倉悠貴×三原羽衣×中村嶺亜が語る漫画原作作品へのアプローチ『犬と屑』インタビュー

特集・インタビュー
2023年06月07日
『犬と屑』©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS

倉悠貴さんが地上波ドラマ単独初主演を務めるMBSドラマ特区『犬と屑』(MBSほか 毎週木曜 深夜0時59分ほか)が6月8日(木)より放送スタート。本作は、朝賀庵による同名漫画が原作で、“幼なじみ”の失踪により、幼なじみの妻との禁断の初恋が動きだす、“羨望×嫉妬”人間の愛憎を描く、凄絶ラブサスペンス。初回放送を前に、主演の倉さんと共演の三原羽衣さん、中村嶺亜さんに役作りやお互いの印象などを聞きました。


◆本作への出演が決まったときの気持ちを教えてください。

:連続ドラマで単独主演というのが初めてだったので、緊張感や不安もありつつ、期待を胸に抱いて、楽しみだなと思っていましたし、この作品が代表作になったらいいなと思いながら撮影に臨んでいます。

三原:これまで自分に近いピュアで真っすぐな役を演じることが多かったので、また違った役を演じてみたいと思っていたときに、このお話があったんです。「絶対に麗香を演じたい」と思っていたので、マネージャーから「決まったよ」と連絡をもらったときは、めちゃくちゃ叫びました。そのくらいうれしかったです。

中村:ここ1年半くらいはミュージカルなどのステージでのお芝居が多かったので、久々に映像作品に出られるということが率直にうれしかったですし、これまで出演したドラマはオリジナルが多かったので、漫画原作がある作品は初めてなんです。7 MEN 侍のメンバーに「ドラマが決まった」という話をしたら、「どんな役?」と聞かれたので「クズ」と答えたら、「ピッタリじゃん!」と言われて少しけんかになりました。冗談ですが(笑)。

◆ご自身が演じられるのはどんなキャラクターでしょうか?

:僕が演じる桜庭陽真は中村さん演じる犬飼秀司という幼なじみにずっとコンプレックスを抱えながら生きてきて、その秀司と結婚していた麗香(三原)と出会い、物語が動きだします。秀司と麗香がそれぞれ隠していることや、麗香との関係も描かれます。

三原:麗香は陽真と秀司の高校の同級生で、のちに秀司の妻になるんですけど、数年ぶりに陽真の前に急に現れたときにいろんなものを抱えているような感じで、謎が多い人物です。

中村:秀司は簡潔に言うとクズです。タイトルになっている、『犬と屑』のクズだと思うんですけど、主人公の陽真にコンプレックスを抱かせた張本人でもありますし、一見何でもできるようなキャラでありながらも、意外と寂しいところがある人間。その寂しさがクズにつながっているのかなと思っています。秀司は救いようもないクズなんですが、どこか憎めないキャラクターにもなっています。

『犬と屑』©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS

◆演じる上でこだわっているところ、気を付けているところはありますか?

:サスペンス要素も強い作品で、伏線っぽくし過ぎると展開が分かってしまうと思うので、でも何かを抱えているんだろうなというようなちゃんと物語として面白くなる絶妙なラインを考えながら演じています。

三原:根本的に私の性格と麗香の性格が真逆なんです。私は地声が低いので、演じるときは声のトーンをちょっと上げてみたり、私生活からも麗香に入り込めるように意識しています。

中村:物語の序盤では、何かを抱えているように見えないようにしています。秀司が抱えているものがだんだん見えてくる方が面白いですし、漫画もそういった作りになっていたので、原作リスペクトも込めて、秀司というキャラはその方がいいかなと思ってやっています。

◆役作りにおいて、原作はどのくらい意識されていますか?

:ビジュアル面は原作の陽真と少し似ている気がします。ただ、原作はどんどん伏線を回収していって、謎が謎を呼んで、先が気になるという造りになっているので、ドラマでも同じように興味を引くようなお芝居をしつつ、原作ファンの方が持っているイメージを裏切らないように意識しています。

三原:参考にさせていただいています。自分と麗香は全然違うので、共感できない部分だったり、考え方が違ったりするので、なぜ麗香がその行動をとるのかよく分からなかったりするところとかも、原作だと表情も分かるので、台本と一緒に読みときながらお芝居をしています。

中村:秀司というキャラクターの愛されている要素はどこなんだろうというのを参考にしています。役作りに当たって一番難しかったのは、僕、原作の秀司より身長が10センチ低いので…。そこは監督さんたちといろいろお話をして、靴によってはちょっと底を上げたりして頑張っているのですが、どうしても陽真より大きくなれないんです。なので、そこだけは存在感で埋めるしかないのかなと思って頑張っています。

◆倉さんは本作が連続ドラマ初単独主演ですが、主演として意識していることはありますか?

:基本的にずっと現場にいるので、現場がいい空気でスムーズに進むようにお芝居しています。

◆三原さんと中村さんから見た、倉さんの主演ぶりはいかがでしょうか?

中村:本当に引っ張ってくれています。僕は悠貴君のお芝居が好きだなと思う場面が多くて。速い人と走ると速くなれるような感覚で、いつも楽しくお芝居ができているなっていう実感があります。

三原:いつも引っ張ってくれてありがとうございます。

:思ってないですよね(笑)。

三原:思っていますよ!

『犬と屑』©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS
『犬と屑』©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS

◆本作が皆さん初共演ということですが、お互いの印象や魅力について教えてください。

:三原さんはわりと素が出やすいタイプ。芝居をぶつけるとストレートに受け取ってくださるので、そこで毎回お芝居が変わるのでやっていて心地いいなと思っています。

中村:三原さんは僕たちの中で一番年下ということもあって、若くて元気な方という印象がありますし、真面目だなと思います。

三原:中村さんは本当に明るい、陽の方。私、結構人見知りをするのですが、とてもフレンドリーでコミュニケーション能力がすごく高いから、話しかけてくださったりして、最初からやりやすかったです。

:中村さん演じる秀司は明るく、何でもできるキャラクターですが、中村さん自身がとても明るい方なので、自然にやられているんだろうなというのが、僕にはなかなかできないところなので、すごくうらやましいなと思います。それに、本当に見た目もカッコいいですよね。

中村:よかった!(笑) 悠貴君も真面目。確認に余念がなくて、そういうところがお芝居にも出ているのかなと、一緒にお芝居をしているときに感じました。それに先ほど三原さんが言っていたように、引っ張ってくれます。本人はそのつもりがないかもしれないですが、勝手に引っ張られるようなお芝居をしてくれます。近くで顔を見たときや眼鏡を外しているときに「イケメンだな」って思います。もちろん僕もイケメンですが(笑)、タイプが違うイケメン。だからたまに「カッコいいな」と見ていることもあります(笑)。

三原:倉さんはお芝居だと本当に陽真そのものなので、すごくやりやすいですし、きっと私が演じやすいようにやってくれているのかなと思います。

◆演じやすいように相談もされますか?

:そうですね。この作品でいろいろなしがらみを抱えて生きているのは麗香なので、演じる部分で自由にいく部分がわりと少ないと思うんです。その点は、陽真の方がお芝居の部分でわりと自由に動けたりするので、どちらかというと三原さんがやりやすいようにできたらなと、相談をすることが多いです。

◆現場の印象的なエピソードを教えてください。

中村:1話に秀司がバスケをやるシーンがあるのですが、学生時代、僕はバスケをやらないタイプだったので、ちょっと苦戦していたんです。そうしたら、悠貴君が「まだシュート、決まらないの?」と言ってきたことがあって。でも、実際悠貴君もバスケができないらしいので、なんだよ~ってなりました(笑)。あと同じ1話で陽真が麗香に水を掛けられてびしょびしょにされるシーンでは三原さんも遠慮なく悠貴君にバーっと水を掛けていて(笑)。それを水に濡れないで見られる自分の立場もよかったですし、その撮影は楽しかったです。

三原:倉さん、普段から何かしら言ってきますよね(笑)。

中村:そうそう(笑)。

:こんな感じで撮影中も楽しくやりつつ、頑張るときは頑張りつつ、いい雰囲気でやれています。

中村:いい感じにまとめてくれた(笑)。

◆最後に本作の見どころを教えてください。

:この作品は毎話ころころと展開が進んでいって、次々に新しいキャラクターも登場するので、本当に見ていて飽きないんじゃないかなと思います。謎が謎を呼ぶ展開というのは漫画同様変わらず、「早く来週にならないかな」みたいな作品になっていると思うので、お見逃しなく。そして、僕や中村さん、三原さんの新しい一面も見られると思うので、期待して見ていただけたらなと思います。

三原:ラブサスペンスということで先が本当に読めないです。この先がどうなるのかというハラハラドキドキ感もありますし、放送が終わってから「次はどうなるんだろう」という考察も楽しみながら皆さんに見てほしいです。

中村:僕も原作のときから考察しながら原作を読んでいたのですが、ドラマでも考察しながら見ていただくことができると思います。いい意味でたくさん裏切られるところが多くて、きっと1話を見た段階ではこの作品の結末を当てられる人はいないと思うので、自分の考察を友達や家族と話しながら見ていただけたらうれしいです。

『犬と屑』©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS

PROFILE

倉悠貴
●くら・ゆうき…1999年12月19日生まれ。大阪府出身。A型。

三原羽衣
●みはら・うい…2002年9月22日生まれ。兵庫県出身。B型。

中村嶺亜
●なかむら・れいあ…1997年4月2日生まれ。東京都出身。A型。

番組情報

ドラマ特区『犬と屑』

MBS:2023年6月8日(木)スタート
毎週木曜 深夜0時59分~

テレビ神奈川:2023年6月8日(木)スタート
毎週木曜 午後11時30分~

チバテレ:2023年6月9日(金)スタート
毎週金曜 午後11時~

とちテレ:2023年6月15日(木)スタート
毎週木曜 午後10時30分~

テレ玉::2023年6月15日(木)スタート
毎週木曜 午後11時30分~

群馬テレビ:2023年6月15日(木)スタート
毎週木曜 午後11時30分~

<配信>
MBS放送後に、TVer、MBS動画イズム 見逃し配信1週間あり

<キャスト>
倉悠貴、三原羽衣、中村嶺亜(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、石川瑠華、長月翠、植村颯太 ほか

<スタッフ>
原作:朝賀庵『犬と屑』(講談社「ヤンマガKC」刊)
監督:上田迅、日髙貴士、片山雄一
脚本:阿相クミコ、岡庭ななみ
オープニング主題歌:ユトレヒト「泣き虫シュレディンガー」(Utrecht LAB.)
エンディング主題歌:二ノ宮はぐ「Liar Life」(avex trax)
音楽:有田尚史
制作プロダクション:ファインエンターテインメント
製作:「犬と屑」製作委員会・MBS

公式HP:https://www.mbs.jp/inutokuzu
ドラマ公式Twitter:@dramatokku_mbs
ドラマ公式Instagram: @dramatokku_mbs
ドラマ公式TikTok:@drama_mbs

©朝賀庵/講談社/「犬と屑」製作委員会・MBS