本田響矢×鈴木康介、律と郁哉としてお互いを「自然と好きになった」『ジャックフロスト』

特集・インタビュー
2023年03月01日
『ジャックフロスト』©「ジャックフロスト」製作委員会・MBS

ドラマシャワー枠で初のオリジナル作品となる『ジャックフロスト』(MBSほか 毎週木曜 深夜1時29分ほか)。新進気鋭の映画監督・安川有果さんと高橋名月さんが手掛ける“記憶喪失”BLとなる本作では、冬の東京を舞台に、記憶を巡って心を揺らす律(本田響矢)と愛を取り戻すためにうそをつく郁哉(鈴木康介)の恋が描かれる。W主演を務める本田さんと鈴木さんに、役作りや印象に残っているシーンなどを聞きました。


◆本作はオリジナル作品ですが、脚本を読んでみてどのような感想を持ちましたか?

本田:切ないなと思いました。自分の恋人が記憶を失くしてしまうってどれだけ悲しくて、何を思うんだろうと、まず郁哉側の目線に立って本を読みました。実際演じさせていただくのは記憶を失くす側の律だったので、役者人生の中で初めて“記憶を失くす役”を演じることができてすごくやりがいを感じ、とてもありがたく思いました。

鈴木:僕は、もうもどかしすぎて…。律も、郁哉もお互い好きなのに言い出せないみたいな。読んでいて「めっちゃいいな」と思いました。でも郁哉のどうしたらいいのか分からなくてもだえている姿だったり、郁哉をどう表現できるのかなと。初めは不安とプレッシャーがすごく大きかったです。

◆どのように役にアプローチされていきましたか?

鈴木:自分目線で考えてしまうと、郁哉の気持ちが分からないことが多かったんです。そこを一つ一つ図にしていって、「なんでこう思ったんだろう」「こう思ったから、こう動くのかな」と、なんでだろうを繰り返していくと、だんだん郁哉の考えることが理解できてきて、台本を読んで理解を深めていく作業をしていました。

◆監督からアドバイスはありましたか?

鈴木:例えば「うん」というせりふがあったとして、「『うん』と言いたくなるまで言わなくていいよ。もしも言いたくないと思ったら言わなくていいから」と言われました。なので、台本に縛られずに気持ちを自然とそこまで持っていくことができて、これまで見たことがない景色が見えた気がします。

◆本田さんはどのように役作りを?

本田:僕は毎作品、役柄をやるときも、最初に履歴書を書くんです。年齢、どこでいつ生まれてということから、台本には書いていないようなことも全部書きだして、そこからどういう人間なのか、好きな食べ物とか、友達は何人ぐらいいるのかなどを頭の中で想像していくんです。撮影初日は「こういう感じ?」というのがあったんですが、それ以降はあまりどうしようと考えずに、目の前で郁哉が言ったせりふや表情を見て、その場で感じ取った気持ちを演じました。本作はお芝居をしているというよりは、『ジャックフロスト』世界の中で生きられた気がします。

◆律の職業はイラストレーターですが、意識されたことは? 本田さんはイラストは得意ですか?

本田:律を演じるに当たって、「律だったら、こう持つだろうな」「小指を立てているかな」と、ペンを持つときの癖を考えて。人を描くときに、相手を見るとき少し唇を噛んだりするのかなと想像して癖付けをしました。今回、律を演じさせていただいたことをきっかけにイラストを描き始めたんです! 最近iPadを買ったので、絵を描くことを趣味にしようと、思っています。

◆今回、BL作品を演じてみていかがでしょうか?

鈴木:本田さんとはこれまで何度か共演したことがあって、お友達だったんです。いざこの作品でカップルを演じると決まって、台本の読み合わせをしたときは私服で、メークや髪の毛もセットしていないので「あ、響矢君だ」と少し照れくささがあったんです。特にラブシーンの読み合わせは、緊張や恥ずかしさ、それと不安もあって。ですが、実際現場に入って本田さんを見たら衣装を着て髪形も律で、本田さんが既に律でしかなくて、そこで今まで感じていた不安や緊張が全部なくなって、本当に心から郁哉として、律のこと好きだなと思って演じることができました。

本田:似たような感じになってしまうかもしれないですが、いざ作品に入ると鈴木さんはやっぱり郁哉なんですよね。郁哉だなと思って見ていると、純粋にこういうところが好きで、こういうしぐさがうっとうしいけれど、それがまたかわいいなと思ったり。そういった台本を読むだけでは分からない感情や見えなかった郁哉の魅力が作品の中に入って芝居をしていると、どんどん出てくるんです。それに対して思った言葉や表情が自然と出てくる感じが演じていてすごく楽しかったです。

◆律の弟・柊路役の森愁斗さんと共演されて、印象に残っていることは?

本田:愁斗君はかわいいらしいですね。本読みのときに初めてお会いしたのですが、めっちゃオシャレなんです。

鈴木:そうそう。

本田:愁斗君が歩いてるとオーラで分かるよね(笑)。作品に入って一緒にお芝居するのが楽しみだなって思いました。

鈴木:僕は森さんと2人でコーヒーを飲むっていうシーンがあったんですが、森さんが白いニットにコーヒーをこぼしちゃって。僕が「こぼしちゃダメだよ」って森さんをイジってたら、次のシーンに僕がこぼしちゃって(苦笑)。2人で反省しました。

◆本田さんと鈴木さんのシーンで印象的だったのは?

鈴木:3話で別荘へ行ったんですが、実際に山中湖で撮影をさせていただいたんです。旅行気分でテンションが高くなって、2人とも素で「うわ、すごい」なといったせりふを言ってましたね。そういった素の部分にも注目していただけたらうれしいです。

本田:1話の冒頭でけんかのシーンがありましたが、本当にパワーとエネルギーを使いました。実際に演じたときに、台本を読んでこういう感じかなと思っていたのとは全く違う感情が自分の中から出てきた瞬間「なるほど。律はこういう風に考えて、このせりふを言ったんだろうな」と思って。何度もやらしてもらったんですが、テイクを重ねるほどより良いものになって、みんなが納得のいった大事なシーンになったのですごく印象的です。

◆律と郁哉が住む部屋もオシャレですが、お2人は部屋にこだわりは?

鈴木:傷も楽しめるような長く使える家具を買おうと自分の中でルールを決めていて。いい素材の物をちゃんと選ぶというところはこだわっているかもしれないです。

本田:香りですね。僕、匂いフェチで部屋に香り物がたくさんあります。ちょっと匂いが渋滞しないかなと思うくらい(笑)。お気に入りの香りが1つあって、それにプラスしてキャンドルやお香、木を燃やして木の香りを楽しむパロサントなどを、その時の気分で使い分けています。

◆最後に物語の終盤にかけての見どころは?

鈴木: 2人の関係性にもまだ曖昧な部分が多いと思いますが、回想シーンも増えて、だんだん明確になってきて。「なぜ2人は離れ離れになってしまったんだろう」というのも、今後分かっていくので最後まで見届けていただけたらなと思います。

本田:この作品の面白いところは、最初に別れるシーンから始まるところ。視聴者の皆さんは、別れる前に2人がどう過ごしていたのか分からずに見ていると思うので、そういった過去が回想シーンで明かされます。過去の郁哉と律の姿を見ながら、今後2人はどうなっていくのか、楽しみに見ていただきたいです。

PROFILE

本田響矢
●ほんだ・きょうや…1999年6月20日生まれ。福井県出身。O型。2016年「男子高生ミスターコン」でグランプリを受賞、『ANIMALS-アニマルズ-』『青春シンデレラ』『正しい恋の始めかた』など数々のドラマをはじめ、映画、舞台と活躍し、注目を集める。

鈴木康介
●すずき・こうすけ…1997年12月19日生まれ。愛知県出身。O型。2018年に浅草軽演劇集団ウズイチの舞台「シャフ~vol.3」で俳優デビュー。出演作にドラマ『ソロモンの偽証』『赤ひげ』シリーズ、『アカイリンゴ』、舞台「ウィングレス」など、映像を中心に俳優として活動の幅を広げている。

第3話(3月2日放送)あらすじ

律(本田響矢)と郁哉(鈴木康介)は、律が記憶を失う前に予約していた湖の側に建つ別荘を訪れる。暖炉やキッチンを見て初めて来たかのように無邪気にはしゃぐ律。そんな律を眺めていた郁哉は2人が親しい友人関係だった頃のある出来事を思い出していた―。

番組情報

『ジャックフロスト』©「ジャックフロスト」製作委員会・MBS

MBSドラマシャワー『ジャックフロスト』(全6話)

MBS:毎週木曜 深夜1時29分~
テレビ神奈川:毎週木曜 深夜1時~
群馬テレビ:毎週火曜 深夜0時30分~
とちテレ:毎週水曜 深夜1時~
テレ玉:毎週木曜 午後11時~
チバテレ:毎週木曜 午後11時~ ほか

<配信>
TVer、MBS動画イズム、GYAO!で見逃し配信1週間あり

出演:本田響矢、鈴木康介
森愁斗、祷キララ、松本怜生
脚本:安川有果、高橋名月、船曳真珠
監督:安川有果、高橋名月
原案:窓霜
音楽:坂東邑真
制作プロダクション:ヒューマックスシネマ/協力プロダクション:NeedyGreedy
製作:「ジャックフロスト」製作委員会・MBS

公式サイト:https://www.mbs.jp/jackfrost/
公式Twitter:@tunku_shower
公式 Instagram:@tunku_shower

©「ジャックフロスト」製作委員会・MBS