石川恋インタビュー「最後までしがみついていこうと思いました」『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』

特集・インタビュー
2018年11月21日

現在放送中の『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系)で、主人公・瀧沢完治(佐々木蔵之介)の娘・美咲を演じている石川恋さん。撮影現場でのエピソードや本作に懸ける思いを語ってもらいました。


登場人物1人ひとりの“純愛”がかわいらしく思えるんです

石川恋インタビュー◆最初に出演が決まった時を振り返って、どんなお気持ちでしたか?

 キャストの皆さんが今までずっとテレビで拝見していた大御所の方ばかりだったので、その中でお芝居ができるという楽しみな気持ちと、「怖いな、どうしよう」という気持ちが半々でした。それでも、この作品に出演することは自分にとって絶対勉強になるだろうし、「この作品が終わった時には、全てがいい経験になっている」と信じて、最後までしがみついていこうと思いました。

◆人生の折り返し地点を過ぎた男女が図らずも恋に落ちていく『黄昏流星群~』。石川さんが感じる本作の魅力とは?

 登場人物1人ひとりが純粋に相手を思う“純愛”がかわいらしく思えてくるような、不思議な魅力があるドラマだなと思いました。許されない恋ですが、美咲も婚約者がいながら、実は他に好きな人がいて。ただそれも、自分が婚約していることや相手が既婚者であるとか、そういうことを全て考えずに、その人が本当に好きで1分1秒でも長く一緒にいたいという気持ちが真っすぐすぎて。見ていてとがめられないような気がしてくるんです。

◆そんな美咲と父・完治はお互いの不倫現場を目撃してしまって以来、関係性に変化が生まれます。

石川恋インタビュー そうなんです。お母さん(中山美穂)には言えないけれど、お互いに分かり合えてしまうという。美咲とお父さんの結束力のようなものが出てきたところが、演じていて私も面白かったです。正直、最初は家族の前での娘としての振る舞いや恋愛の仕方も、自分とリンクするところが少なくて、美咲の考えが分からずに戸惑いました。でも美咲の本心は、昔からお父さんにもっと構ってほしかったんだろうなとは思います。脚本の浅野妙子さんがおっしゃっていたのですが、幼いころは体が弱く、あまり学校にも行けなかったことで、少し自由を制限される環境にいた美咲だから、大学教授としていろんな国に行っていろんなことを知っている先生がすごく魅力的に思える。小さい時に1人でこもって、本を読んだりすることで同年代の子より先に精神的に大人になった部分があるから、同年代の男性が恋愛対象にならなかったこともとてもしっくりきました。


“お父さん”に救われた撮影期間でした

◆撮影現場の雰囲気や共演者の方とのエピソードを教えてください。

石川恋インタビュー とにかく圧倒されることが多くて、常に身が引き締まるような現場でした。美咲は感情が豊かで“怒る”シーンが多いのですが、私はそういうシーンがどれも同じ見せ方になりがちで。そんな時、蔵之介さんからアドバイスを頂いて、表現に区別がつけられたので、本当にお父さんに救われた撮影期間でした。この作品で蔵之介さんとご一緒させていただいて、私もお芝居じゃないところでも人と深くつながれるような女優さんになりたいと思うようになりました。

◆本作への出演を通して、ご自身が成長したなと感じるところはありますか?

 撮影中はずっともがき続けていた感じでした。同い年の美咲が大人に見えて、自分は女優としても人間としてもまだまだだなと思うこともたびたびあって…。だからこのままじゃ解決しないという思いで、監督さんや蔵之介さんに相談するようになったんです。そうやってたくさんのアドバイスを頂くにつれて、少しずつこういうふうにやったらいいのかなというのが分かってきて、得たものが多かったと思います。そこで自分の殻を破れたからこそ、プロデューサーさんが「普通そんなことまで教えてもらえないよ」とおっしゃるぐらい、蔵之介さんから演技論を教えていただくことができました。

◆役に対して苦悩を重ねた石川さんが頑張れた理由は何でしょうか?

石川恋インタビュー 物語の前半を撮っているあたりは、現場でも戸惑うことが多くて。誰にも相談できずに内にこもってしまっていました。そんな時、監督さんの「楽しんでるか?」というひと言で、自分が楽しむことを忘れていたことに気づかされて。それから毎朝マネージャーさんと「今日も楽しんでいきましょう」というあいさつが始まって(笑)、前向きに頑張れるようになりました。あと心の救いだったのは甲子園!もともと甲子園は好きなのですが、特に今年は支えになっていて。選手たちの頑張っている姿を見て、私も頑張ろうって思いました。

◆最後に、石川さん流『黄昏流星群~』の楽しみ方は?

 現実的に理解できる部分と“ドラマだからロマンチックすぎる”“非現実的すぎる”というところの絶妙なあんばいが面白くて。個々で見るとあり得る話なのかもしれないですけど、同じ瀧沢家の中で全員が全員こんな状況になっているなんて本当に大変なことじゃないですか(笑)。これはこの作品の魅力の1つだと思っています。あんまり構えず、ぜひ楽しんで見ていただきたいです。

 

■プロフィール

石川 恋
●いしかわ・れん…1993年7月18日生まれ。栃木県出身。O型。女優・モデルとして活躍中。
映画「マスカレード・ホテル」が2019年1月18日(金)に公開。2019年日本公開の映画「一夜再成名」で主演を務める。

 

■ドラマ情報

『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』
フジテレビ系
毎週(木)後10・00~10・54


●photo/徳永 徹 text/山下紗貴 hair&make/小松胡桃
styling/金野春奈(impiger) 衣装協力/GUILD PRIME、DIANA、imac