勝地涼と仲野太賀が舞台初共演 「岩松さんの作品は、驚きと深い溜息が出るほどの美しいせりふが心に残る」 舞台「いのち知らず」

特集・インタビュー
2021年10月21日

勝地涼&仲野太賀「いのち知らず」インタビュー

◆(笑)。では、岩松さん演出の稽古で楽しみにされていることは?

勝地:今回の舞台の台本が完成していないので(※取材時)、まだ何とも言えないのですが、岩松さんの作品ではよく役者が意味不明なダンスというか、動きをさせられることがあるんです。「空ばかり見ていた」では、僕がそれを任されたんですけど…あれって、今回はどっちがやるんだろうね?

仲野:気になりますよね(笑)。僕らのどちらかなんですかね。新名(基浩)さんかもしれないですよ?

勝地:あ、そうか。まさかの岩松さん本人っていう可能性もあるしね(笑)。

仲野:光石(研)さんかもしれない(笑)。

勝地:あ〜、見てみたい(笑)。岩松さんの舞台にはそうした無茶ぶりみたいなところもあるのが、僕は楽しみです。ただ、それを自分に振られる時がものすごく怖いんです。動きは決まってなくて、岩松さんからも「…とりあえずやってみようか」って言われるだけなんで(笑)。

仲野:あれ、ものすっごくプレッシャーがかかりますよね。

勝地:正解もないしね。「空ばかり見ていた」の時は稽古の最後まで不安で、本番前に岩松さんからアドバイスをもらおうと思ったの。ただ、岩松さんって役者から「これって大丈夫ですか?」とか、「あそこはどうすればいいですか?」と聞かれることを嫌うのを知ってたから、なんとなく岩松さんの控え室にいって、ただ座ってたのね。“何か言ってくれないかなぁ”という思いで。そしたら、「お、もうすぐ本番だね。あのダンス、期待してるよ!」って言われて(笑)。

仲野:ははははは!

勝地:それで何だか吹っ切れて。“もう、その時どきで自分が感じたものを体で表現していけばいいや!”って。それに、もしかしたら僕が助言を求めにきたことが見透かされていたんじゃないかとも思ったの。

仲野:あぁ、それはあるかも。岩松さんのことだから、どっちか分かんないですよね。

勝地涼&仲野太賀「いのち知らず」インタビュー

◆確かに、岩松さんの稽古場では役についての説明を乞うのはタブーだという噂をよく耳にします。

勝地:たまにそれを知らずに、岩松さんに「このせりふはどういう意味ですか?」って聞きにいく方がいて、ハラハラして見てます(笑)。大体、岩松さんから返ってくる答えは「僕だって分かんないよ!」なんですけど(笑)。

仲野:でも、たまに答えてる時も見かけますよ。だから、一概に絶対に禁句とは言えない気がします。

勝地:本当?「空ばかり見ていた」の時は誰一人聞きにいけなかったなぁ(苦笑)。

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