【M-1ファイナリストカウントダウン(9)】ウエストランド/2年ぶりの決勝「M-1の悔しさはM-1でしか晴らせない。“歴史を塗り替える気持ち”は一番強い」

特集・インタビュー
2022年12月17日
ウエストランド(左から井口浩之、河本太)©M-1グランプリ事務局

漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年も開催される。昨年は“2人合わせて93歳”のコンビ・錦鯉が優勝という驚きをもたらし、その後のテレビ出演も激増。この1年で大きく躍進し、日本中に大きな笑いと希望を振りまいた。また、昨年のファイナリストからはランジャタイやモグライダーなど、何組もの芸人が飛躍を遂げた。

今年のファイナリスト9組はいわゆる“常連組”がおらず、決勝初進出が5組、2度目の決勝進出が4組のフレッシュな顔ぶれ。TV LIFE webでは、毎日1組ずつファイナリストのインタビューをお届けしていく。

いよいよ決勝を明日に控え、カウントダウンのラストを飾るのはウエストランド。一昨年、2020年に初めて決勝に進出するも、井口いわく「10位よりもウケていない9位」と苦い思いが残る。今年は初の決勝進出を果たしたキュウとともに、実に20年ぶりとなる吉本興業以外の事務所からの同時決勝進出という快挙を果たした。

そのキュウが「今年は2組で行ける気がしていた。それくらいウエストランドも仕上がっているのを見てきた」と語るほど、かける思いが強い2人。「最下位経験からの優勝」という“マヂカルラブリーパターン”のごとく、逆襲で2020年の悔しさを払拭したい。


◆2回目の決勝進出、おめでとうございます。まずは今のお気持ちを聞かせてください。

井口:ホッとしたのが一番ですが、「ここから大変!」ということを僕たちは知っているので、浮かれることなくしっかりと地に足をつけて、気を引き締めていかなきゃと思っています。決勝で結果を出さないと、意味がないと思っているので。

河本:横で見ていて今年は、相方がすごく調子良くて。準々決勝で勝手に手応えを感じていたんです。

井口:なんで“横で見ている人”になってんだよ!

河本:(笑)。予選でも準決勝でも、みんながみんなウケていたので、決勝に出られてホッとしているのが本音のところです。

井口:確かに、準決勝はホントみんなウケていたよね。実際に舞台は見れなかったけど、漏れ聞こえてくる大爆笑を聞いてプレッシャーを感じていました。準決勝の会場は盛り上がっていたし、お客さんの温かい空気感もあってすごく良かったです。

◆今年の準決勝までを振り返ってみると、いかがでしたか?

井口:今年は久しぶりに1回戦からの出場でしたが、1回戦でも緊張するし手は抜けないのがM-1だと改めて感じました。毎年本当に厳しい戦いなので、早く終わってくれという思いもありましたが、例年より勝負のネタを早めに決めることができたので、これまでで一番強気で臨めたと感じています。

河本:僕は予選でネタをずっと間違え続けていたので。相方のリカバリー力がかなり上がったと思います。相方という大船に乗った気持ちで乗り越えられました(笑)。でも、準決勝では間違えることなくできたので、この調子のまましっかりと地に足をつけて決勝に臨みたいと思います。

◆お2人の強み、「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは何でしょうか?

井口:今回のファイナリストの中では、僕らが一番悔しさを知っていると思っています。2020年に決勝には出ましたが、10位よりもウケていない9位で終わったので。ただその時に、マヂカルラブリーさんがまさに決勝で最下位を取った(2016年)後に、しっかりと気を引き締めて優勝した場面を目の当たりにしているんです。そういう意味でも、僕らが誰よりも怖さや悔しさを知っているので、今回逆襲したい。「歴史を塗り替える気持ち」は一番強いです。

ウエストランド(左から井口浩之、河本太)©M-1グランプリ事務局

◆ほかのM-1ファイナリストの中で意識しているコンビはいますか?

井口:同じ事務所(タイタン)のキュウが一緒に決勝進出できたのは本当にうれしいです。東京の事務所で、吉本興業以外から2組が決勝に出るのは初めてのことだと思うので。良かった……という思いもありますが、ここからはライバルになるので、厳しい戦いになりますね。

河本:キュウはタイタンに入る前からずっと大好きなコンビで、ファンだったんです。なのでずっとマネージャーさんに「キュウがおもしろいですよ」と話していたら、タイタンに入ることになったんです。シンプルにキュウを応援していたので、純粋にうれしいですね。

井口:どういう立場なの!? これから決勝で戦うんだよ!

河本:厳しい戦いになりますが、相方がやってくれると思います。

井口:お前もな!!

◆敗者復活で勝ち上がってきたら脅威になると感じるコンビは?

井口:みんな勢いを持って上がってくると思うので、全員が脅威です。ただ、一緒にライブをやってきたヤーレンズやママタルト、ストレッチーズ、それにお世話になっているかもめんたるさんは、もちろん脅威ではありますが決勝の舞台で戦ってみたい思いもあります。

河本:脅威なのはニュースターの登場だと思っています。ニュースターによる旋風が吹き荒れたらかなり厳しいですね。ただ、今年の敗者復活はミキさんやオズワルドさんなどの売れている人気コンビもたくさんいますし、どこが上がってきても脅威になることは間違いないです。

◆優勝すると賞金1000万円です。どう使いますか?

井口:引越しをしたので、賞金で部屋を充実させて、モテる部屋にしたいですね。さすがにM-1で優勝したらモテると思うので、とにかく“モテ部屋”にしたいです。今回もモテたい気持ちだけは誰にも負けないです!

河本:僕は娘が2人いるので、愛する家族のために使いたいですね。2020年の決勝後に、相方の仕事ばかりが増えてコンビの仕事は徐々に減ってしまって。今は井口が僕の家族を支えてくれているようなものなので、優勝して家族をしっかりと養えるようにしたいです。

ウエストランド(左から井口浩之、河本太)©M-1グランプリ事務局

◆優勝後にM-1チャンピオンとして冠番組を持てるとしたら、どんな番組にしたいですか?

井口:仲のいい芸人たちと、着飾らず気を張らなくてもいい旅番組をしたいですね。コンビではなくて、僕と仲のいい芸人と。

河本:え!?

井口:仲のいい芸人たちもどんどん忙しくなってきて、なかなか遊ぶ時間も取れないので、のんびり旅ができる番組にしたいです。

河本:いやいや、コンビで冠番組っていう話だよ?

井口:え!? コンビか……。だったら、タイタンのメンバーで冠番組をしたいです。もし爆笑問題さんも一緒にやれたら、うれしいし楽しいですね。

河本:僕は相方以外の人とはあまり絡みがうまくないので、相方と2人で旅番組がしたいです。

井口:やだよ、コンビで旅番組は!

◆最後に決勝へ向けた意気込みを!

井口:前回の決勝戦での“忘れ物”……私物全部を置いてきてしまったくらいの悔しさがあるので、取り返すだけでなく、しっかりと結果も出したいと思います。M-1の悔しさはM-1でしか晴らせないので、優勝を目指してがんばります!

河本:2020年は、ファイナリストになっただけでもスゴイじゃん! という思いがありました。でも、実際出場してみたら、何よりも自分のパフォーマンスのひどさに本当に悔しい思いをしました。相方にもずっと心配されていましたし。今回は相方に心配をさせないように、気持ちをしっかりと作って決勝でも勝ちたいと思います!

●text/松田優子

ウエストランド(左から井口浩之、河本太)©M-1グランプリ事務局

番組情報

『M-1グランプリ2022』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット ※生放送
2022年12月18日(日)午後6時34分 〜10時10分

『M-1グランプリ2022 敗者復活戦』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月18日(日)午後2時55分〜5時25分 ※一部地域を除く

『M-1グランプリ2022 アナザーストーリー』
ABC・テレビ朝日系列全国ネット
2022年12月26日(月)午後11時15分〜深夜0時15分

番組公式HP:https://www.m-1gp.com/

©M-1グランプリ事務局