志田彩良×鈴鹿央士「かそけきサンカヨウ」今泉力哉監督インタビュー到着「言葉では説明できない細微な感情を目いっぱい詰めこんだ」

映画
2021年10月06日
©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

10月15日(金)公開の映画「かそけきサンカヨウ」より、今泉力哉監督のオフィシャルインタビューが到着した。

本作は、人気作家・窪美澄の同名短編小説を、今泉監督が自ら希望し映画化。家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生の葛藤と成長を、同級生との“恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情”を交えて描き出す。主人公・国木田陽は『ドラゴン桜』(TBS系)で話題となった志田彩良。陽をやさしく見守る父親・直を井浦新、陽の同級生・陸を『ドラゴン桜』でも志田と共演した鈴鹿央士が演じる。

「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」「mellow」「his」を手掛け、今年は「あの頃。」「街の上で」と既に2本の作品が公開されている今泉監督。原作の短編集「水やりはいつも深夜だけど」の魅力について「人によってはとらわれてしまうような“家族”を、みんな絶対的にいいものとして言葉にすることについて前々から疑問を持っていて。でもこの短編集は“歪みのある家族”について描いていた。その点にひかれました」と語る。

なかでも、幼い頃に母親が家を出て以来、父とふたり暮らしをしてきた少女・陽の葛藤と成長を描いた一篇「かそけきサンカヨウ」に引き付けられたという。

「出て行った生みの母との関係も、普通ならもっと憎しみの率を高くして書きそうなところを、陽は画家である母に対してある種の憧れを持っていたりする。新しくできた妹に対しても、もっと憎しみや嫉妬があってもおかしくないのに、そうは書いていない。“普通はここに葛藤を作る”というところ以外にさまざまなため込みがあり、しかもその描き方が丁寧。作り物ではない本当の悩みって感じがしたんです」と原作の感想を語った。

©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

映画には父・直と陽の10分弱の長回しシーンがある。本番前に、父親のせりふを足してもっと説明した方がいいとなり、直のせりふを増やしたバージョンでテストをした。だが、陽役の志田が“足された父のせりふ”を飛ばして、その後の自分のせりふを言う、ということがあったという。

「あれは志田さんのミスではなく、そういう役者の生理だったんだと思います」と振り返る今泉監督。あらためて直役の井浦と志田で話し合い、直のせりふは足さずに本番を撮影することに。

「こういうことが現場で起こると、作り物ですが、どんどん本物に近付くと思えるんです。もちろんフィクションはある種のうそをつくことで面白くなることもあると分かっています。でも、やっぱり好みなんでしょうね。自分はうその許容範囲がすごく狭い。物語のためにキャラクターが存在したり、動いたりする、というようなことは自分が映画を作る時はできるだけなくしようと思っているんです」と印象深いシーンの撮影裏を明かした。

さらに、「言葉にするなら、ある家族の再生の物語、とかなのかもしれませんが、言葉では説明できない細微な感情を目いっぱい詰めこんで映画にしました」と作品への思いを語っている。

作品情報

「かそけきサンカヨウ」
2021年10月15日(金)テアトル新宿ほか全国公開

出演:志田彩良/井浦新
鈴鹿央士、中井友望、鎌田らい樹、遠藤雄斗
石川恋、鈴木咲、古屋隆太、芹澤興人
海沼未羽、鷺坂陽菜、和宥、辻凪子、佐藤凛月
菊池亜希子/梅沢昌代、西田尚美/石田ひかり

監督:今泉力哉
主題歌:崎山蒼志「幽けき」(Sony Music Labels)
原作:窪美澄「水やりはいつも深夜だけど」(角川文庫刊)所収「かそけきサンカヨウ」
脚本:澤井香織、今泉力哉
音楽:ゲイリー芦屋
配給:イオンエンターテイメント

©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会

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