武田梨奈が語る“お酒が教えてくれたこと”「大人になっても楽しいことってたくさんある」『ワカコ酒 Season7』

特集・インタビュー
2023年08月07日
『ワカコ酒 Season7』
『ワカコ酒 Season7』武田梨奈Ⓒ新久千映/コアミックス Ⓒ2023「ワカコ酒7」製作委員会

『ワカコ酒 Season7』(BSテレ東/BSテレ東4K 毎週月曜 深夜0時~)で主人公の村崎ワカコを演じる武田梨奈さんにインタビュー。Season7の見どころや、ワカコの母親役として登場する島崎和歌子さんの印象、お酒の魅力などを聞きました。

本作は、「酒飲みの舌」を持って生まれた26歳のOL・村崎ワカコ(武田)がさまざまな酒場をさすらい、女一人酒を堪能するドラマシリーズ。累計300万部(紙・電子合計/既刊20巻)を超える新久千映の「ワカコ酒」(月刊コミックゼノン連載/コアミックス)を原作とし、ドラマシリーズは本作で7作目を迎える。

酒飲みなら訪れたい魅力的な店の数々に加え、今回は地方ロケも敢行。兵庫県の回では、競り見学ツアーや食べ歩き、酒蔵見学を通して明石市・姫路市の食や文化を体感。また、今年で誕生150周年を迎える千葉県の回では、館山市・南房総市の穏やかな気候を感じながら、ご当地グルメを堪能する。

◆Season7が決まったときの心境はいかがでしたか?

ここまできたんだなといううれしさと、皆さんに早く届けたいという気持ちがすごく強かったです。

◆今回に懸ける思いを教えてください。

今回でSeason7ということで、全部合わせると80話以上お話があって。毎話日常を描いている作品でもあるのですが、その中でも今回の1話は別れのシーンから始まりました。斬新だなと思いますが、それがマイナスなことではなくて、別れを通じて新たな絆が生まれたり、ワカコの気持ちの成長につながったり。日常の中に起きる小さな出来事が、またお酒をおいしくさせてくれるなと台本を読んでいて感じました。皆さんも日常でいろいろな出会いや別れがあると思いますが、その中でもお酒が寄り添ってくれるということを感じていただけたらなと思います。

◆ドラマが始まった当初、武田さんはお酒が得意というわけではなかったとのことですが、今は好きになったと伺っています。今の武田さんにとってお酒を飲む時間というのはどういったものでしょうか?

日常的なところで言うと、仕事終わりや稽古終わりにお酒を飲むのが日々の癒やしの一つになっています。それは1人の時間の中でのお酒ですが、最近は少しずつ人と乾杯することができるようになってきて、お酒や食べ物のおいしさを人と共有するという幸せをあらためて感じることができているので、自分にとって本当になくてはならない時間だなと。年齢を重ねてきて、大人になっても楽しいことってたくさんあるんだな、というのをお酒が教えてくれたと思います。

◆夏の放送は今回が初めてですが、ドラマの印象の変化や特別な感じはありましたか?

すごく夏を意識しているというわけではなかったのですが、出てくる食べ物やお酒がわりと「夏に見たらたまらないだろうな~」というものがそろっていました。映像を見ながらアフレコをしていると、喉は渇くしおなかは鳴るしで(笑)。自分で演じていたはずなのに、客観的に見て「あ、食べたい!」とまたなったので、見てくださる皆さんもきっと同じ気持ちになっていただけるのではないかと思います。

◆特に印象に残っているお酒やつまみはありますか?

お刺身の盛り合わせなども出てくるのですが、ワサビをつけてしょうゆをつけて…といういつもの食べ方ではなく、店主にお薦めしていただいた塩とすだちとワサビで食べると、いつもとはまた違った味わいで楽しめました。一緒に飲むお酒も組み合わせ次第で変化を発見できるんだと今回のシーズンであらためて感じました。

◆ドラマの役としてだけではなく、実際に武田さんご自身も驚きを感じられているんですね。

そうですね。例えばあまり食べたことがないような食べ物があったりしたときに、食べにくいかもしれないからテストで先に食べてみてもいいですよという話になって。でもやっぱりファーストリアクションを大切にしたいので、本番でやりたいですとお願いしました。実際に食べたときは汁があふれて、具があふれて…ということもあったのですが、それはそれでまた楽しさにもなっていて。ちょっとしたハプニングにも、口にしてみないと分からないという楽しさを感じました。手づかみでお肉を食べたりするシーンもあるんですけど、手をべたべたにさせながら食べるお料理とお酒というのもたまりませんでした。

◆お芝居しながらのお食事というのは難しいところもあると思いますが…。

そうですね。リアルなリアクションを大切にとは言いつつも、モノローグというベースがあるので、ポイントでリアクションを残さないといけないというのもあって。合わせながら、緊張感を持ちつつやっています。

『ワカコ酒 Season7』
『ワカコ酒 Season7』武田梨奈Ⓒ新久千映/コアミックス Ⓒ2023「ワカコ酒7」製作委員会

◆シーズンを重ねてきた中で、ワカコに対する向き合い方やキャラクターの解像度など、最初のころと比べて変化はありましたか?

演じるときにいつも「極力変わらないワカコでいよう」というのを心掛けていて。作品の中ではワカコはずっと26歳のままで、26歳の1人の女性が、日々の仕事終わりに自分をどうやって癒やしてあげるのかという楽しみの一つを描いているので、ワカコ自身は変わらない日常を送っているということをなるべく心掛けています。ただ、シーズンを重ねてくるにつれて、いろいろな地方に行かせていただく中で出合える発見は毎回新鮮に演じて、皆さんに一緒に楽しんでいただけたらいいなと思っているので、変わらない良さと変わる良さを感じながら演じさせていただいています。

◆地方ロケもあったとのことですが、印象深い思い出やエピソードはありますか?

お母さんとの回は千葉県だったのですが、その他に兵庫県にも行かせていただきました。実際にお店の方が出演してくださったのですが、皆さんの人柄が温かくて。別に何もしていないのに、お酒を飲みながらちょっと泣きそうになるみたいな。それくらいのぬくもりに包まれているのが幸せだなと感じました。カメラが回っているときに、台本にはない質問をこちらが投げかけたりするときがあったのですが、そのときに返ってくる言葉が温かく、その方たちの日常から出てくる言葉だったりするので、それをかみ締めながら飲むお酒はすごくおいしかったです。ワカコが「行ってよかった」とせりふで言うのですが、私自身も「ここに来てよかった」と思える瞬間でした。

◆ワカコの母親役として島崎和歌子さんが出演されますが、島崎さんの印象はいかがでしたか?

テレビで拝見している島崎さんそのままといいますか、飾らない人柄で。スタッフ・キャストほとんどがずっと一緒にやっているチームなので、そこに島崎さんが加わるというのはすごく緊張感があったんですけど、気さくに話してくださり、すごく居心地がよくて、安心感がありました。

◆本当にお母さんのような安心感だったんですね。

そうなんです。最初は「私のお母さん!? お若いし…え!?」と思ったんですけど、実際にお芝居をさせていただいたら、「どんと来ていいよ」という空気でいてくださったので、短い撮影の中ではあったものの、良い空気でやらせていただきました。

◆まだ一人酒をしたことがない方たちに一人酒を勧めるとしたら?

私もこの作品をやらせていただくまでは、1人でご飯を食べに行くことはあっても1人でお酒を飲みに行くことがあまりなくて、ハードルを感じていたんですよね。最初は少し抵抗があるかもしれないのですが、一歩その場に足を踏み入れたら、とてもすてきな時間が待っています。お酒と言ってもいろいろな種類があるし、お店も居酒屋さんやバー、スナックなどたくさんあるので、自分に合いそうだなと思ったところにぜひ足を踏み入れてほしいです。自分の知らなかった楽しい世界が待っていると思います。

◆武田さんご自身はどういったお店がお好きですか?

私は居酒屋さんが多いです。1人で飲みに行っている中でも、人の声が聞こえるようなちょっとガヤガヤしている場所の方が温もりを感じて好きです。おしゃれで静かな場所よりは赤ちょうちんが掛かっているようなところですね。

◆Season7では、ワカコが1人で飲むだけではなく人との掛け合いもあるというお話がありましたが、1人で飲むときと、人と飲むときそれぞれの魅力はどんなところにあると思いますか?

1人で飲むときは、自分のペースで飲んで、自分のタイミングで帰れるという気楽さはありますね。自分の好きなものだけ頼んで独り占めできるという時間も好きですし、日頃あった出来事を見つめ直す特別な時間にもなります。でもみんなで飲むとまた違った良さもありますよね。お酒って「乾杯」という言葉がセットでついてくると思うんですけど、コロナ禍を通して乾杯できる幸せをより実感しました。私はお仕事で海外にもよく行くんですけど、言葉が通じなかったり文化が違ったりしても、乾杯できる瞬間に人と人との距離がグッと縮まると思います。お酒と食べ物は世界共通ですし、おいしいという感情はどの国にいても共有できるんだなと。みんなで飲む時間も特別な時間だと思います。

◆今シーズンの見どころを教えてください。

やっぱり一番は“おいしいお酒とつまみ”です。物語で言うと、ワカコがお母さんと一緒に旅行に行く回は私の中ですごく新鮮でした。今までは、メールなどで両親の存在を表現していたのですが、実際にワカコがお母さんと会話をするというのが初めてで。今回は、ただただ自分の世界で楽しんでいるワカコというだけではなくて、お母さんとの掛け合いや今までにない表情などが見られると思うので、親子ってこうだよな、と感じていただけたらうれしいです。

◆最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

このドラマは何か大きな出来事を描いたりするわけではないのですが、日常の疲れを癒やしたり、嫌なことに寄り添ったり、お酒を飲んで自分をリセットするという意味もあります。台本を読んでいて私自身も救われることがたくさんあるので、皆さんも、このドラマを見て1週間の疲れが少しでも癒やされたらいいなと思います。お料理やお酒にはそれくらいの力が本当にあると思っているので、ぜひ気楽に見ていただけたらうれしいです。

PROFILE

武田梨奈
●たけだ・りな…1991年6月15日生まれ。神奈川県出身。AB型。

番組情報

『ワカコ酒 Season7』
BSテレ東/BSテレ東4K<全国無料放送>
2023年7月3日(月)スタート
毎週月曜 深夜0時~

配信:NTT ドコモ「Lemino」で1週間先行
※広告付無料動画配信サービス「ネットもテレ東」(テレビ東京 HP、TVer)では、BSテレ東での放送直後より配信
原作:新久千映「ワカコ酒」(月刊コミックゼノン/コアミックス)
出演:武田梨奈、野添義弘、鎌苅健太、しおつかこうへい、山田キヌヲ、渡部瑞貴 ほか
監督:久万真路、岩渕崇、若林将平、窪田太郎
脚本:阿相クミコ、女里山桃花、久万真路、若林将平
オープニングテーマ:浦小雪「ワンダワンダナイト」(SKID ZERO)
エンディングテーマ:荒井麻珠「メモリィ。」(Purple One Star)
プロデューサー:小林教子(テレビ東京)、湊谷恭史(ダーウィン)、石井光雄(エムロックス)
コンテンツプロデューサー:浅岡彩子(BSテレ東)、髙橋一馬(BSテレ東)、伊知地麻美(BSテレ東)、南竣人(BSテレ東)
制作:BSテレ東/ダーウィン
製作・著作:2023「ワカコ酒7」製作委員会

公式 HP:https://www.bs-tvtokyo.co.jp/wakako_zake/
公式 Twitter:@wakakozake_TV
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