
トンツカタン森本さんがTV LIFEで連載中のコラム「トンツカタン森本のネクストブレイク紀行」。「今年売れる」と言われ続ける中での出来事や本音が綴られた“飛躍を夢見る芸人の備忘録”をwebでも公開します。今回は、13年間の感謝を込めて…の話。(TVLIFE 2026年4月15日発売号より転載)
「13年間本当にありがとうございました」
先日行われたR-1グランプリで我らが相方のお抹茶が準優勝した。トリで登場したファーストステージはトップタイの点数で会場を沸かせ、決勝ラウンドでもそれに引けを取らないくらいの大ウケ。テレビに釘付けになりながら思わず「これ優勝するぞ…」とひとりでつぶやいてしまうくらい、見事なパフォーマンスだった。
そして3日後、激闘の興奮も冷めやらぬ中、我々トンツカタンは4月のライブを持って解散することを発表した。もちろんR-1の前から決まっていたのだが、いろいろな事情が重なり前代未聞のタイミングになってしまった。当事者だからずっと真剣に向き合ってたけど、俯瞰で見たら変すぎる。
繊細な問題なのでギリギリまでこの事実を周りに伝えず、結局発表の当日に今までトリオでお世話になった方々に解散する旨を伝えた。必然的に芸人への連絡が主になるのだが、その返信も十人十色で
「悲しいけどこれからも楽しくお笑いやろうね!」
「うちに入ってトリオになればいいじゃん!」
「赤ちゃんはね、情報通だから知ってたよっ!」
など、その人ならではの温かさで包み込んでくれた。あらためて素敵な業界にいるんだなと確信したし、がんばるモチベーションが沸々と湧いてきた。
思えばコンビで漫才をやりたくて人力舎の養成所に入った。しかし卒業の数ヶ月前に当時の相方と解散してしまい、路頭に迷っていた僕をお抹茶(当時は菅原)が「トンツカタンに入らない?」と誘ってくれた。トリオでコントをやるなんて考えもしなかったが、ピンでやるよりはよっぽどいいと判断して加入させてもらった。急造のユニットなんてどうせ短命だろうという空気を同期たちから薄々と感じていたし、口には出さなかったが当人ももちろん自信なんてなかった。でもいつしか気付けば僕ら以外の組はみんな解散した。応援してくれた人たちのおかげで僕らはここまでやってこれた。本当にありがとう。
このコラムが紙面に掲載されるのは最後のライブの数日前。一体どんな気持ちで当日を迎え、終わるころには何を思っているのか、全くもって想像がつかない。そして次の日からはピン芸人としての活動が始まる。養成所のころを思い出さざるを得ない状況だ。しかし今回ばかりはこのままピン芸人として活動し続けることになるだろう。
解散ライブ後のスケジュールを確認すると、一週間後に人力舎の若手によるバトルライブのMCが入っていた。出演者を見ると、審査員のひとりがお抹茶だった。
ひょっとしたら、まだまだ長い付き合いになるのかも。
森本晋太郎
●とんつかたんもりもと…1990年1月9日生まれ、東京都出身。プロダクション人力舎のお笑い養成所・スクールJCA21期を経て、現在はテレビやラジオ、WEB番組で活躍中。趣味でもあるツッコミに特化したYouTubeチャンネル「タイマン森本」、ABCラジオPodcast「MC休止中」も好評。Netflix公式ビデオPodcast「ポッドフリックス -秘密の発信局-」では日替わりMCをつとめる。









