『僕とロボコ』チョコレートプラネット・松尾駿インタビュー「僕にとってのロボコは長田さんかも」

特集・インタビュー
2023年04月02日
『僕とロボコ』
『僕とロボコ』©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会

昨年12月に放送が始まって以来、日曜の深夜に笑いを巻き起こしているショートアニメ『僕とロボコ』(テレビ東京系 毎週(日)深0・30~0・35)。「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気ギャグ漫画が原作で、メイドロボのロボコが小学生のボンドに仕える姿をコミカルに描いた作品だ。膝は“ナッパ似”で家事も料理もできない、規格外な行動ばかりのロボコだが、ボンドやその友人たちに慕われて大活躍する。そのロボコを好演しているのが、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿さん。声がハマっているだけでなく、見た目も激似と評判の松尾さんに、ロボコ役への思いを聞きました。

◆ロボコ役の反響はいかがですか?

僕がロボコの声を担当することが発表されたとき、今までの仕事の中で一番と言っていいくらい、たくさんの反響があったんです。「こんなにすごいんだ!」と。相方の長田(庄平)さんも、僕が声優として出演することは知っていたんですけど、まさか主役のロボコ役だとは思わなかったみたいで。「ロボコかい!」と驚いていました(笑)。エゴサーチをしたら好意的な意見が多かったので、ホッとしました。

◆昨年の「ジャンプフェスタ2023」で松尾さんがロボコのコスプレをして登場したときも、大きな話題になりました。

もともとは周りのキャストさんが「松尾さんとロボコって似てますね。ロボコの格好をして出たらどうですか?」と提案してくれたのがきっかけだったんです。「なるほど」と思って衣装を用意してもらって、いざ着替えてみたら、我ながらあまりにも似ていて…。普通は似るとうれしいはずなんですけど、似すぎていて逆に恥ずかしくなっちゃったという(笑)。まぁでも、これならいつ実写化になってもイケますね。ロボコも僕も実は目がきれい、丸顔、団子っ鼻と、共通点が多いので。ここまで近かったら、そりゃ似るだろうなと思います(笑)。

『僕とロボコ』
『僕とロボコ』©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会

◆松尾さんで実写化、ぜひ見てみたいです(笑)。

そうなったら相当お金がかかるでしょうね。CGがないと無理ですから。1話の、ロボコに追突したトラックが真っ二つに割かれるシーンなんて、CGにするにしたって大変でしょうし。その上、ロボコは家をボロボロにするし、ビームを放つし、膝から旗も出すし。みんなを乗せて飛ぶシーンとか、どうするんだろう…。僕としては、できることなら全部やりたいですけどね。

◆そもそも原作はご存知だったんですか?

以前、(原作者の)宮崎(周平)先生にインタビューする機会があったんです。そのために読み始めたら、すごく面白くて。ギャグ漫画って大人になったら笑えなくなるのかなと思っていたんですけど、全然そんなことはなかったですね。そのインタビューの中で、宮崎先生が「アニメ化が夢だ」とおっしゃっていたんです。だから、「もしアニメ化するなら、ぜひ僕を使ってください!」とお願いしたんですけど、まさか実現するなんて。とても光栄です。

◆放送をご覧になって、ご自身ではどう感じていますか?

とにかくスピード感がすごい。それでいて、ギャグがちゃんと笑えるところがいいですよね。一瞬も沈黙がないんじゃないかというくらい、常に誰かがしゃべっていて。「倍速で見ているのかな」と思うくらい(笑)。でも、演じる身としては大変です。あのテンポに食らいついていくのに必死で…。

『僕とロボコ』
『僕とロボコ』©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会

◆キャスト発表時、アフレコについて「今まで経験したものとは比べ物にならないくらい大変」とコメントされていましたが、大変なのはやはりそのスピード感ですか?

そうですね。しかも、ロボコはキャラクターや感情がコロコロ変わるので。アニメ声優のお仕事は今までも何度か経験させてもらいましたけど、今回はそこが大きく違いました。でも、演じ続ける中でどんどんロボコに愛着が湧いて、今は楽しくなってきています。

◆ロボコを演じる上で心掛けていることは?

テンポこそ速いですけど、声のトーンは普通にするようにしています。最初はアニメっぽい感じにしようとしていたんです。そしたら監督から「あまり作りすぎないように」と言われて。なので、素に近い感じでしゃべっています。

『僕とロボコ』
『僕とロボコ』©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会

◆ボンド役の津田美波さんとの共演はいかがですか?

津田さんは僕に声優のイロハを初歩的なことから全部教えてくださいます。「声を入れるタイムがここに出るので、それを見ながらせりふをしゃべってください」とか、「しゃべり出すタイムは台本のここに書くといいですよ」とか。僕にとって、師匠のような存在です。劇中では、ロボコはギャグを言いっ放しで、その一つ一つにボンドがツッコミを入れていく。津田さんはそのときの笑いの“間”みたいなものも上手で、さすがプロの声優さんだなと思います。僕に教えつつ、ツッコミもしつつで、普段のアフレコの倍は大変でしょうけど(笑)。

◆でも、松尾さんだってかなり大変ですよね?

あるとき、僕が津田さんに「声優さんって大変ですね」と言ったら、「普通のアニメでこれだけ速いテンポはそうそうないので、この作品についてこられたら何でも大丈夫だと思いますよ」と言ってくれて。そうやって慰めてもらいながら演じています(笑)。

◆(笑)。ちなみに、自分にもロボコがいてくれたらいいなと思いますか?

うーん…、僕は何でも自分でやっちゃいたいタイプなので、片付けとかは、ロボコがいると逆に面倒くさいことになりそうですよね。そもそもロボコはよく散らかしますし、ロボコが何かするといろいろとごちゃごちゃするので、あまり余計なことはしないでほしいです(笑)。あ、でもある意味、僕にとってのロボコは長田さんかもしれません。ネタを作ってくれるし、車に乗せてもらえるし、運転もしてくれますし(笑)。本当にありがたい存在です。

PROFILE

松尾駿
●まつお・しゅん…1982年8月18日生まれ。神奈川県出身。O型。2006年に長田庄平とお笑いコンビ・チョコレートプラネットを結成。『有吉の壁』(日本テレビ系)、『新しいカギ』(フジテレビ系)、『チョコプランナー』(テレビ朝日)などに出演中。映画「クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」などで声優にも挑戦している。

作品情報

『僕とロボコ』
『僕とロボコ』©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会

『僕とロボコ』
テレビ東京系
毎週(日)深0・30~0・35

<STAFF&CAST>
原作:宮崎周平
監督:大地丙太郎
アニメーション制作:ぎゃろっぷ
声の出演:松尾駿、津田美波、置鮎龍太郎、武内駿輔、M・A・O、平塚紗依、
三石琴乃、水瀬いのり ほか

2023年8月2日(水)、全28話収録のBlu-rayの発売が決定。
映像特典として、大地丙太郎監督が全話全キャラ全効果音を演じているVコンテも収録。

●text/篠崎美緒
©宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会