奈緒、不倫相手役に「お芝居してて楽しかった」『先生、私の隣に座っていただけませんか?』舞台あいさつ

映画
2021年09月13日
©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会
©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

公開中の映画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」の公開記念舞台あいさつが行われ、黒木華、柄本佑、金子大地、奈緒、風吹ジュン、堀江貴大監督が登壇した。

本作は「嘘を愛する女」(18)や「哀愁しんでれら」(21)などクオリティの高い作品を輩出してきたオリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2018」準グランプリ作品を映画化。黒木と柄本がダブル主演で夫婦役を務める。

柄本との夫婦役について黒木は「違和感なく(柄本の)そばにいることができたと思います。『いるな』と思いながら、互いを変に意識せずにいられた」と語り、柄本も「僕も同じ印象で、すんなり夫婦の感じを出せたなと思います。役柄の話とかはほとんどせず、漫画の話とか世間話をする方がお芝居につながっていたのかも」と振り返った。

柄本が演じる俊夫は、佐和子(黒木)の担当編集の千佳(奈緒)と不倫をしている役どころだが、どこか不思議な憎めなさを醸し出している。演じた柄本は「とにかく、俊夫が100%よくないんです。こんな事態を起こしてるから(苦笑)。でも、監督と最初に話をして、ただの悪人じゃなく、見終わった方が『しょうがねぇヤツだな…』と人間的な方向に落とし込めたらと思っていました」と語った。

それに対し堀江監督は「俊夫が悪いんですけど、断罪はしたくない。こんな愛すべきキャラになったのは、柄本さんが演じてくださったおかげ」と柄本を称賛。柄本は「黒木さんのシルエットというか…ホントに何考えてるのか分かんないんです。なので、身を任せて黒木さんを見てれば、こちらが自然と不安になるし、汗がにじむんですね(笑)。引っ張っていただいたのは、黒木さんによる部分が大きいかなと思います」と感謝の気持ちを口にした。

一方で、黒木は奈緒演じる千佳のキャラクターに言及。「あっけらかんとしてて『これは、俊夫さんが(千佳の元に)行ってしまうだろうなと思わせる説得力があった」と語り、柄本も「撮影現場でも『結局、一番楽しんでるのは千佳じゃないか?』という話になった」と黒木の指摘に同意した。

奈緒は当初、不倫相手の女性役と聞いて「どういう女の子なのかな?」と思ったそうだが「こんな不倫相手は見たことない! というくらい、違うベクトルで突っ走ってる子でした」と笑った。また「(演じていて)すごく楽しかったですけど、楽しめたのは黒木さんと柄本さんに受け止めてもらえて自由にやれたからです。黒木さんとの対面シーンは、本当に佐和子先生が何を考えてるか分かんなくて、俊夫さんは冷や汗かもしれないけど、千佳としては担当編集者としてうれしくなる、ワクワクする感じで、お芝居してて楽しかったです」と話した。

自動車教習所の先生・新谷を演じた金子は「本読みをして、監督に新谷のことを聞いたら『現実にいるかどうか分からない青年をやってくれ』と言われまして…。佐和子が漫画を描いているので『漫画から飛び出したような?』と聞いたら『いや、そうじゃない』と言われ、どういうことなんだろ…? と(苦笑)。でも、ギリギリまで監督が寄り添ってくださって演じられたかなと思います」と充実した表情を見せた。

佐和子の母を演じた風吹は、撮影を振り返り「現場が和やかで、合宿のようでした。柄本さんの人柄も大きかったと思うけど、畳のところにいると和やかでおうちにいるみたいでした。懐かしいです」と笑顔で語った。

コミカルな展開ながらもゾクッとするような物語にちなんで、キャスト陣がそれぞれ「ゾクゾクッとした体験」を披露。黒木は「子供の頃、車の後部座席に座っていたら大きいおじいさんの顔が火の玉と一緒に浮かんでいて…」というガチな心霊体験を告白。柄本は「仕事柄、地方に行くことが多々あって、ホテルに泊まるんですけど、『額縁の後ろは見ない方がいい』とかよく言うじゃないですか? そのときは、魔が差してしまって、額縁の後ろを見てみたら紙が挟まっていて、開けたら『何で見たの?』と書いてあったんです。全部開いてみたら、修学旅行の高校生のイタズラだったんですけど、1時間くらいバクバクしてました」と苦笑交じりに自らの体験を明かした。

金子は「1~2週間ほど、地方に撮影に行って帰ったとき、クーラーがつけっぱなしで…。めっちゃヒヤッとしました、いろんな意味で(笑)」と語り、会場は笑いに包まれた。風吹は最近、入った飲食店で隣のテーブルの客が「食事が終わってもずっとマスクせずにトークをしてて…(苦笑)」とこのご時勢ならではのリアルな“ゾクゾク”体験を明かした。

奈緒は、地元・福岡にあるお気に入りの店に関するエピソードを告白。「小さい頃から通っている、地元の大切なお店なんですけど、その店の話をしている時に風吹さんから連絡を頂いて、ちょうど風吹さんがその店にいらしたんです。風吹さん、すごい! とゾクッとしてうれしくなりました」と驚きの“ゾクッ”とエピソードを披露した。

最後に柄本は、本作が昨年の緊急事態宣言明けの最初の仕事だったことを明かし「キャスト、スタッフ一丸となって作りました」と熱弁。黒木も「不安定な状態の中で撮ったこの作品を皆さんに見ていただけるようになったのは感慨深いです。まだまだ不安な中、こうして見ていただけること、本当にありがたく思います。いろんな捉え方ができる作品なので、何度でも見ていただければと思います」と呼びかけた。

作品情報

「先生、私の隣に座っていただけませんか?」
公開中

出演:黒木華、柄本佑/金子大地、奈緒/風吹ジュン
脚本・監督:堀江貴大

公式サイト:https://www.phantom-film.com/watatona/
公式 Twitter:@watatona_2021
公式Instagram:@watatona_2021

©2021『先生、私の隣に座っていただけませんか?』製作委員会

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