『プレバト!!』総合演出・水野雅之が大人も子供も楽しめる新企画「バナナアート」誕生秘話を語る

7月8日（木）放送の『プレバト！！』（MBS／TBS系　後7・00～8・00）から、新企画「バナナアートの才能ランキング」がスタート。バナナに針を刺し、その場所が徐々に茶色に変色することを利用して絵を描いていくバナナアート。大人も子供も楽しめるとして注目を集めている。今回、演出を手掛ける水野雅之さんに、この企画をスタートさせた経緯や、今後バナナアートに挑戦してほしい人などを語ってもらった。

◆「バナナアート」企画をスタートさせたきっかけを教えてください。

ここ１〜２年は今までの番組のファンに楽しんでもらいながら、いかに幅広い世代に見てもらえるかということを課題にしてきました。テレビの前で大人も子供も楽しめる企画を増やして、家族３世代で楽しんでもらいたいんです。Kis-My-Ft2さんや日向坂46さんらが活躍する一方で、スプレーアートや色鉛筆など、子供がやってみたくなる新企画を増やして視聴者層を広げてきました。バナナアートはその流れですね。

◆子供も挑戦できるような新たな査定ジャンルを常に開拓しようとしてるんですね。

そうですね。会議で何度も話し合ったけど結局断念したものだと、最近ではリコーダーの査定とか。リコーダーって誰もが小学校で習うし、今時っぽい曲を吹けたら楽しそうって思ったんですけど、どうしても音楽経験者が有利になってしまいますし、リコーダーの音色の良し悪しは果たしてテレビで伝わるのか？　査定は誰がやるのか？　みたいな懸念点がどうしても残るので断念しました。リコーダー素人のＡＤたちが一生懸命シミュレーションして、米津玄師さんの「Lemon」を余裕で吹けるレベルまで上達していたので、ボツにするのは申し訳なかったんですけど、「忘年会で披露する特技にリコーダーが増えました」と言ってくれました（苦笑）。

◆そんな中でバナナアートを採用した理由は何ですか。

やっぱり今、視聴者が楽しみにしてくれているのは芸術系なんだろうなと思いました。でも、「水彩画」「色鉛筆」「消しゴムはんこ」という主力系ジャンルの中に、割って入るような企画ってなかなか思いつかないんですよね。ずっと模索していたベストの企画は、子供も１時間くらいでやれるような手軽なものなんですけど、制限時間１時間っていうルールを制作が勝手に作っても、視聴者は光宗（薫）さんの28時間の黒板アートを見ているわけだから、どうしても見劣りしてしまう。そんな時にバナナアートを見つけました。バナナアートは、バナナの皮に針や爪楊枝を刺して絵を描くと、刺した部分が段々と変色してくる芸術。そしてバナナなので、もちろん描いた後は食べます。となると、作品として１時間くらいがピークなんですよね。ということは、キャンバスの制約で、おのずと制限時間が１時間になるっていう、すごく面白い企画だと思いました。

◆確かに、お子さんも楽しめる企画ですね。

番組冒頭で千原ジュニアさんも言ってましたけど、お母さんが１つ絵を描いて子供のおやつに出せるような、今までで一番身近にできる企画ですよね。バナナと爪楊枝があれば挑戦できますから。

◆7月8日放送では、千原ジュニアさん、中川翔子さんといった芸術査定で特待生になっている方々が挑戦されました。皆さんの反応はいかがでしたか？

収録１時間前から作って、そのままスタジオでの結果発表に流れ込むから、テンションも高かったですね。皆さんのドキドキ感も伝わってきましたし。あと、皆さんが“なぜバナナに描くのか”をすごく意識してくれました。紙じゃなくて、バナナがキャンバスになっている意味を突き詰めると難しいんですけど、そこが逆に面白いって言ってくれました。バナナは大きさとか長さとか、反り具合も違うので、最高の１本を見つけるために、皆さんとても吟味してましたが、それが査定結果にも思いっ切り影響していますので、楽しんでもらえると思います。

◆最近の芸術査定についても教えてください。

どんなジャンルでも必死に頑張ってくれている二階堂（高嗣）さんが、好結果だとスタジオが盛り上がりますよね。二階堂さんと言えば、先日、「和紙ちぎり絵」の3回目の査定で最下位だった時の話なんですけど、収録前に「ちぎり絵、特待生取りたいんですよね」って僕の隣でずっと言ってきたんです。もちろん僕は査定結果を事前に知ってるんだけど、それがバレないように何か返答しないといけない空気になって（笑）。二階堂さんが「ちぎり絵、面白いですよね」「特待生取りたいな～」「今日は自信あるんだよな」って話しかけ続けてきたので、「分かります。構図はとても気合入っているって思いましたよ」って返答したんです。そしたら、「構図“は”って言われたってことは…」と勘繰り始めてしまって（苦笑）。必死の二階堂さんがほほ笑ましかったです。

◆今後、どんな方にバナナアートに挑戦してもらいたいでしょうか？

絶対に得意だろうなと思うのは光宗さん。もともと光宗さんがやっているボールペン画が点描のような作風なので、すごい作品が出来上がりそうですよね。あと、しずちゃん（山崎静代）の作品も見てみたいです。一方で子供も楽しめるものだから、子役の子たちに挑戦してもらうのもアリかも。乃木坂46の賀喜遥香さんもすごい作品を作ってくれそう。それこそ、バナナをキャンバスにバナナマンさんを上手に描きそうですよね（笑）。ちなみに、もう２回目は収録済みですが、豪華な顔触れなので見応えがあると思います。