坂東龍汰「終盤になるにつれて、いろんなことがスピーディーに起きていくので、ぜひ最後まで見届けていただければ」『この初恋はフィクションです』

特集・インタビュー
2021年11月24日

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

企画・原案を秋元康、脚本を『おっさんずラブ』『私の家政夫ナギサさん』『恋はDeepに』などを手掛けた脚本家・徳尾浩司が務めるオリジナルの青春群像ラブストーリー『この初恋はフィクションです』。「TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』」の演技バトルを制した、香川県出身の18歳の飯沼愛さんが連続ドラマ初出演にして初主演を務める本作で、飯沼さん演じる主人公・倉科泉に恋をする野島啓介を演じている坂東龍汰さんが、作品の見どころを語ってくれました。

◆野島啓介を演じるにあたって、意識していることはありますか?

明るいムードメーカーで、主人公の泉(飯沼愛)に高校1年生の時から片思いをしています。友達には明るくグイグイと自分をアピールしていけるんですが、泉に対しては好きという気持ちがあって、なかなかアピールできない性格なんです。なので、恋愛をしている時や先生と話している時、親友の田野(窪塚愛琉)と話している時と、さまざまなシチュエーションによって演じ分けていけたら、のじ君(野島啓介)というキャラクターがより人間味を増してくかなと思います。そして、出演者の方が15~17歳の高校生で、僕だけ24歳なんです(笑)。意識して、24歳を出さないように気を付けてはいるんですが、監督に「24歳が出てるよ!」と言われることもあって(笑)。でも、実際に映像を見てみたら、そこまで浮いてはいなかったです。

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

◆「TBSスター育成プロジェクト『私が女優になる日_』」を勝ち抜いて、連続ドラマに初出演となる方々と共演されていますが、実際に演じてみていかがですか?

みんな、本当にユニークです。3か月間一つの役に向き合うことや、何回もテイクを重ねたりというのは初めてだと思うんです。その場で何かが生まれることもありますし、自然と演じているなというのが印象的。何でもキャッチできるスポンジ状態なので、僕も“こうしよう”“ああしよう”と、台本を読みながら考えるのをやめてみました。高校時代のことや、その時の感覚を忘れかけているので、変に高校生っぽくしようというよりは、みんなの会話を聞いて、ナチュラルにのじ君を演じています。みんなとの化学反応が楽しいですね。

◆皆さんから刺激を受けて、ご自身の演技にも変化があったと。

そうですね。“そういうところからアプローチしてくるんだ”とか、間が想像していたのと違っていたりします。今まで僕が感じてきた当たり前が当たり前じゃないので、毎回驚かされてますね。出来上がった映像を見ていても、みんなの個性が爆発していて、めちゃくちゃ面白かったです。編集が素晴らしいですし、音楽も作品とあっていて、今までにない青春群像ラブストーリーだし、ミステリー要素もちょっと入っているのでぜひいろんな方に見ていただきたいですね。

◆先ほど、「僕だけ24歳」と言われていましたが、現場で高校生たちと年齢差を感じることはありますか?

最初のころはちょっとあったんですけど、今はないんですよね。みんな僕より大人なんで、むしろ引っ張ってもらっています。

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

◆皆さん、作品の関係性と同じように仲良しなんですね。

そうですね。今回の現場はそういう年齢の壁みたいなものは感じていないです。みんな仲良くてお芝居をしている環境が明るいというか、みんなが柔らかい雰囲気での撮影なので、居心地がいいというか、環境が素晴らしいなと思っています。

◆坂東さんのお気に入りのシーンは?

自分が撮影現場にいなかったシーンは、新鮮ですね。こういうふうに、みんなお芝居していたんだって。素直に「おぉ~!」と感動しました。あとは、1話の冒頭でクラスみんながそろってのシーンの飯塚(悟志)さん演じる長谷部先生との掛け合いは、テンポ感がよくて楽しかったです。

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

◆では、坂東さんの推しキャラはいますか?

んー、これは決められないですね(苦笑)。泉は透明感がすごくて、1話からめちゃくちゃかわいいですよ。表情のお芝居とか、気持ちの動きみたいなところをすごく繊細に演じられていていいなと思いますし、初主演、初ドラマでシンプルにすごいなと。堂々と真ん中を張れるっていうのは天才ですね。武山(瑠香)ちゃんも、僕には怖くてできないことを平気で、バンバンかましてくるのですごいです。例えば、監督の「こういうふうにやってみて」「こう変えて」という指示に、はるか違うベクトルに持っていったり、100メートル先まで持っていく、毎回とても面白いアプローチを見せてくれるんです。それで現場が盛り上がりますし、笑いが起きて雰囲気も明るくなるんです。天然なんですけど、計算でやっていたら、度肝を抜きますし、計算だったらショックですよ。ピュアさ故の天然だと信じています(笑)。窪塚(愛流)君の来玖もすごく面白いんです。窪塚君は天才だし、天然。三浦(涼菜)ちゃん演じる三ノ輪と似ている天然記念物で、この現場天然キャラが多いんですよ(笑)。蓮見なるを演じている渋谷(風花)ちゃんも天然でつかめない。窪塚君と武山ちゃんと渋谷ちゃんは、気づいたら見ちゃいます。渋谷ちゃんは、何も話していないのに見てられるし、行動一つ一つがとても面白いんです。

◆渋谷さんが演じるなるはおとなしい印象ですが…。

それが静かに見れないんですよ、静かなキャラクターなのにめちゃくちゃ面白いんです。2シーンぐらいしか被ってないんですけど、その2シーンでも感動しました。カットがかかっても不思議ちゃん。1人だけ違うところにいて、みんながキャーって言っている時に、1人だけ、真顔でスンってしていて。振っても「はい」ってローテンションでちょっと笑うくらい。でも、突然ツボったのか、笑い始めたりと本当に目が離せない。みんな魅力的ですね。

◆野地はクラスのムードメーカーですが、坂東さんご自身の高校生時代はいかがでしたか?

相当うるさかったし、めちゃくちゃすごい子供でした(笑)。ひと言でいったらエネルギーの塊みたいな感じで暴走していました(笑)。

◆学校行事では、クラスを盛り上げるタイプでしたか?

盛り上げるタイプでした。自分でいろいろと企画をしたり、行事ではないですが、社交ダンスにハマって、そういう部活があったら楽しいなと社交ダンス部を作りました。演劇もやっていましたし、好奇心旺盛だったんですよね。僕、一回会ったら、もう親友みたいな気持ちがあって。約70億の人がいて、その中で100年の人生で出会える人なんてそうそう少ないですし、その中で出会えた人は大切にしていきたいなという思いが強いんです。そこから自分プラスαほかの人を演じるっていうのに魅力を感じるのかもしれないですね。自分だけじゃなくて、それ以外の人物も経験できるという役者というのは、楽しい職業だなと思います。

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

◆先ほど、「一回会ったら親友」と言われていましたが、そんな方々とはどんなやりとりをされているんですか?

連絡はそんなに取らないですね。話したいって思ったらすぐに連絡をして会うタイプで、電話もしないんです。だから、コロナ禍の今はつらくて、落ち着く前はZoomで、いろんな人とコミュニケーションをとってましたね。高校時代は、携帯を持っていなかったこともあって、ドラマ内で出てくるグループメールが、「高校時代なかったな~」「楽しそうだな~」って思いました。ああやって、みんなでワイワイと話ができるのって、僕の時代はなかったのでいいな~って(笑)。

◆ドラマでSNSでのやりとりがよく出てきますが、坂東さんにとってSNSはどんなツールでしょうか?

LINE、Instagram、Twitterは結構開きますね。Instagramをやっていなかった時は、ほとんど見てなかったんですけど、去年10月ぐらいから始めて、ちょうど1年たったんですが、そこからSNS見るようになりました。どのくらい、いいねいったかなって(笑)。朝、起きたら見るっていうのは、今の世代の方には結構当たり前になってきているんじゃないですかね。

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

◆最後に作品の見どころと視聴者に向けてメッセージをお願いします。

本当に面白い作品になっていますし、先が気になるようなテンポ感もいいですし、楽しんで見ていただけると思います。のじ君の恋愛模様だったり、頑張っている姿は、僕も読んでいてすごく共感しましたし、演じていても共感するところがあったので、どの世代の方にも響く役なんじゃないかな。そういう意味では、のじ君にも注目していただけたらうれしいです。そして、祖父江君が誰なのか予想しながら、そして祖父江と泉の関係性や、みんなと祖父江の関係性がどういうふうに変化していくのかも、終盤になるにつれて、いろんなことがスピーディーに起きていくので、ぜひ最後まで見届けていただければと思います。

PROFILE

『この初恋はフィクションです』坂東龍汰インタビュー

坂東龍汰
●ばんどう・りょうた…1997年5月24日生まれ。北海道出身。O型。『ソロモンの偽証』(WOWOW)、『真犯人フラグ』(日本テレビ系)に出演中。

番組情報

よるおびドラマ『この初恋はフィクションです』
TBS系
毎週月曜~木曜 深0・40~0・55(※一部地域を除く)

©TBS