田中みな実インタビュー「加瀬さんの言動にはキュンキュンしっぱなし」『最愛』

特集・インタビュー
2021年11月25日

『最愛』田中みな実インタビュー

殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央(吉高由里子)と、彼女を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央を支える弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を中心に描かれるサスペンスラブストーリー『最愛』(TBS系 毎週(金)後10・00~)。今回はフリーランスのノンフィクションライター・橘しおりを演じる田中みな実さんに、しおりを演じる上での心境や現場でのエピソードなどを語ってもらいました。

 

◆今回演じる橘しおりは、どのようなキャラクターですか?

孤独なフリーのノンフィクションライターです。目的に向かってまっすぐで社会性を手放したような人。手段を選ばず、アウトロー。証拠を手に入れるためには、窓を割ってまで建物内に侵入するような危険な人物です。自分の命も惜しくないほどの覚悟で真田グループと梨央に迫ります。

◆新井順子プロデューサーや塚原あゆ子監督とは、どのようなことをお話されましたか?

衣装合わせの時、お2人からは「田中みな実さんらしさを全面的に消してほしい」と言われました。のちに、橘しおりという人物の過去、梨央に執着する理由を聞いて自分なりにすごく考えました。考えすぎて、役を固めすぎて、肩に力が入っていたことは自覚しています。完全オリジナルの脚本で、先がよめない中で人物の心情を想像するのは容易ではありませんでした。しおりの出演シーンは本筋と離れたところで描かれることも多く、余白の部分をどう埋めればいいのか、ずいぶん頭を悩ませました。撮影中、塚原さんが私の芝居を否定することはありませんでした。「そうです、そうです。いい感じです。方向性はそっちです。ただ、こうするともっとしおりの気持ちが伝わると思うんです」と寄り添いながら演出をするという感じで。具体的な指示というよりはヒントを与えてくれて、最終的には私に委ねるというやり方でした。しかし、OKテイクが出ても「もっとこうできたんじゃないか…」と直後から後悔の連続で。その繰り返しです。完成した本編のデータを放送前に頂いても怖くて観られないことがほとんどで。自分の芝居を観るのが怖いんです。こんなことは初めてで戸惑っています。塚原さん演出の回のDVDには、全体に向けたメッセージと、個人に宛てた手書きのメモが書かれていることがあって、それは、しおりを演じる上での大きなヒントになっています。

『最愛』田中みな実インタビュー

◆吉高由里子さんや及川光博さんと共演した感想を教えてください。

共演させていただき、誰もが吉高さんに惹かれる理由が分かりました。現場にいる1人ひとりとそれぞれにとっての心地好い距離感で軽快にコミュニケーションをとられていて、吉高さんがいると疲れ切ったスタッフまでもが皆笑顔になるんです。あっけらかーんとしているようで、実は現場を引っ張っているその様はカッコイイんです、本当に。私も、吉高さんと接するうちに気付いたらふわっと肩の力が抜けていました。今朝はね、吉高さんがあまりにも可笑しくて「ひょうきん者ですね」と私が呟くと、「ぴったりの言葉を見つけたねぇ。ひょうきんでっすー(笑)」と変なポーズをしていました。陽気な人です(笑)。でも、芝居になると、パチーンとスイッチが入って梨央の顔に。次々感情が湧きでてくるんです。いち視聴者としてすごく好きな俳優さんでしたが、お会いしてまた別の魅力にとりつかれました。
及川さんとはクランクインの日からご一緒させていただいていますが、現場に入られてから出るまで、ずっとミッチーというエンターテイナーでした(笑)。ひとたびお芝居に入ると、キラキラミッチーさんからスッとした表情の読めない後藤に豹変。唯一無二の存在感を放つ方だと感じます。
序盤は自分で作り込んできた芝居を必死に守ろうとしていましたが、共演者の方やスタッフの皆さんのおかげで、ようやく周りが見えてきました。できるだけ多くの物を吸収しようと必死でもがいています。

◆登場人物の中で気になるキャラクターはいますか?

昔からドラマを観るのが好きで、『最愛』もいち視聴者として、自分が出ているシーン以外は楽しく拝見しています。特に加瀬さんの言動にはキュンキュンしっぱなし。1人で「きゃあ~」と色めき立っています(笑)。現場では“加瀬キュン”“大キュン(宮崎大輝にキュン)”なんていうワードがあるそうですが、それでいうと私は“加瀬キュン”です。あくまでも役柄としてで、お2人とも大変魅力的な俳優さんです!

◆最後に視聴者にメッセージをお願いします。

第7話ではしおりが、なぜこれほどまでに梨央と真田ウェルネスに執着するのか、彼女の過去も含め明かされます。しおりだけでなく、ほかの登場人物の思惑や意図も徐々に表面化されていきますので、ご注目ください。見終わった後、心地よい疲れが襲ってくるほど、物語は急展開していきます。最後までご覧ください。

PROFILE

田中みな実
●たなか・みなみ…1986年11月23日生まれ。埼玉県出身。映画「ずっと独身でいるつもり?」が公開中。

番組情報

金曜ドラマ『最愛』
TBS系
毎週金曜 後10・00~10・54

<第7話(11月26日放送)あらすじ>
梨央(吉高由里子)の前に現れたしおり(田中みな実)は、真田グループの不正について追及する。話が見えない梨央はその場を去るが、しおりが自分や優(高橋文哉)のことを昔から知っていたような口ぶりに違和感を抱いていた。
加瀬(井浦新)の尽力によって昭(酒向芳)の死には関与していないことが証明された優は、梨央と一緒に暮らすことに。さらに、加瀬の言葉で前向きに生きることを考えるようになり、新薬の治験を受ける決意をする。
一方、大輝(松下洸平)と桑田(佐久間由衣)は、15年前の事件の捜査から関係者として浮上したしおりと接触。15年前のある恨みが昭殺害事件につながった可能性があることを掴むが、しおりには事件当夜のアリバイがあった。
さらに、しおりは真田ウェルネスが経営する老人ホームに出入りし、真田グループの不正を執拗に追う。そんな彼女に対し、後藤(及川光博)は再び取材をやめさせようとするが…。

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