all at onceインタビュー「プロデューサーの亀田誠治さんからは‟誰よりも楽しんで歌って“と言われました」

特集・インタビュー
2021年06月28日

音楽プロデューサー・亀田誠治も衝撃を受けたという“鳥肌ものの歌声”を武器に、昨年本格始動し、今年デビューを果たした男性デュオ・all at once。亀田プロデュースの最新曲「マカロン」が西島秀俊主演のドラマ『シェフは名探偵』(テレビ東京系)のOPテーマに抜てき、TikTokでは人気クリエーターによるダンス動画がアップされるなど、大きな話題を呼んでいる。今回は、TVLIFE web初登場となるお二人に「マカロン」に込めた思いや制作秘話について伺いました。

◆まず、現在配信中の最新曲「マカロン」を初めて聴いた時の印象を教えてください。

ITSUKI:今まで歌ってきた楽曲と比べると、ポップで明るいなと思いました。リズムやグルーヴ感も新しいテイストだったので、自分たちが歌ったらどうなるんだろうと楽しみでした。

NARITO:僕も、ポップなテイストだなという印象がありました。ただ、楽曲自体が複雑な構成だったので、僕らの対照的な歌声をどうしたらうまくアプローチできるかということは相談し合いました。

◆『シェフは名探偵』(テレビ東京系)のOPテーマに決定した時はいかがでしたか?

ITSUKI:僕の地元である北海道の皆さんも含め、たくさんの方に届けられることがすごくうれしかったです。今はライブなどがなかなかできない状況で、直接思いを伝えられない分、テレビを通して自分たちの音楽を伝えていけたらなと思っています。

NARITO:僕もすごくうれしかったです。やっぱりコロナ禍においてライブができないということがすごく大きくて。もどかしい部分でもあるんですが、ドラマを見てくださった方に僕たちの魅力が少しでも伝わればいいなと思っています。

◆今回の楽曲も亀田さんがプロデューサーを務められているとのこと。歌唱にあたって、何かメッセージはありましたか?

ITSUKI:今回は直接お会いできる機会がなかったのですが、ディレクターさんを通じて「歌っていて楽しい!という雰囲気を伝えることが大事。君たちが誰よりも一番楽しんで歌ってください」というアドバイスを頂きました。

◆「マカロン」のレコーディング時のエピソードや制作秘話を教えてください。

NARITO:僕は今まで触れてこなかったジャンルの曲だったこともあり、ハネ感のあるノリに苦戦しました。特に、サビ前のリズムが独特で。そこだけで何テイクしたか分からないほど、1時間以上レコーディングをしていたので、スタッフさんも失笑していたと思います(笑)。でも、個人的にはその部分が一番聴かせたいところでもあったので、妥協せずに頑張りました!

ITSUKI:逆に、僕はハネ感のある楽曲が好きで普段から聴いているジャンルでもあったので、最初から最後まで楽しかったです(笑)。今回はコーラスの割合も多く、自分の声を重ねていくに連れて楽曲が華やかになっていく流れを身をもって実感できたので、歌っていてワクワクしましたね。

NARITO:僕も、集中した1時間だったということで(笑)。苦労した分、この楽曲にはいろいろな思いを込めたので、受け取っていただけたらうれしいです。

◆普段からレコーティング中にアドバイスし合うことはあるんですか?

ITSUKI:あります。僕は細かいところまで気にしてしまうタイプなので、リズムとかが少しでもズレていると納得がいかなくて…。

NARITO:怒号が飛んでくるんですよ(笑)。

ITSUKI:「何回同じことやるの~」みたいなね(笑)。

NARITO:そうそう(笑)。お互い楽曲への向き合い方が全く違っているんですよね。僕は楽曲を雰囲気で捉えるタイプ、ITSUKIは単語の意味を一つずつ考えていくタイプなので、お互いに見えない部分を補い合いながらやっています。

◆ずばり「マカロン」の聴きどころはどのような部分でしょうか?

NARITO:サビに英詞と日本詞で韻を踏んでいる部分があるんですが、そこがすごくキャッチーなんです。最初に歌詞を見ずに聴いたら「え、何て言ってるの?」と思われる方が多いんじゃないかなと思います。このパートはとにかく韻を重視して歌っているのでそこは注目して聴いていただきたいですし、ぜひまねして歌ってほしいです。

ITSUKI:僕は、2番のサビが終わってBメロに入るまでのお互いのソロパートですね。あと、落ちサビのNARITOの歌声がまさにマカロンの崩れやすいところを表現しているので、そこもとても好きな部分です。自分が歌っているところじゃないんですけど(笑)。

NARITO:そう言ってもらえてうれしいよ。ありがとう(笑)。

◆では「マカロン」を聴く時にお薦めのシチュエーションは?

NARITO:朝起きた時ですかね。僕はいつも予定ギリギリの時間に起きるほうなのですが(笑)、「今日は何しよう?」と出かける準備をしながら聴くのが一番好きです。

ITSUKI:逆に僕は夕方から夜にかけてです。仕事や学校の帰り道に聴いてテンションを上げるのがいいんじゃないかな。あとは家でご飯作りながらとか。

NARITO:だんだん甘いものが食べたくなってくるんじゃない?

ITSUKI:そうそう。それでマカロンを食べてもらってね(笑)。

◆今ご飯のお話も出ましたが『シェフは名探偵』にかけて、お二人の得意料理を教えてください。

ITSUKI:僕はピザとかパスタとか、イタリアン全般が得意です。レストランのキッチンでアルバイトをしていたことがあるんですが、基本的にずっと1人で厨房に立たされていたのである程度何でも作れます(笑)。

NARITO:バイトなのに!?

ITSUKI:そう(笑)。もともと働いていた仲間が辞めてしまって、スタッフが僕と店長だけになった時期があったんですが、そこからなぜか店長が仕事をしなくなって…(笑)。延々と作っていたので、もう体に染み込んでいますね。

NARITO:僕は得意というか、自分が好きでめちゃめちゃ練習したのは餃子です。タネから作って包むところからやりますし、味は誰にも負けない自信があります! 個人的に一番おいしいと思うタネは、野菜と肉が73かな。キャベツとレタスを交ぜるのもお薦めです。

ITSUKI:おいしそう! 読者の皆さんもぜひ作ってみてください(笑)。

◆楽曲だけでなくMVもとてもおしゃれですてきですが、撮影中に印象に残っていることがあれば教えてください。

NARITO:待ち時間にスタッフさんたちと雑談していたら、ITSUKIが不意に外の草花をじっと眺めて「あれ四つ葉じゃない?!」って言いだして…。

ITSUKI:そうなんです! そこからどんどん探すことに夢中になってしまって…。でも最終的にみんな見つけていたので、レア感が薄くなってしまったんですが、とってもいい思い出ですね(笑)。

NARITO:あと、撮影場所がヨーロッパにありそうな建物で今までのMVとは雰囲気も全然違ったので、テンションが上がって自然と笑顔になっていました。ただ、シャボン玉を使った演出のシーンは歌っているとどんどん口に入ってきて…。カットがかかった瞬間に水を飲んでました(笑)。

ITSUKI:そうだった(笑)。でも、やっぱり一番印象に残っているのはプロジェクターを使ったシーンです。自分たちが映った映像の前に本物の自分たちがいる、というのが不思議な体験でした。「NARITOが2人いる! 気持ち悪い!」って(笑)。

NARITO:それは悪口だよ!(笑)

ITSUKI:うそうそ。でも、なかなかできないことだと思うのですごく楽しかったです。

◆all at onceにはすてきな楽曲がたくさんありますが、「マカロン」以外でお気に入りの曲を選ぶとしたら?

NARITO:本当に選び難いんですが、僕は「星合」が好きです。特に、イントロからAメロへのつなぎがすごく好きで。アコギの柔らかいサウンドと僕のパートからスタートするんですが、思っていた以上に優しく歌うことができたんですよね。僕が目指していた一つの理想形みたいなものが「星合」には込められています。

ITSUKI:僕は2曲あって、1曲は「Take mo’ Chance」なのですが、これがかなりファンキーな楽曲なんです。

NARITO:まさにITSUKIが好きそうな曲だよね(笑)。

ITSUKI:僕は中学2年生から音楽を始めたんですが、そのころからブラックミュージックとかR&Bばかり聴いていて。僕たちの楽曲の中ではそういう要素が一番入っている曲なので歌っていて楽しいんです。もう1曲はall at onceとして最初に発表した「12cm」ですね。実は僕たちは一度デビューが流れてしまったことがあり、もう活動できないかもしれない…と思っていた時期があって。でも、今はこうしてたくさんの人にご尽力いただいて活動できているという感謝もあり、「12cm」は思い入れの深い楽曲になっています。

◆では、今後2人で挑戦してみたいことはありますか?

NARITO:やっぱり有観客ライブが一番ではあるんですが、いろいろな顔を持っているというイメージを皆さんに持ってもらえるように、幅広いジャンルの歌を届けられたらなと思っています。

ITSUKI:あとはいつかウエディングソングを作ってみたくて。自分たちの声の良さが出せると思いますし、きっとはまるんじゃないかなと思うので、そういった楽曲にも挑戦してみたいです。

◆最後にall at onceとしての目標を教えてください。

ITSUKI2人とも目標にしているアーティストがC&Kさんなんです。ライブパフォーマンスはもちろん楽曲の幅もすごいので、目標であり、いつか越えたいと思う存在ですね。たくさんの方に届くよう、さまざまな楽曲に挑戦していきたいというのはもちろんなんですが、僕たちが持っている芯の部分というのはずっとブレずに活動していきたいと思っています。

PROFILE

ITSUKI
●いつき…北海道札幌市出身。中学2年生の時に友達からの誘いでオーディションを受ける。最終選考まで残ったことをきっかけに、地元でボーカルレッスンとダンスレッスンに通い始める。高校生のころには、地元のライブハウスを中心にソロとして活動を始め、広い世界を求めて、高校卒業と同時に上京。

NARITO
●なりと…宮崎県小林市出身。中学2年生の時にカラオケに行き、母に褒められたことがうれしく、自然と歌手を目指すようになる。高校生の時に、初めて東京を訪れ、すれ違う人々の目の輝きに強い憧れを抱き、高校卒業と同時に、夢の実現と刺激を求めて上京。

楽曲情報

Digital Single「マカロン」
現在配信中

●text/片岡聡恵