【M-1ファイナリストカウントダウン(3)】カベポスター/今年、関西賞レースをダブルで制した若手実力派「2つの優勝を経験して、勢いがついた」

特集・インタビュー
2022年12月11日
カベポスター(左から永見大吾、浜田順平)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年も開催される。昨年は“2人合わせて93歳”のコンビ・錦鯉が優勝という驚きをもたらし、その後のテレビ出演も激増。この1年で大きく躍進し、日本中に大きな笑いと希望を振りまいた。また、昨年のファイナリストからはランジャタイやモグライダーなど、何組もの芸人が飛躍を遂げた。

今年のファイナリスト9組はいわゆる“常連組”がおらず、決勝初進出が5組、2度目の決勝進出が4組のフレッシュな顔ぶれ。TV LIFE webでは、毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

3組目は初の決勝進出となる「カベポスター」。結成翌年の2015年から着々と歩みを進めて2020年、2021年は準決勝まで進出。その間、関西の賞レースでも好成績を収め続け、今年とうとう『ABCお笑いグランプリ』と『ytv漫才新人賞』 をダブルで戴冠。「2つの優勝を経験できたこともあって、勢いがついた」と意気込む若手実力派が、M-1でも念願の決勝の舞台へたどり着いた。


◆決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

浜田:とにかくうれしくて、プレッシャーとかネタのことはこれから考えるとして、今はこのうれしい脳みそのままで浸っておきたいです。

永見:めちゃめちゃうれしいんですが、僕の心の中にいる“高校生の僕”が「ウソだろ!? ウソだろ!?」と、あのときの自分の部屋の中で言い続けています。

浜田:そういう“心の中の人”ってさ、道を踏み外しそうになったときに「そっちじゃないよ」と言ってくれるとかじゃないの?

永見:心の中の高校生は、定期的に出てきて「ウソだろ!? ウソだろ!?」と言ってくるんですが、これまでの人生でいちばんたくさん言ってます。

◆今年の準決勝までを振り返ってみて、いかがでしたか?

永見:これまで以上に熾烈な予選だと感じました。めっちゃオモロいと思っていた先輩方がどんどん敗退していくのを目の当たりにするたびに、「もっと頑張らないと!」と感じながらの予選でした。

浜田:特に今年は、普段からお世話になっていたり、一緒にライブをしてきた先輩がM-1ラストイヤーを迎えていて……。けっこう感情的になりそうだったので、思い切ってメンタルを切り替え、自分たちのことだけに集中しようと考えて乗り越えてきました。

◆お2人の強み、「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょうか?

浜田:今年は関西の賞レースで2度の優勝(『ABCお笑いグランプリ』『ytv漫才新人賞』)を経験できたこともあって、“勢い”が一番あると思っています。

永見:あとは、「一番“見た目がサラリーマン”」ですね。

浜田:サラリーマンて! でも、その視点でいくとけっこうライバルいるよ? 男性ブランコさんとか。

永見:男性ブランコさんは『キングオブコント』で準優勝もしているし、十分華があるやん。僕らはサラリーマンの中でも“華がないほう”で一番やから。

カベポスター(左から永見大吾、浜田順平)©M-1グランプリ事務局

◆ほかのファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

浜田:ロングコートダディさん。お2人の紺の衣装があまりにも格好良すぎて、「僕も紺の衣装にしようと思っていて」と伝えたらOKしてくださったんです。それからスーツの色味もネクタイの柄も、ほぼロングコートダディさんと一緒。まさか同じM-1決勝の舞台に立つことになるとは、思ってもいなかったんです。衣装がかぶるので意識もしていますし、申し訳ない気持ちもあります。

永見:僕はキュウさんです。ネタがすごい好きで。好きだからこそ勝ちたい気持ちもあります。特にぴろさんは、名前に半濁点が入っている部分が憧れで。

浜田:そこに憧れてるの!?

永見:そう。僕も名前に半濁点が欲しいと思っているんですが、濁点が多くて半濁点を入れる余地がないんです。だから、今回をきっかけに「永ぴ大吾」にしようかなと。それくらい意識しています。

浜田:僕の名前(順平)にはすでに半濁点があるので、ぴろさんのことはなんとも思っていないです。

◆敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビは?

永見:オズワルドさんです。

浜田:そうやな。大阪の賞レースでも何度も負けてきて、勝てるイメージがないんです。ふだんライブでご一緒させてもらうときもめちゃくちゃウケているので、まさに脅威ですね。

永見 特に、伊藤さんだけはちょっと勝ち上がってほしくないと思っています(笑)。

浜田:え!? なんで?

永見 伊藤さんって勝ち上がった後のセリフが腹立つやん(苦笑)。

浜田:そうかなあ(笑)。僕は以前、伊藤さんに7万円くらいのコートを頂いたこともあるので、ぜひ勝ち上がってほしいです。

永見:ぐう。やっぱり腹立つなあ(笑)。

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

浜田:年内に引越しを予定しているんです。ルームシェアからひとり暮らしになるので、ドラム式洗濯機とか、エエ感じの掃除機とか。新生活資金と引越し費用に使いたいです。

永見:僕もちょうど引越しを考えているんですが、家電のことまでまだ考えていなくて。引越しって住んでみないことには分からないことが多い。町の雰囲気の合う・合わないもありますし。なので、500万円もらったら引越しをミスったときに、もう一回引っ越せる。“捨て引越し”が可能になるな、と密かに思っています。

浜田:その引越し、必要ある!?

カベポスター(左から永見大吾、浜田順平)©M-1グランプリ事務局

◆優勝後にM-1チャンピオンとして冠番組を持てるとしたら、どんな番組にしたいですか?

浜田:いい感じで力を抜けるくらいが、自分たちの良さが出ると思っているんです。何がいいかなあ。あ、夜の12時30分から10分間、寝る前の僕らのパジャマ姿を映す番組。

永見:それ、スターすぎひん? めっちゃスターじゃないと誰も観ぃひんやつやで。

浜田:だって、マジで楽やん。月〜日の帯番組で。

永見:月〜日って休みない! しかも、毎晩12時30分に寝なアカンやん。しんどいって!

浜田:最初だけや。最初はしんどいかもしれへんけど、生活が規則正しくなって快調に過ごせるようになるで。番組タイトルは『就寝!カベポスター』で。

永見:それはマジでイヤや! 昼ごはんにしようや。昼の12時30分にごはんを僕らが食べているのを映す番組。

浜田:え!? 昼ごはんの時間が毎日決まってしまうやん。それはイヤやわ。

永見:でも、毎日無料でお昼ごはん食べられるし、めちゃイイって! タイトルは『カベランチ』で!

浜田:イヤやて! 昼はみんなで一緒に食べたいやん。

◆では、優勝した暁に昼か夜かを決めていただくということで……

浜田・永見:イヤやて!!

◆最後に、決勝へ向けた意気込みを聞かせてください。

浜田:何よりも、悔いのないようにがんばります! もちろん目指すは優勝ですが、敗れたとしても、観てくださったみなさんに「カベポスター面白かった」と思ってもらえるようなパフォーマンスをしたいと思っています。

永見:商店街のみんな、オレ頑張るからな!

浜田:どこの商店街? 商店街背負ってんの!?

●text/松田優子

カベポスター(左から永見大吾、浜田順平)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2022』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット ※生放送
2022年12月18日(日)午後6時34分 〜10時10分

『M-1グランプリ2022 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月18日(日)午後2時55分〜5時25分 ※一部地域を除く

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

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