前原滉インタビュー「西島さんのことを団長と呼んでます(笑)」『ユニコーンに乗って』

特集・インタビュー
2022年07月26日
火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

現在放送中の火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系 毎週火曜 午後10時~10時57分)に出演中の前原滉さんにインタビュー。7月26日(火)放送の第4話の見どころや、共演者の印象を聞きました。

本作は、教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」の若き女性CEOの元に、ある日突然会社の雰囲気とは全く異なるおじさんサラリーマンが部下として転職してきたことで、仕事に恋に奮闘しながら、夢に向かって真っすぐ生きる主人公たちが成長していく姿を描く“大人の青春”ドラマ。

前原さんが演じるのは、永野芽郁さん演じる成川佐奈と、杉野遥亮さん演じる須崎功と一緒に「ドリームポニー」を立ち上げた創業メンバーの栗木次郎で、個性豊かな仲間をうまく取りまとめる役どころでもある。

◆脚本を読んだ感想を教えてください。

小鳥さん(西島秀俊)と海斗(坂東龍汰)が入ってきて、会社はどうなっていくのかという部分が、話数が進むにつれてだんだん明確になってきて、さらに「あ、こういうチームなんだな」ということも分かってきました。僕の中で、栗木もこういうふうにいたらいいのかなと考えることが増えてきて、難しいなと思う場面も。これからいろんな問題や壁が出てきて、関係性も出てくるんですけど、テンポがいい作品だなっていうのは最初読んだ印象と変わらないところです。

◆演じていくうちに栗木の印象も変わりましたか?

変わった気がします。台本に描かれていない場面をすごく想像するようになりました。エンジニアとして見ると海斗が入ってきた時点で、栗木の方が技術的には劣っている。じゃあ、そうじゃない部分で栗木がしていることって何だろう、単純にみんなのコミュニケーションを円滑にするっていうことだけじゃない何かないかな、と考えるようになってきました。今の方が栗木はきっと深まってるんじゃないかな。テンションでいうと、(青山)テルマさんにすごく助けていただいて、テルマさんが恵実を高いテンションでやられているので、そうしたら栗木と海斗はこのテンションでいったらいいんだなと。最初、栗木は奔放な人なのかなと思っていたんですけど、周りの人を見て、あえてやってる時もあれば、本当に楽しくてテンションが上がったり、ちょっとテンション下がっているから上げようかっていう時もあって、空気が読めないように見えて、きっと読んでるんだろうなと感じました。

◆IT用語も出てくる本作ですが、難しかったせりふはありますか?

僕はエンジニアなんですけど意外とIT用語をしゃべってなくて(苦笑)。いつも説明は佐奈か功がやってくれて、栗木はそれに対するリアクションが多いんです。なので、僕は今のところ言っている雰囲気だけ出しています(笑)。

◆栗木に共感する部分はありますか?

僕も栗木みたいな生き方をしているところはあるなと思います。本人からしたら違うのかもしれないですが、この人、今日は元気ないな、テンション低いなって思うとちょっと話しかけてみたりとか、逆に今この人あんまり話しかけてほしくないだろうなと思ったら、何かあっても話しかけなかったりするから、きっとそういう部分が次郎ちゃんにもあるんじゃないかなと思います。

火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』©TBS/撮影:加藤春日

◆西島さんのインタビューで、「全力でみんながキャラクターを演じられるのは前原君が全部受け止めてうまく回しているからだと思います」というお話がありました。それは意識されているんでしょうか?

拝見しました、めちゃくちゃうれしかったです。僕が意識的にやってるっていうよりも、この人今怒ってるかもとか、楽しそうにしてるから乗ってみようと僕自身が反応しちゃうんです。それが結果的にそう見えてるとしたらうれしいですし、ありがたいです。

◆西島さんはどんな方でしょう?

僕のマネージャーさんが担当している同じ事務所の役者さんが最近西島さんと作品をご一緒されていて、マネージャーさん経由で西島さんは本当に素晴らしい人だっていうことをずっと聞いていたんです。もちろん西島さんが出演された作品を拝見していて素晴らしい先輩の俳優さんだと思っていましたが、今回実際にご一緒できて、めちゃくちゃすてきだなってあらためて感じました。聞いていた以上に素晴らしい方。人当たりもすごくすてきで、いろんな話ができるっていうのは、あれだけの先輩であまりいらっしゃらないというか。

なかなか気軽にお仕事のことだったり、普段何を食べているのかなど聞けなかったりしますが、西島さんはオールジャンルに誠意を持って答えてくださるんですよね。今も台本にない部分で、アドリブって言ったらちょっと違うんですけど、カメラ前でやりとりをしている時に、その奥で写っている人は何をしているだろうね、みたいなやりとりがあって。佐奈が電話に出ている時、我々は今どうしようって。もちろんメインは佐奈の電話なんですけど、その時に我々が止まっているわけにもいかないので、「この時どうする?」っていう相談を気軽にしてくださって「“劇団ドリポニ”だね」みたいな話が現場でありました。

僕と坂東君とテルマさんと西島さんが同じシーンが多いんですけど、西島さんが「こうしたらいいんじゃない?」とか言ってくださるから、みんなも頼っちゃって。ある時、西島さんに「団長ですね」と言ったら、「俺はそこに入れないでくれ」って(笑)。でも僕は今、西島さんのことを団長と呼んでます(笑)。たまに西島さんがいなかったら怒られるんじゃないかなっていうぐらい現場でゲラゲラ笑ってる時も、それに参加してくれる柔らかさというか、そして本番が始まったらすぐに小鳥さんになるのをすごく見ていて、こういう役者さんになりたいなって思わせてくれるような先輩です。

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