「生きることの素晴らしさを感じて」野村萬斎ほか親子三代がそろい踏み「祝祭大狂言会2021」

エンタメ総合
2021年01月26日

祝祭大狂言会2021

4月25日(日)に大阪・フェスティバルホールで開催される野村家親子三代による『祝祭大狂言会2021』の開催を前に、野村万作と長男の野村萬斎が大阪市内で記者会見を行った。

人間国宝・野村万作を筆頭に、野村萬斎、野村裕基の親子三代ほか一門が出演するこの公演では、「二人袴 三段之舞」「月見座頭」、関西初上演となる新作狂言「鮎」の三演目を上演。「月見座頭」で萬斎と共演する万作は、「人と人との交流がちぐはぐになりつつあるのが今の世の中ではないか。世の中の暗澹たる中で、笑いというものをどう皆様の心にお届けするか。そして笑いだけでなく、もっと人間的なことを考えるというテーマも狂言にはある」と抱負を。

祝祭大狂言会2021
世田谷パブリックシアター「狂言劇場その参」より 「月見座頭」(撮影:政川慎治)

新作狂言「鮎」の演出を担当した萬斎は、「池澤夏樹先生の戯曲を基に、舞台ならではの面白みを持たせるために鮎を擬人化した。結末は今までの狂言にはなかったものを目指した。どうなるのかは見てのお楽しみ」とPR。『祝祭大狂言会2021』では冒頭に萬斎がそれぞれの演目について分かりやすく解説する。

祝祭大狂言会2021
国立能楽堂委嘱作品 新作狂言「鮎」

また、「二人袴 三段之舞」には、萬斎の長男・裕基が出演。聟(むこ)を裕基が、その兄を野村太一郎が演じる。お囃子も入り、にぎにぎしく楽しい演目で祝祭の雰囲気を盛り立てる。

一般的な能楽堂の5倍以上となる2700の客席数を誇る大阪・フェスティバルホールで狂言を演じる意義について萬斎は、「舞台の両サイドに橋掛かり(廊下のようなもの)が設置できるなどの空間演出が可能。そして、大きな空間では“人間の小ささ”を感じることもできる。狂言が描く“人間の滑稽な側面”をより愛おしく、肯定的に感じてもらえるのではないか」と。

祝祭大狂言会2021

親子三代で演じることについては「めでたいし、ありがたい。解脱したかのような存在感の父、中間管理職のような私、21歳の若さが魅力の裕基。三世代の“花”、それぞれの良さを味わってほしい」と語り、「狂言に携わる者ができることは、皆さんの心の開放。笑うだけではなく、生きるって素晴らしいことだなと感じてもらいたい。来ていただいたお客様の期待に応えられるよう公演に臨む」と誓った。

公演情報

祝祭大狂言会2021
4月25日(日)15:00開演/14:00開場
フェスティバルホール(大阪市北区中之島2丁目3-18)
【演目・出演者】「二人袴 三段之舞」(野村裕基ほか)、「月見座頭」(野村万作、野村萬斎)
新作狂言 「鮎」(野村萬斎ほか)

Web

カンテレHP:https://www.ktv.jp/event/syukusai2021/
イベント公式HP:https://www.festivalhall.jp/syukusai2021.html