Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔、4年ぶりストレートプレイでイプセンの名作「野鴨」に挑む 演出は上村聡史【コメントあり】

エンタメ総合
2022年05月25日
舞台「野鴨-Vildanden-」に主演する藤ヶ谷太輔

Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が主演、上村聡史が演出を務める舞台「野鴨-Vildanden-」が、9月に東京と兵庫で上演されることが決定した。

「野鴨」は、シェイクスピア以後、世界で最も盛んに上演されてきた劇作家とも言われるノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンが1884年に発表した珠玉の名作。イプセンは、19世紀のヨーロッパで主流とされていたヴィクトリア朝的な価値観―行きすぎた厳格さや節制を美徳とする偽善的な社会観念―を批評し、悪に立ち向かう高潔さを描いた勧善懲悪が期待されていた当時の演劇に革命をもたらした。

イプセンは本作で、納屋を“嘘”、外の世界を“真実”、そして“野鴨”を我々人間に例えることで、自己欺瞞(じこぎまん)によって自らを守ろうとする人間の弱さや、独りよがりの正義を振りかざす愚かしさを見事に描き出した。この偉大な作品に挑戦するのは、演出家・上村聡史。観客の想像力を刺激する演出とともに、物語の持つ命題にどのように迫るのか注目だ。

理想を追い求め、真実こそが正義だと信じてやまない“正義病”のグレーゲルスを演じるのは、アイドル活動にとどまらず、俳優として舞台・映画・ドラマで活躍し続けるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔。2018年の舞台「そして僕は途方に暮れる」では平凡な青年が突如、孤独と絶望を経験していくという難役に挑み、静かな中にも圧倒的なエネルギーを舞台上で放ち強い印象を残した。4年ぶりのストレートプレイ挑戦で、歴史的名作戯曲に初めて挑む藤ヶ谷の新境地が期待される。

そして、妻と娘に恵まれ幸せに暮らしているグレーゲルスの幼なじみ・ヤルマールを忍成修吾、豪商ヴェルレと関係のあった過去を持つヤルマールの妻・ギーナを前田亜季、ヤルマールとギーナの娘・ヘドヴィクを八幡みゆき、エクダル老人と過去に確執があるグレーゲルスの父・豪商ヴェルレを大鷹明良、軍の元中尉という過去の栄光から一転、今は落ちぶれてしまったヤルマールの父・エクダル老人を浅野和之が演じる。

藤ヶ谷太輔 コメント

お芝居をすること、表現をすることが大好きなので、まずはそういった環境を与えてくださり、チャンスにめぐり合えたことがうれしいです。名作なので、もちろんプレッシャーもありますが、怖がらず飛び込んでいければ、と今は思っています。
僕が演じるグレーゲルスは、“正義病”と言われるくらい正義感が強く、それが裏目に出てしまう役でもあります。彼の信じる正義が物語に大きく関わるのですが、きっと見てくださるお客さまもどこか他人事とは思えないと感じていただけるはずです。演出の上村さんは、以前作品を拝見したことがあり、空間の使い方や言葉の届け方がとてもすてきな印象がございます。また、上村さんと一緒にお仕事をしたことがあるA.B.C-Zの河合郁人君からは、お芝居を一緒に考えてくださる演出家さんだと伺いました。僕も先日お会いしていろいろとお話させていただく中で、既にもう信頼を置いています。
この作品は、「真実」「嘘」「正義」がキーワードで、現代に通ずることがたくさんあります。お客さま自身にも見て、感じて、考えていただけることがたくさんあると思いますので、僕もしっかりそれを演じ届けられるように頑張ります。ぜひ、劇場にいらしてください。

演出:上村聡史 コメント

“近代演劇の父”と言われるイプセンの『野鴨』は、分かりやすく組み立てられた筋立てながらも、貧しさの中での幸福の意味や、信念と孤独の葛藤といった現代人にも通じるテーマが明快で、決して古びない物語性を感じます。また登場人物が、ある瞬間かなり大胆な行動を起こすあたりに劇的な魅力があり、それを演じる俳優の醍醐味を想像すると一層の面白さがあります。そしてその姿は、儚くも見えれば、笑えてしまうような場面が多々あり、『野鴨』は、まさにお芝居の宝石箱のような作品です。イプセンが140年程前に創作した“グレーゲルス・ヴェルレ”というキャラクターも中々な人物で、今の時代にもある自粛警察やバッシングにも似た「独善的な正義」を、家族や親友、そして子供にまでふりかざし、3日間の物語時間を暴走します。その暴走は、まさしく心理ホラーといっても過言ではないくらいのスリリングさがあるでしょう。そんなヤバい男を、藤ヶ谷太輔さんと共に創っていくのですが、藤ヶ谷さんの頭の回転の速さ、シャープな立ち姿、クールでありながらもユーモアに満ちた感性におおいに頼らせていただき、ただの“狂気”だけで片付けることのできない、今の私たちの中にある「執念」をしっかりと描いていきたいと思います。

作品情報

「野鴨-Vildanden-」

作:ヘンリック・イプセン
訳:原千代海
演出:上村聡史

出演:藤ヶ谷太輔、忍成修吾、前田亜季、八幡みゆき
伊達暁、吉野実紗、山森大輔、齋藤明里、村上佳
大鷹明良、浅野和之

美術:長田佳代子
照明:沢田祐二
音響:加藤温
衣装:前田文子
ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:大友仁義

企画・制作:TBS/サンライズプロモーション東京

公式HP:https://nogamo2022.com/
公式Twitter:@nogamo2022

■東京公演
2022年9月3日(土)~18日(日)
会場:世田谷パブリックシアター
チケット発売日:2022年7月23日(土)午前10時~
チケット料金:S席 \11,000/A席 \9,000(全席指定・税込)※未就学児入場不可

主催:TBS/サンライズプロモーション東京

■兵庫公演
2022年9月21日(水)~25日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
チケット発売日:2022年7月30日(土)午前10時~(兵庫公演)
チケット料金:\11,000(全席指定・税込)※未就学児入場不可

主催:兵庫県、兵庫県立芸術文化センター