内野聖陽&西島秀俊インタビュー「朝岡の本当のピンチに耕治さんが救いにきてくれた」

特集・インタビュー
2021年08月19日

現在放送中の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合ほか)で、ヒロイン・百音(清原果耶)の父・耕治役を演じる内野聖陽さんと、百音の上司・朝岡役を演じる西島秀俊さん。

本日(8月19日)放送の第69話では、百音が働くウェザーエキスパーツをふらりと訪れた耕治が、ひょんなことから朝岡との初対面を果たした。2人で世間話などをするうち、土地とそこに暮らす人びとについて、ふと自分が抱えていた思いを耕治に打ち明けた朝岡。

そして、彼が抱える後悔や悩みを聞いた耕治も、地元・亀島を一度飛び出し、また戻った自身の経験を交えて語り始める。別々の立場にいながらも、同様に傷を抱え、前に進もうとしている2人が心を通わせるシーンに、きっと多くの人が胸を打たれただろう。

以前、インタビューをした際に「朝岡が今まで抱えてきたどうにもならない感情を吐露するシーンに、内野さんがいてくださったことはとても心強かった」と語ってくださった西島さん。

本作の脚本を担当する安達奈緒子さんの『きのう何食べた?』シリーズでは、パートナー役として長く共演されているお2人に、本作での共演の感想やお互いの役柄について感じたことをお聞きしました。

<永浦耕治役・内野聖陽&朝岡覚役・西島秀俊 インタビュー>

◆『おかえりモネ』でのご共演はいかがでしたか?

西島:内野さんとは映画「きのう何食べた?」の撮影でもお会いしていて、その役の関係が長かったので今回の共演はどうなるのだろうと思っていました。

内野:こっちは耕治の役でいるのに、西島さんはおふざけで映画の役名とかで呼んでこられたのでモゾモゾしました(笑)。

西島:その役の印象が強かったんですよね(笑)。内野さんは徹底的に役作りをされて現場に入られるので、映画での役の雰囲気はまったくありません!

◆お2人の役柄について、お互いどう思われましたか?

西島:内野さんとお芝居でご一緒させていただくと、いつも感動します。内野さんが役に入り込んで自分にぶつかってきてくれるのは、胸にくるものがありますね。2人のシーンは短かったですが、本当に撮影は楽しかったです。

内野:西島さんとのシーンは、娘(百音)が一番尊敬している大先輩という役柄なので、父親としてはいろいろな意味で気になる人でした。(劇中では)毎朝テレビで見ていた人です。一ファンとして「気象キャスターの朝岡さんだ!」と、有名人に会えた感動で、すごくテンションが上がりました(笑)。

西島:朝岡は、絶対に人に弱いところは見せない人物です。現実的な面もあり、精神的に非常に大人。ただ、自分の中で結論が出ない問題、誰にも言えない思いを抱えています。そんな朝岡を、耕治さんが救ってくれるんですよね、偶然会ったときに。たぶん最初で最後の、朝岡の本当のピンチに、耕治さんが救いにきてくれたんだなとうれしかったです。

内野:それについては、演じる上で僕は少しプレッシャーがありましたね。朝岡さんは悩みを表に出さずに心に閉まっておくタイプのはずなのに、耕治には話してくれます。このシーン、演じる上では、どうしたら朝岡さんが内に秘めていた悩みを語り始められるのかをずっと考えていました。耕治は、地元で大きな悲しみに遭遇していて、それを背負いながらもひたすら前向きに明るく未来を信じる、という生き方です。そんな耕治の人柄のなにかが朝岡さんの心にもなんとなく伝わって、あんな風に話してくれたのかな、と思っています。

西島:当初は、『おかえりモネ』では内野さんと一緒になることは多分ないだろうと思っていました。ただ、実際の共演シーンは朝岡にとってすごく大切なシーンだったので、うれしかったです。共演するなら、もっと軽いシーンかなと思ってたんですけどね(笑)。

◆このあと、劇中で再び会えるとしたら…?

内野:う〜ん…。今度は宮城で、耕治が勤める銀行で会うかもですね(笑)。朝岡さんが、気象の新ビジネスを始めるのに資金が要るのでお金貸してくださいって、訪ねてくるとか(笑)。

西島:それはなさそうですね。自分の部下の父親のコネを使っちゃダメです(笑)。今度はひたすらすれ違っているようなくだらないシーンがいいですね(笑)。

内野:何度も2人とも街中ですれ違っているのに、お互い気づかない、みたいな!

西島:それはラブコメの定番でしょう(笑)。

番組情報

連続テレビ小説『おかえりモネ』
NHK総合ほか
毎週月〜土曜日 前8・00〜8・15ほか

©NHK