがんばらないと!”という気持ちがあふれています。

◆2021年1月には武道館公演もやられているわけですが、そことはまた意識が違う?

そうですね。武道館ではすごくきれいなペンライトの海が、ステージ上から見えたんですよ。だからこそ逆に、グリーンアリーナのステージに立った時にもしそういう光景じゃなかったら…って想像すると怖くて。ここで成功させないと、たぶん次のステップにつなげていけないなって。もっと大きな会場ではやらせてもらえなくなっちゃうし、ここが限界点みたいになっちゃうから。「みんなでグリーンアリーナのステージから見える客席をペンライトの光で埋めようね」という話をメンバー同士でしています。

◆ここをクリアすれば、もっと大きなステージへと上がっていける。

唯一、自分たちで決めた目標がグリーンアリーナでの公演なので、絶対に成功させたいなという気持ちはあります。

◆それでは最後に沖さん個人として、今後への意気込みをお願いします。

22歳は、新しいことに挑戦していこうと思っております。いろんな自己プロデュースをして、みなさんに楽しいものをお見せできるようにがんばりたいなと思うので、これからも目を離さないでいてくださるとうれしいです!

PROFILE

STU48
●えすてぃーゆー ふぉーてぃえいと…国内6番目のAKB48姉妹グループとして2017年3月に誕生。「瀬戸内」エリアを本拠地とし、「1つの海、7つの県」を中心に活動するAKB48グループ初の広域アイドルグループ。瀬戸内(SeToUchi)の頭文字からSTU48(エスティーユー フォーティエイト)と命名される。瀬戸内7県を巡業公演しながら、全国に「瀬戸内の声」を届ける活動とパフォーマンスを展開中。

沖 侑果
●おき・ゆうか…1999年12月1日生まれ。岡山県出身。ニックネームは沖ちゃん。趣味は文章を書くこと。

INFORMATION

■8th Single『花は誰のもの?』
2022年4月13日(水)発売

通常盤 <Type B>

作品情報:https://sp.stu48.com/feature/8th_single

■STU48 5周年記念コンサート
2022年5月3日(火・祝)広島グリーンアリーナ

※公演詳細はSTU48公式サイトを参照

WEB

STU48公式サイト:https://www.stu48.com/
STU48公式Twitter:https://twitter.com/STU48_official_
STU48公式Instagram:http://instagram.com/stu48.official/
STU48公式TikTok:https://www.tiktok.com/@stu48.official
沖 侑果 公式Twitterアカウント:https://twitter.com/oki__yuuka

●text/大浦実千

この記事の写真

©STU/KING RECORDS