黒沢清×前田敦子「旅のおわり世界のはじまり」予告編&ポスタービジュアル解禁

映画
2019年03月13日

 黒沢清監督の最新作「旅のおわり世界のはじまり」
 黒沢清監督の最新作「旅のおわり世界のはじまり」の公開日が6月14日(金)に決定し、新たなポスタービジュアルと予告映像が解禁された。

 本作は、前田敦子演じる“舞台で歌う”という夢への情熱を胸に秘めたテレビ番組リポーターの葉子が、番組のクルーと取材のためにウズベキスタンを訪れ、異国でのさまざまな出会いによって、新しい扉をひらき、成長していく姿を描く。葉子と行動を共にする番組クルーを加瀬亮、染谷将太、柄本時生が演じる。

 解禁されたポスタービジュアルでは、「私の心は迷子になった。」というコピーとともに、ウズベキスタンの美しい湖や山脈が広がる地に立つ葉子の姿が写し出されている。

 同時に解禁された新たな予告映像では、前田が言葉の通じない異国での葉子の不安や緊張を繊細な表情で伝えている。

 予告映像で流れているのは、エディット・ピアフの名曲「愛の賛歌」。前田は、本作でこの歌の歌唱に挑戦。日本人が建設に関わり、日本とウズベキスタンの友好の証である「ナボイ劇場」での交響楽団の伴奏に合わせた歌唱に加え、クライマックスでは標高2,443メートルの山頂でアカペラの撮影に挑んだ。

 前田は「何が苦しかったというと「愛の讃歌」という歌の壮大さ。あまりにも深く果てしない感情が表現されていて、生半可な気持ちではその世界に負けてしまう。とにかく歌と向き合って、歌詞の1つひとつを真っすぐ届けることだけを考えていました」と話す。

 しばらく歌の仕事から遠ざかっていたため、このシーンに備え、クランクイン前からボイストレーニングに取り組んだという前田は「自分なりにできることはやってきましたが、それでもプレッシャーは大きかった。山頂は想像以上に空気が薄くて、気持ちの余裕はまったくありませんでした」と振り返る。

 撮影本番では、一発OKで知られる黒沢監督が8テイクを重ね、山頂での撮影は5時間近くに及んだという。本編では、現場で収録した生の歌声が使用されている。

「旅のおわり世界のはじまり」
6月14日(金)テアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国ロードショー

<あらすじ>
心の居場所を見失ったら?扉を開く鍵はここにある──
テレビ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。
ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは……?

監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生、アディズ・ラジャボフ
配給・宣伝:東京テアトル

©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO