

『特捜9 final season』(テレビ朝日系 毎週水曜 午後9時)で、主演の井ノ原快彦がクランクアップを迎えた。
故・渡瀬恒彦さん主演で2006年から2017年まで放送された刑事ドラマ『警視庁捜査一課9係』からバトンを受け継ぐ形で2018年4月にスタートした『特捜9』。以来、難事件に挑む個性派刑事たちの活躍と、背景にあるそれぞれの人生模様を丁寧に描き、シーズンを重ねるたびに新たな視聴者層を巻き込んでファンを増やしてきた。そんな『特捜9』が『9係』から数えること通算20作目となる節目でついに『final season』を迎える。
スタッフから「以上のシーンを持ちまして浅輪直樹役、井ノ原快彦さんオールアップです!」との声がかかると、村瀬(小宮山)志保役の羽田美智子、青柳靖役の吹越満、矢沢英明を演じる田口浩正、そして、高尾由真役の深川麻衣に加え、村瀬健吾役の津田寛治、早瀬川真澄に扮する原沙知絵も駆け付け、大きな花束と拍手で井ノ原を迎えた。
花束を受け取った井ノ原は「ありがとうございます!」と目尻を下げると、「…20年ですよね。これまで、20年間も続いたお仕事なんてない」と感慨深げ。この20年、『警視庁捜査一課9係』『特捜9』シリーズの現場に通い続けたことで「自分でも恐ろしいくらいにせっかちになりました(笑)」と周囲を笑わせながらも、「時代とともに、さまざまな現場も形を変えていきますが、この『特捜9』だけは変わらずで、いつもハッピーでした」と笑顔でキャスト、スタッフを見渡すと、ここでたまらず熱い涙。
続けて「最初からずっと顔を合わせているキャスト、スタッフ…本当に家族みたいですよね。毎シーズン、最終話を迎えても『どうせまた会える!』と思わせてくれていました。そして今も、『また会える』と思っています。だから、悲しくはありません」と。
最後は「皆さん、自分を大切に。これからも、新しい場所できれいな花を咲かせてください。あらためて20年間、どうもありがとうございました!」と締め、スタッフからこの日一番の拍手が送られる中で各キャストたちと熱いハグを交わした。
井ノ原快彦(浅輪直樹役)コメント
ありがとうございます! まだ撮影が終わっていない人もいるので、さらっと…でも、何を言えばいいのかな(笑)。…20年ですよね。これまで、20年間も続いたお仕事なんてないので、本当に何を話していいのか分からないです。昨日、「明日で終わるんだな」と思っていましたが、“そのとき”が来るまでは感情は分からないものですね。本当に楽しい現場でした。撮影当初こそ、昔ながらの現場の雰囲気にカルチャーショックがありましたが、どんどん慣れていきました。今では、自分でも恐ろしいくらいにせっかちになりましたね(笑)。時代とともに、さまざまな現場も形を変えていきますが、この『特捜9』だけは変わらずで、いつもハッピーでした。
最初からずっと顔を合わせているキャスト、スタッフ…本当に家族みたいですよね。毎シーズン、最終話を迎えても「どうせまた会える!」と思わせてくれていました。そして今も、「また会える」と思っています。だから、悲しくはありません。来年の春くらいになって、「あぁ、もう会えないのか…」と、そこでいろいろと思うこともありそうです。皆さんの存在が僕の力になっていて、これから歳を重ねてもきっとこの仲間のことを思い出すんだろうなって思います。
皆さん、自分を大切に。どうか自分のことを第一に考えて生きてください。本当に余裕があれば、誰かのことを助けてあげてください。僕もこの仲間に何かあったら、いつでも助けに行く気持ちでいます。そして、これからも新しい場所できれいな花を咲かせてください。『特捜9』が、少しでも皆さんのこれからの生きる糧になっていればいいなと思います。ダメですね…最近、こういうあいさつをすると涙もろくなっちゃって(笑)。あらためて20年間、どうもありがとうございました!
最終話(6月11日(水)放送)あらすじ
検挙率の高い特捜班に、テレビの密着取材が入ることに。班長の浅輪直樹(井ノ原快彦)をはじめ、村瀬(小宮山)志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)、高尾由真(深川麻衣)らメンバーはインタビューを受けるも、それぞれに緊張の面持ちで…。やがて、直樹が取材の流れで前身である9係の話を語ると、ADの九野優樹(岡部ひろき)が本番中であるにもかかわらず、異常な反応を示す。その様子を見た直樹は、彼のことが少し気になるのだった。
翌日からは、その九野が密着取材を行うことに。青柳も「そうそう事件なんて起きない」と今年二十歳となる彼とフレンドリーに接し、すっかり特捜班に打ち解けているように見えたが、人知れずメンバーを冷たい目で見る九野の姿があって…。そんな中、九野は特捜班の歴史を勉強したいと、由真に20年前の事件の資料を用意してもらうことに。
やがて、元特捜班の立場から話を聞きたいとの九野からのオファーで、捜査支援分析センター副所長の村瀬健吾(津田寛治)と三ツ矢翔平(向井康二)の元を訪れるが、直樹には取材中もなぜか九野は20年前にこだわっているように見える。
その後も密着インタビューは、監察医の早瀬川真澄(原沙知絵)はもとより、直樹の妻・倫子(中越典子)、青柳の婚約者・垣内妙子(遠藤久美子)、矢沢の妻・早苗(畑野ひろ子)にまで及ぶことに。そして、かつてのメンバー・新藤亮(山田裕貴)に直樹が連絡すると、切迫した様子で…。強盗犯を追っているという彼に特捜班が協力することになり、新藤は久しぶりの直樹とのコンビを喜ぶ。しかしそんな喜びもつかの間、なんと犯人が持っていたナイフが、直樹の胸に突き刺さって…。
密着取材の件を聞きつけた元班長で現警視庁音楽隊員の国木田誠二(中村梅雀)が見事なベースプレイを披露するなど、やがて取材も終盤に。すると、九野に秘められた9係と関係の深い驚くべき過去が、徐々に明らかになっていく。
番組情報
『特捜9 final season』
テレビ朝日系
毎週水曜 午後9時
<キャスト>
井ノ原快彦、羽田美智子、吹越満、田口浩正、向井康二、深川麻衣、中越典子、原沙知絵
<スタッフ>
脚本:徳永富彦 ほか
音楽:吉川清之
主題歌:20th Century「ネバギバ ~Never Give Up!~」
監督:細川光信、田村孝蔵 ほか
ゼネラルプロデューサー:大川武宏(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、森田大児(東映)、土井健生(東映)
制作:テレビ朝日/東映
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