窪塚洋介が20年ぶりにドラマ出演「ここ10数年で1、2を争う過酷な現場」『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』

ドラマ
2022年03月16日
上段左から)滝藤賢一、村上虹郎、荒川良々、奈緒、リリー・フランキー、村上淳、竹原ピストル、夏帆、若葉竜也、柄本時生、玉山鉄二、田中直樹、加藤諒、窪塚洋介

4月から8月にかけて放送予定の『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』(BSプレミアムほか)。6月以降の放送に、滝藤賢一、村上虹郎、荒川良々、奈緒、リリー・フランキー、村上淳、竹原ピストル、夏帆、若葉竜也、柄本時生、玉山鉄二、田中直樹、加藤諒、窪塚洋介の出演が決定した。

言わずと知れた“ショートショートの神様”、星新一。生涯にわたり発表された1001編を超える作品は教科書にも掲載され、いまなお読みつがれている。世代を超えて愛されるその魅力は“宇宙”“ロボット”“悪魔”など、不思議でワクワクするSFやファンタジーの要素。

また、人間や社会に対する「おかしみ」や「皮肉」をまじえた目線。そして何より、短くもあっと驚かされる魅力的な物語が綴られている。そんな、星の珠玉の作品の数々の中で描かれたどこかにありそうでどこにもない世界を舞台に、人間の欲望や不安を見つめた決して古びることのないエピソードを、令和ならではの視点や最新技術で再構築していく。

以前発表された4、5月の放送を彩る出演者に続き、今回は第2弾として6月以降の放送のラインナップと出演者が発表された。滝藤賢一/村上虹郎(『白い服の男』)、荒川良々(『ものぐさ太郎』)、奈緒/リリー・フランキー(『窓』)、村上淳(『凍った時間』)、竹原ピストル/夏帆(『夜と酒と』)。

さらに、若葉竜也(『ずれ』)、柄本時生(『もてなし』)、玉山鉄二(『鍵』)、田中直樹/加藤諒(『買収に応じます』)、窪塚洋介(『処刑』)と、いずれもドラマや映画で活躍する演技派・個性派ぞろい。

彼らが「“平和”を守る特殊警察」「悪魔」「サイボーグ」「人生に絶望した男」「宇宙の果てに送られた死刑囚」といった、星新一ワールドの住民たちをどのように演じていくのか注目だ。

なお、窪塚は本作が約20年ぶりのテレビドラマ出演となる。さらに、本作では怒髪天の増子直純や新日本プロレスのオカダ・カズチカが『ずれ』に出演するなど、異色の顔ぶれも。玄田哲章、中尾隆聖、野沢雅子、千葉繁といったレジェンド級の声優陣が参加する『ものぐさ太郎』では、彼らがどんな役柄なのかも注目が集まる。

発表にあたり、星新一の次女・星マリナは「『ボッコちゃん』から『処刑』まで、毎回あらたな驚きと感動がありますように。そして制作にかかわった多くの方たちの、それぞれのドラマにこめた思いが、みなさまに届きますように!」と期待のコメントを寄せている。

また、『窓』に出演するリリー・フランキーは「今の日本のドラマには余りない、耳の痛いアイロニーが効いた作品に参加できて楽しかったです。ここに描かれた人間の虚栄や承認欲求は、原作の頃よりもSNS時代の今のほうが、より他人事じゃないのかもしれません」と。

『処刑』に出演する窪塚洋介は「現場はここ10数年で1、2を争う過酷な(文字通り極寒の)現場だったが、扱うテーマの根源や皆の思いが滲み出すような研ぎ澄まされたものになった。まだ完成を観てはいないけれど、すでに胸を張ってO.A.を心待ちにしています。今この時代に『処刑』という今作が、如何なる響きをもたらすか楽しみで仕方がないです」と思いを語った。星マリナと全出演者からのコメント全文は、次ページに掲載。

星新一の次女・星マリナ コメント

父の小説には、つづけて読むことで気づくことがあります。それは、カードをひっくりかえして裏面を確認したあと、それをもう一度ひっくりかえしたら、もとにもどらずにまた別の面がでてくるような…。『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』をご覧になる方たちにも、『ボッコちゃん』から『処刑』まで、毎回あらたな驚きと感動がありますように。そして制作にかかわった多くの方たちの、それぞれのドラマにこめた思いが、みなさまに届きますように!

滝藤賢一 コメント

(星新一作品は)まるでファンタジーのようで、ありそうでない、いや、なさそうであるんじゃないか、というリアリティーを感じます。今回私が参加した『白い服の男』も、なんとも不思議な世界。この作品のために作られた衣装がまた、星新一ワールドの絶妙な違和感に拍車をかけ、物語に深く導いてくれます。虹郎君とのセッションで生まれたこの圧倒的な世界観を、ぜひ多くの方に楽しんでいただけたらうれしいです。

村上虹郎 コメント

この作品は短い文章の中に確固たるテーマがあって、ドラマを見てくださる人にもガツンと伝わるものがあるんじゃないかと思います。滝藤さんとしっかりと対面するのは今回が初めてで、インパクトのある役や狂気的な役のイメージがあったんですけど、すごくフランクな方で楽しかったです。そんな滝藤さんがとにかくかっこよくて、とにかくしゃべる、そこも見どころです。

荒川良々 コメント

星新一さんの『ものぐさ太郎』に出演します。小生ももともとものぐさでございましてまさにピッタリの役でございました。とはいえベッドの上という宇宙で相手役は主に固定電話だけで物語が進行していきます。原作の星新一さんも言わずもがなですがこれをドラマにしようと思ったスタッフの方々の勇気! そして小生をキャスティングしたセンスの良さ! どこをとってもオモシロ要素しかありませぬ。NHK万歳!

奈緒 コメント

ショートムービーは短いからこそ、いつも余韻が長く残ります。「窓」は救いようのないお話かもしれません。客観的に感じていたこの短いお話が、気がつけばジワジワと自身に歩み寄っている感覚にはヒヤリとしました。実は現場でチラリと違う作品のお話もお聞きしまして…イチ視聴者としてどの作品も楽しみにしています。おそろしく、引き込まれる星新一さんの世界、皆様に“テレビ”という“窓”から覗いていただけますように。

リリー・フランキー コメント

世代的に、僕らの10代の頃は皆んな星新一を読んでいました。多分、その経験がなければ僕は物書きになったりしてなかったでしょう。そんな星先生の原作、しかも今の日本のドラマには余りない、耳の痛いアイロニーが効いた作品に参加できて楽しかったです。ここに描かれた人間の虚栄や承認欲求は、原作の頃よりもSNS時代の今のほうが、より他人事じゃないのかもしれません。

村上淳 コメント

“世界観”の共有こそ我々エンターテインメントに携わる者の歓びなのではないでしょうか。見終わった後にふと明日がんばろうと心がスンとしたりすること。この世界は思っている以上に美しいと何度目かの望月組を終えてみると改めて思います。視聴者の方々が“何か”を感じとっていただけたら最高です。どうぞよろしくお願いいたします。

竹原ピストル コメント

(いつもそうですが、)とても緊張しました。でも監督をはじめスタッフの皆様、夏帆さんをはじめご一緒させていただいた役者の皆様がことごとく優しくて、それに勇気づけられつつ、ときに甘えつつ、精一杯参加させていただきました。危うく、悲しく、虚しく、救いようがなく映ったならば、うれしいです。精進します。

夏帆 コメント

星新一さんのシュールな世界に身を置くことができて、贅沢な時間でした。今回わたしが演じた“青い服の女”は、竹原さん演じる“男”の理想の女性の具現化で、いかに魅力的に惑わすことができるのか…悩みながらも楽しく演じさせていただきました。竹原さんの哀愁ただよう佇まいと、どこか手を差し伸べたくなるようなチャーミングなお芝居がまさに“男”そのもので、とってもすてきでした。

若葉竜也 コメント

小説を読むとき、多少なりとも結末はこうなるんじゃないかなとイメージしながら読むんですが、星新一作品はその想像を超えてくる。それは快楽というか快感に近い感じがして、そこが魅力だと思います。また、他の作品も、とんでもない役者の方々が出演されていて、僕も一視聴者としてすごく楽しみなドラマです。

柄本時生 コメント

短編であまりこういったテイストの作品をやったことがなく、とても楽しい時間を過ごせました。有り難う御座いました。

玉山鉄二 コメント

こういうSF作品というか、ファンタジックな作品に出演することがあまりなかったので、どういう作品になるか楽しみでもありました。この作品もそうですが、星新一作品はシュールさがあり、でも奥が深くて、それぞれのキャラクターもしっかり立っていて。終わり方が独特というか、いい意味ですっきりしない感じというか、そういう部分が作品の魅力じゃないのかなと思います。

田中直樹 コメント

若手の頃、コント作りの参考になるからと、先輩に勧められて読んだのが星さんの作品でした。ユニークな設定とエッジの効いたオチ。夢中になっていろんな作品を読みました。この『買収に応じます』も、まさかまさかのオチが待っています。これを50年程前に書かれていたかと思うと改めてそのすごさに驚かされます。

加藤諒 コメント

中学の朝読書時間で「星新一ショートショート」を読んでいたこともあり、今回出演させて頂けて、大変光栄でした。『買収に応じます』は「ショートショート」の中でも2ページという短めな作品ですが、その短さの中でも、男と死神がとても魅力的に描かれていたので、演じさせて頂くことが楽しみでした。田中直樹さん演じる男と僕が演じます死神の駆け引きを楽しみにご覧下さいませ。

窪塚洋介 コメント

昨年末、久しぶりにかっきー(柿本ケンサク)と西麻布で呑んでいた時に、積もる話も済んだ頃に彼がふと話し出した来年の話。いつも通りさりげなかったが、とても気になるものがあった。その理由は、柿本ケンサクが監督であることと、それが自分にとって久しぶりのテレビドラマであること。そしてもちろん、“星新一”さんの作品であること。台本を読んで決めてほしいという彼の気遣いもそっちのけで、前のめりだったのは酒のせいでないことは言うまでもない。現場はここ10数年で1、2を争う過酷な(文字通り極寒の)現場だったが、扱うテーマの根源や皆の思いが滲み出すような研ぎ澄まされたものになった。まだ完成を観てはいないけれど、すでに胸を張ってO.A.を心待ちにしています。今この時代に『処刑』という今作が、如何なる響きをもたらすか楽しみで仕方がないです。

番組情報

『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』
BSプレミアム・BS4K 同時放送
2022年4~8月放送 毎週(火)後9・45~10・00

©NHK