『鎌倉殿の13人』新納慎也、宮澤エマが語る全成&実衣の夫婦愛「言葉では表現できないレベルで引かれ合っていた」

ドラマ
2022年08月07日
『鎌倉殿の13人』左から)阿野全成(新納慎也)、実衣(宮澤エマ) ©NHK

現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜 午後8時〜8時45分ほか)で、阿野全成役を演じる新納慎也と、その妻・実衣役を演じる宮澤エマからコメントが到着した。

大河ドラマ第61作は、鎌倉幕府の二代執権・北条義時が主人公の『鎌倉殿の13人』。平安時代末期から鎌倉時代初期を舞台に、野心とは無縁だった義時がいかにして武士の頂点まで上り詰めていくのかを描いていく。

8月7日(日)放送の第30回「全成の確率」では、源頼朝(大泉洋)の兄弟の中で唯一生き残っていた僧の阿野全成(新納)が、鎌倉殿・源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いで詮議を受け、壮絶な最期を遂げた。

『鎌倉殿の13人』©NHK

全成役の新納は「台本を頂いたときに『本当にすてきなラストを描いてくださったな、三谷さん、ありがとうございます』と。三谷さんにも連絡して『ありがとうございます』と言いました。本当に悲しい、すてきな最期を描いてくれたと台本の段階でも思っていましたが、それをさらに何倍もすてきなシーンにしてくださった演出とスタッフの皆さんに、今はもう本当に感謝です」と語る。

最期が描かれたシーンについて「斬られて流れた自分の血の赤い色を見たとき、ずっと(妻の)実衣ちゃんに『君は赤が似合うね』と言ってきたので、赤という色で実衣を思い出したんですよね、あの瞬間に。とにかくあの瞬間は実衣の元に帰りたい、実衣に会いたいという一心で、実衣への思いだけで最後の力を振り絞って、というシーンでした」と。

さらに「これは僕の考えですが、全成は実衣と出会ってしまったことで、自分のできる範囲でもちろん頼朝さんのお手伝いはするけれど、基本は実衣とこの鎌倉で一生、穏やかに暮らしていきたかっただけの人になったんじゃないかなと思います。今、最期のシーンを撮って、この『鎌倉殿の13人』で僕が演じた阿野全成は、ただ実衣を愛していただけの男、みたいな感じですね」と全成の人生を振り返った。

『鎌倉殿の13人』左から)阿野全成(新納慎也)、実衣(宮澤エマ) ©NHK

また、そんな全成を見守ってきた実衣を演じる宮澤は「台本を読んだ時点で号泣してしまって。こういう結末が待っているというのはもちろん、分かってはいたんですけど、そこをどう三谷さんが描かれるのかが分からなかったのと、実衣が全成の死にどう関わって、何を感じてどう反応するのかというのはまったく予測できていなかったので、全成さんの死を聞いたときの実衣のたたずまいや、彼女が義時に聞く質問というのが、実衣らしいなとすごく感じました」と。

続けて「全成さんが最初のころ『生まれる前からほれていました』みたいなことを言っちゃうんですが、それを受けて実衣が『言っていることがよく分からないところに引かれました』と言えるって逆にすごいなと思って。普通、『この人の何が好きなの? 』と聞かれたときに並べる形容詞って違う気がするんですけど、言葉では表現できないレベルで引かれ合っていたんだなというのを、占いの力も込みで感じました」と語った。2人のコメント全文は以下を参照。

阿野全成役・新納慎也 コメント
『鎌倉殿の13人』阿野全成役・新納慎也 ©NHK

◆全成の最期のシーンを演じて

台本を頂いたときに「本当にすてきなラストを描いてくださったな、三谷さん、ありがとうございます」と。三谷さんにも連絡して「ありがとうございます」と言いました。本当に悲しい、すてきな最期を描いてくれたと台本の段階でも思っていましたが、それをさらに何倍もすてきなシーンにしてくださった演出とスタッフの皆さんに、今はもう本当に感謝ですね。みんなの努力と、みんなの力です。僕だけではなくて、演出だけではなくて、三谷さんだけではなくて、照明・音響・美術・撮影など、全てのセクションの努力が報われました。今、撮影が終わったばっかりですけど、全ての皆さんの努力が報われた、いいシーンになったと思っています。

◆実衣への思い

斬られて流れた自分の血の赤い色を見たとき、ずっと実衣ちゃんに「君は赤が似合うね」と言ってきたので、赤という色で実衣を思い出したんですよね、あの瞬間に。とにかくあの瞬間は実衣の元に帰りたい、実衣に会いたいという一心で、実衣への思いだけで最後の力を振り絞って、というシーンでした。全成登場から全体を通してですけど、おそらくこの『鎌倉殿の13人』においての阿野全成さんは兄である頼朝さんの力になるために鎌倉に来て、できるかぎり、自分のできる範囲で力になろうとは思うけど、そんなにむちゃくちゃなこともしない。これは僕の考えですが、全成は実衣と出会ってしまったことで、自分のできる範囲でもちろん頼朝さんのお手伝いはするけれど、基本は実衣とこの鎌倉で一生、穏やかに暮らしていきたかっただけの人になったんじゃないかなと思います。今、最期のシーンを撮って、この『鎌倉殿の13人』で僕が演じた阿野全成は、ただ実衣を愛していただけの男、みたいな感じですね。

実衣役・宮澤エマ コメント
『鎌倉殿の13人』実衣役・宮澤エマ ©NHK

◆全成の最期を知って

台本を読んだ時点で号泣してしまって。こういう結末が待っているというのはもちろん、分かってはいたんですけど、そこをどう三谷さんが描かれるのかが分からなかったのと、実衣が全成の死にどう関わって、何を感じてどう反応するのかというのはまったく予測できていなかったので、全成さんの死を聞いたときの実衣のたたずまいや、彼女が義時に聞く質問というのが、実衣らしいなとすごく感じました。

◆全成の好きなところ

いろいろあるんですけど、秘密にしておきたいところもあります。なんでかというと、二人にしか分からないことなんだと思うんですよね。周りから見ていると「なんであの二人がとか「あの人のどこが好きなんだろう」とか思うかもしれないけど、実衣と全成は似た者同士というか、言い方は不思議ですけど“共犯者”のような感じなんです。それぞれ立派な一族の中でもふわっとした立ち位置で、ちょっと忘れられがちで、何をしているのかよく分からなくて、という、すごく共鳴する部分が二人にはあるんだと思うんです。実衣は全成さんが秘めている、中にあるパワーみたいなものを信じていて、そこが共鳴しあって引かれているのかなと思うので。実衣にとっては彼の魅力というのが、実衣にだけかかっている魔法じゃないですけど、誰にも分かってもらえなくてもいいし、たぶん、二人とも分かっているようで分かっていないのかも知れない。全成さんが最初のころ「生まれる前からほれていました」みたいなことを言っちゃうんですが、それを受けて実衣が「言っていることがよく分からないところに引かれました」と言えるって逆にすごいなと思って。普通、「この人の何が好きなの?」と聞かれたときに並べる形容詞って違う気がするんですけど、言葉では表現できないレベルで引かれ合っていたんだなというのを、占いの力も込みで感じました。

番組情報

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』
NHK総合:毎週日曜 午後8時~8時45分
BSプレミアム/BS4K:毎週日曜 午後6時~6時45分

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