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『深夜食堂』インタビュー(2)「めしや」常連客“お茶漬けシスターズ”小林麻子&吉本菜穂子インタビュー

『深夜食堂』インタビュー(2)「めしや」常連客“お茶漬けシスターズ”小林麻子&吉本菜穂子インタビュー

劇場版第2弾となる「続・深夜食堂」が現在公開中の『深夜食堂』。ドラマシリーズスタートから約7年がたち、その人気は国内にとどまらず、台湾版、韓国版と世界各地へと広がっている。10月21日からはNetflixにてドラマの第4シリーズにあたる『深夜食堂-Tokyo Stories-』の世界190か国同時オンラインストリーミングが始まった。第1シリーズから登場する、「めしや」の常連客として欠かすことのできない“お茶漬けシスターズ”のルミとカナを演じる小林麻子さん、吉本菜穂子さんに、日本を代表するこのドラマの魅力を聞いた。

バターライスなんて知らなかったのに、
やみつきになってしまって…(小林)

いいものを誠実に作っていたから、
日の目を見ていくのかもしれない(吉本)

『深夜食堂』

◆Netflixで配信される『深夜食堂-Tokyo Stories-』は世界190か国への配信となりますね。

吉本:おかしな感じがしますね、ほんと東京の片隅が舞台で深夜枠にこっそり放送していたので。それが世界でも受け入れられるってやっぱり人間的なものって世界共通なんだなって思いました。面白いですよね。

小林:変な感じ。海外版の『深夜食堂』もあるんですよね、マスターも韓国や台湾版のマスターがいて。

吉本:それも変な感じがするよね、“お茶漬けシスターズ”もいるんだよね。

小林:そう、全然違うキャラクターなの。

吉本:確か韓国版はミュージカルなんかもあるらしくて。お茶漬けシスターズは元気な感じがする。

小林:派手だよね。

吉本:そうだね、そうだね(笑)。

小林:そういうところにお国柄が出ていて面白いね。でも私はかねがね文化とか習慣が異なるヨーロッパの方が見たらすごく面白いだろうなと思っていたので、世界190か国への配信はすごくうれしいです。たくさんの国で見られるだなんて。

『深夜食堂』

◆第1シーズンからお2人は出演されていますが、このような発展をするだろうなとは思っていましたか?

小林:それはしていなかったですね。

吉本:全くしてないです。本当に映画のスタッフが集まって、俳優さんもすごく魅力的な方が集まって毎回毎回いい作品だねって言っていたら、だんだんこう広がっていったっていう感じです。

小林:だけど美術のすごさは一番最初からすごかったよね。これは様子が違うなって。

吉本:いいものを誠実に作っていたから、こういう日の目を見ていくのかもしれないですね。

小林:映画監督がドラマを作っているっていう感じがあったんです。ドラマでも映画を作っている熱量と変わらない感じで撮影していたから、それはうれしいなと思いました。

吉本:だいたい10話目で常連客だけで集まる回があるんですけど、その回がシリーズを追うごとに普通の同窓会のような感じで。撮影前とか空き時間はみんなが集まって、ただ和気あいあいと近ごろの話をしているっていう。ただそれだけなんですけど、それがすごく幸せというかうれしくて。とても居心地がいい現場なんです。

『深夜食堂』

◆劇中に出てくる料理が本当においしそうですよね。実際の撮影でもフードスタイリストの飯島奈美さんが作っていらっしゃると伺いました。

小林:私“バターライス(ドラマシリーズ第1部・第5話)”を食べる習慣がなかったのに、バターライスっていうものを知って真似をしてみたら、やみつきになっちゃって…よくないなと…(笑)。

吉本:私もレシピを飯島さんに聞いて、実際にやりますね。

小林:吉本さんはまめなんですよ。私はレシピをいっぱい聞くけど手はあんまり動かない(笑)。でも『~Tokyo Stories』に出てくる“長芋のソテー”はやった!じゅじゅって。

吉本: 私も!“長芋のソテー”はただ焼いているだけなのにどうしても違うんですよ。それを飯島さんに質問したら、飯島さんは手袋をして手で直接ジュッてフライパンに入れていて。それを聞いてうちでやってもやっぱり違うんですよ。そういうコツってやっぱり自分じゃなかなかわからないから、普通に焼いて塩をやっておしょうゆの順番でやりそうなんですけど、実は油にまずお塩をひいて、長芋を入れてぎゅっと押さえるっていうのを知って。そのひと手間が大事なんですよね。

小林:油にお塩をひくんだ。

吉本:そうそう、初めに。

小林:えー、そうなんだ。飯島さんは特別な食材を買うわけじゃなくて、どこにでも売っている食材でも、ひと手間をかけることでおいしくなるっていうのを最初に聞いたときに感動したな。それって何にでも通じると思って。いい物を買ったからいい物になるわけではないでしょう。

吉本:そうだね。

小林:全然やらないけど、お裁縫やっても何をやっても活きる精神なんじゃないかな、やってないけど(笑)。

吉本:(笑)。

小林:飯島さんの生き方というか考え方がすてきだなと思いますね。

吉本:奇をてらっているわけではなくて。本当に普通にある、身近な懐かしい料理なんだけど、丁寧に作っていて、“そうだ!この料理ってこんなふうにおいしかったんだ”って気づかせてくれます。

小林:『続・深夜食堂』に出てくる“豚汁定食”のときの豚汁は見た目はこれまで食べてきた豚汁だったんだけど、食べたときに入っている野菜がしゃっきりしていて、びっくりしました。煮込み料理なのに野菜がしゃきしゃきしていて。

吉本:本当に何でもおいしいんですけど、『~Tokyo Stories』で何杯もおかわりしたのは最終話に出てくる“お雑煮”がとにかくおいしかった。いつもは私たちお茶漬けを食べているんですけど、お茶漬けのお出汁とはまた違う非常に優しい味なんですね。お茶漬けシスターズは何杯かおかわりしてレシピを聞きました。

小林:下げられちゃうことに異様にもったいなさを感じるよね。

吉本:現場だと“すみません、まだ食べます”って。俳優陣は本番のカットがかかった後もそのままみんな食べているんですよ(笑)。

『深夜食堂』

◆『深夜食堂』は男女問わずはまっている人たちが多いと聞きます。お2人から見て、本作の魅力はどこだと思いますか?

吉本:人に対してあったかいんですよね。目線がとてもあったかい。それこそ大ヒーローも出てこないし、普通の、むしろうらびれた人々ですけど、その人生にスポットライトを一瞬当てる感じがして、しかもその目線は優しい。それを見て明日も頑張ろう、生きていこうって思えるのかもしれないですね。

小林:世間ではダメっとされているようなキャラクターでもね、いざ“めしや”に来ると大丈夫かもしれない。

吉本:ちょっと安心するんですよね(笑)。

小林:松岡監督は優しい人だから人の痛みが分かるんじゃないですかね。作品の中にその眼差しが反映させているなって、最初に映画が出来上がったときにすごく感じました。監督は演出していてもものすごく気を使われて繊細で、なおかつ的確。人を見る目線が深いんだろうなって思います。

『深夜食堂』

◆松岡監督がシリーズを通じて監督をされていますが、話数によっていろんな監督が演出をされています。

小林:監督が変わると雰囲気は変わりますよね。

吉本:『~Tokyo Stories』は結構監督の違いを感じました。いい意味でそれぞれの監督の世界も結構出ているなと思いました。

小林:私は参加していないんですけど、大森立嗣監督(『深夜食堂-Tokyo Stories-』第5話)のは感じましたね。

吉本:私も!テイストがいきなり男くさい感じになっていて。

小林:『深夜食堂』なんだけど、食堂のシーンが少なかったってこともあるけど。

吉本:子供の撮り方とか。

小林:すごくワイルドに撮っていて。でも『深夜食堂』になっている。

吉本:ね、でもちゃんと『深夜食堂』。『~Tokyo Stories』では松岡監督の作品が、すごく久世(光彦)さんじゃないですけどキュートだなって思って。1話から10話まで続けて見たときに、それこそ大森監督の作品もあれば、松岡監督がこうふっと安心するように撮れば、若い脚本の方とか何人がいいお話も書かれていて、なんかいろいろ個性があるんですよね。

小林:バラエティ豊かで面白かったね。なんか他人事のようだけど(笑)。

吉本:ね。そうなのよ、でも10話まで見るとまたしゅっとまとまっていて、今回の『深夜食堂-Tokyo Stories-』いいシリーズになっています!

 

■PROFILE

小林麻子
●こばやし・あさこ…1972年3月21日生まれ。埼玉県出身。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。代表作に『ショムニ』(98年)、映画「大阪物語」(99年)、「波」(01年)、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年)、「となり町戦争」「「深夜食堂」(15年)など。

吉本菜穂子
●よしもと・なおこ…1977年7月8日生まれ。埼玉県出身。97年に早稲田大学演劇研究会に入会し、98年「劇団チャリT企画」の旗揚げに参加。04年に退団するまで看板女優として活躍。代表作に映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年)、「歓喜の歌」(08年)、「まほろ駅前多田便利軒」(11年)、「私の男」(14年)、「深夜食堂」(15年)、16年・大河ドラマ『真田丸』(NHK総合ほか)など。

 

■作品情報

『深夜食堂』Netflixオリジナルドラマ
『深夜食堂-Tokyo Stories-』
2016年10月21日より190か国で全10話一挙独占配信中

主演:小林薫
常連客:不破万作、織田俊樹、安藤玉恵、山中崇、谷村美月、篠原ゆき子、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、平田薫、宇野祥平、金子清文、中山祐一朗、吉見幸洋、高橋周平、中沢青六、野嵜好美、松重豊、光石研、多部美華子、余貴美子、オダギリジョー

ゲスト出演:片岡礼子、近藤公園、佐藤B作、新井浩文、伊藤麻実子、矢本悠馬、岡田義徳、コ・アソン、豊原功補、森下能幸、宮下順子、戌井昭人、緒川たまき、風間トオル、志賀廣太郎、平田満

原作:安倍夜郎 監督:松岡錠司、山下敦弘、大森立嗣、小林聖太郎、野本史生、吉田康弘
フードスタイリスト:飯島奈美

Netflix公式サイト:https://www.netflix.com/jp/

©2016安倍夜郎・小学館/ドラマ「深夜食堂」製作委員会

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