『情熱大陸』世界のアート界も注目、6年先まで予約が埋まる仏師・加藤巍山の超絶技巧

エンタメ総合
2021年08月22日

仏師、加藤巍山

8月22日(日)放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系 後11・00~11・30)に、仏師の加藤巍山が登場する。

埼玉県白岡市に工房を構え、どこの団体にも属さず一人で活動している仏師・加藤巍山。彼が彫った仏像を見た人々は皆、口をそろえて「勇気をもらえる」「毎日拝みたい」とつぶやき、無意識に手を合わせてしまうという。彫刻家としての顔も持つ加藤が名を上げたのは昨年。NYのオークションで作品が約3,285万円で落札され、大きな話題となった。

青年時代はギタリストだった加藤。だが、あえなく挫折し失意の日々を過ごした。そんな時、たまたま訪れた寺で仏像に出会った。その存在感に圧倒され、仏師になることを決意した。13年の弟子修行を経て、独立したのは38歳。やや遅すぎる巣立ちだったが、圧倒的な作品の表現力でさまざまな業界から高い評価を獲得し、今や6年先まで予定が埋まっている人気の仏師となった。

加藤が信じるのは、人が彫ることの意味。科学がますます発展し、3DプリンターやAIが普及したとしても、人が自らの手で彫ることに意味があって、一つ一つの地道な作業によって、数値化されない魂のようなものが作品に込められると語る。

番組では、福島の寺院に奉納する阿弥陀如来立像を制作する加藤を追った。約5か月間に渡る取材から見えてきたのは、加藤の仏師として生きることへの葛藤だった。好物のうなぎを食べている時も突然「失敗したら奈落の底に落ちる」と不安を吐露し、数少ない息抜きがコンビニの駐車場で飲む100円コーヒー。店員とのやりとりに癒やされるという。制作に集中できない時は、いきなり涙をこぼすこともあった。

「俺、人間的に弱いから」と自身を語る加藤。彼がなぜ、木から仏像を彫り出すことができるのか。加藤の魂の奥底を見つめる。

<加藤巍山(かとう・ぎざん)プロフィール>
1968年、東京都生まれの52歳。25歳の時に仏像彫刻の世界に入った。13年間の修行を経て独立。近年では岩手の江岸寺に釈迦如来坐像を納めた。一方彫刻家としても活躍し、昨年、ニューヨーク・クリスティーズのオークションで彫刻作品が約3,285万円で落札。美術界からも大きな注目を浴びている。現在、埼玉県白岡市の自宅兼工房で日々創作に励んでいる。好きなものは、うなぎと蕎麦。家族は、妻。

『情熱大陸』
MBS/TBS系
2021年8月22日(日)後11・00~11・30

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