
神のお告げを受けたアーサー王が、個性豊かな仲間たちとともに聖杯(ホーリーグレイル)を探す旅に出るコメディミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』。世界中の観客を虜にしてきた本作は、2012年に福田雄一氏の演出により日本初演され、2015年、2021年に再演。そして2027年に、6年ぶり4度目となる日本上演を迎えます。
日本公演15周年としてキャストを一新し、さらにパワーアップして帰ってくる今回。主人公・アーサー王を演じるのは、ミュージカル初挑戦の岩田剛典さん。福田作品の魅力や、個性豊かな共演者たちへの印象、そして初挑戦への意気込みを聞きました!
◆出演オファーを受けたときのお気持ちはいかがでしたか? 福田さんから「アーサー王は岩ちゃんしかいない」という熱烈な言葉があったそうですね。
2年ぐらい前に、福田さんから直接LINEをいただいたんです。ミュージカルの概要とともに、「僕が一番好きなミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』で主役のアーサー王を演じてほしい」と。久しぶりの連絡がそれだったので、少し驚きつつ、最初は「どうしよう?」という感じでした。でも、もう断れなかったですね(笑)。福田さんの中では既にイメージができているんだなと感じるような熱烈な長文のメッセージだったので、一旦は「前向きに検討させていただきます」とお返事したのですが…実はその前に、HIROさんや事務所のスタッフには福田さんから連絡が入っていたみたいです。「ごめん、借りるから」みたいな(笑)。
◆すでに外堀を固められていたんですね(笑)。
福田さんなりの根回しは済んでいたみたいです(笑)。ただ、公演が年始なので、稽古は年末になりますし、音楽活動との兼ね合いもある。それで(三代目 J SOUL BROTHERSの)メンバーに相談しました。「3年ぐらい先の話ですが、個人の仕事でその期間はグループでの活動ができなくなりそうです」と伝えたところ、ありがたいことにみんな快諾してくれたので、福田さんにも正式に「やります」とご連絡しました。
◆福田さんにはオファーの理由も聞きましたか?
福田さんが脚本・監督を務められた映画『聖☆おにいさん』(2024年)の現場で決めたそうです。だいぶ前…3年ぐらい前にはもう決めてくださっていたということなんですよね。それについては、かなり熱弁してくださいました。僕自身はその時に何をしていたかよく覚えていないんですけど(笑)、バカなことを一緒にできて、歌って踊れる俳優を探していたときに「いた!」となったみたいです。
◆ミュージカルは今回が初挑戦。舞台に立つこと自体も久しぶりですが、今はどんな心境ですか?
映像作品への出演は多かったのですが、生のお芝居をお見せする機会は10年以上ぶりです。しかも初めてのミュージカルということで、どんな景色が待っているのか想像もつかないですね。福田さんはこの『SPAMALOT』について、「大爆笑できて、とにかく楽しい大好きな舞台」とおっしゃっていて。コメディもミュージカルも大好きな福田さんのツボに入っている作品なので、その世界に、とにかく思いきり飛び込んでみようという気持ちです。福田さんの舞台は何度か見ていますし、何より、僕もたびたびお仕事でご一緒してきたことで、福田さんが好きな作品なんだろうなというのがすごく伝わります。“なんでもあり”な舞台って、なかなかないですよね(笑)。しかも今回は、これまで上演されてきた『SPAMALOT』から大きく変えると聞いているので、どんなものになるのかワクワクしています。
◆岩田さんが扮するアーサー王という役の印象はいかがですか? 役に入る上で意識したいことも教えてください。
アーサー王は、セリフ量がすごく多い役というわけではないんです。どちらかというと、個性豊かな仲間たちが次々と繰り出す飛び道具に対してツッコんでいくポジションなのかなと。ある意味、次々に現れる強敵をうまくいなしながら、同時に笑いも生み出さなければいけない。未知の領域ですよね。役へのアプローチについては、これまで見てきた福田さんの舞台から考えると、会話のキャッチボールが肝になると思っています。せりふを完璧に頭に叩き込んで稽古に臨むのは当然ですが、福田さんの舞台は、台本どおりには絶対にいかないと思うんです。つまり、何の準備もしていないような状態でも、何が起きてもきちんと笑いを生み出せるようにしなければいけない。本当にレベルが高いです! それってもう芸人さんの仕事ですよ(笑)。でも、アーサー王としての“返し”を、そこまでのレベルに持っていけるように頑張らなきゃなと思っています。

◆福田さんの作品といえば、アドリブによる予測不能な展開も魅力です。今回も、そうしたやり取りが見どころになりそうですね。
ストーリーの主軸は「アーサー王が仲間たちと聖杯を見つけに行く」というシンプルなものだからこそ、細かな展開やアドリブといった遊びの部分がどんどん膨らんでいくはず。というか、絶対にそうなります(笑)。そうした部分で、いかに生の舞台ならではのやり取りを皆さんに楽しんでいただけるか、ということだと思っています。あとは、福田さんとご一緒するのが初めてではないというのも大きいですね。台本にないことも自由にやっていいとか、どこまで踏み込んでいいのかというボーダーラインが最初からある程度分かるので。アンサンブルの皆さんも福田組に長年参加されている方が多いので、現場の空気感はすでにできあがっている気がします。だからこそ、自分に求められるのは、その中でいかに福田さんにハマる笑いを生み出せるか、ということなのかなと思います。
◆生の舞台ならではの難しさもあると思いますが、自信はいかがですか?
映像と違って編集ができないからこそ、へこむこともあると思います。「あそこはスベったな」とか、「もっと違う返しをすればよかった!」とか。毎日がその繰り返しになると思うんですけど、観客の皆さんには、観るたびに細かな違いを楽しんでいただけるんじゃないかなって。尺が変わって、終演時間が毎日違うなんてことも起きるかもしれません(笑)。
◆共演者の皆さんについて、現時点での印象や楽しみにしていることを教えてください。
山下幸輝君とは以前、ドラマでワンシーンだけ共演したことがあって、藤原大祐君とは初めましてです。これまでの『SPAMALOT』は、僕の中では、割と恰幅のいいおじさんたちがヤンヤヤンヤやっているイメージが強かったので、今回のキャストを知ったときはまず「若返ったな~!」と思いました。福田さん、若手のイケメンをそろえてきたなと(笑)。今回は、シュッとした『SPAMALOT』に期待していただけるんじゃないかと思います(笑)。気になるキャストといえば、ヒロイン役を演じる紅一点のMehri(メヘリー)ちゃん。シンガー兼インフルエンサーの方で、芸能界でお芝居をするのは初めてだと聞いています。歌が抜群にお上手で、福田さんの目に留まって大抜擢されたそうなので、どんな方なのか、今からすごく楽しみです。
◆最後に、来場される皆さんへメッセージをお願いします。
僕にとって初めてのミュージカル出演ですし、芝居、ダンス、歌と、これまでのキャリアで培ってきたものを一つの総合エンターテインメントとしてお見せできる舞台になりそうです。初めてのミュージカルなので、初日は緊張しているかもしれませんが、絶対に楽しんで帰っていただけるエンターテインメントを福田さんと一緒に作りたいです。真剣に取り組みつつ、本番では僕自身も思いきり楽しんでやろうかなと本気で思っています。ぜひ劇場で、一緒に楽しみましょう!
プロフィール
●いわた・たかのり…1989年3月6日生まれ。愛知県出身。B型。最近の主な出演作に『DOCTOR PRICE』『開戦前夜』など。2027年1月10日(日)スタートの大河ドラマ『逆賊の幕臣』(NHK総合ほか)などが控える。
作品情報

ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT』
2027年1月6日(水)~1月31日(日)東京・EXシアター有明
2027年2月5日(金)~2月8日(月)大阪・オリックス劇場
2027年2月12日(金)~2月14日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール
<STAFF&CAST>
原作:映画『Monty Python and the Holy Grail』より
上演台本・演出:福田雄一
翻訳・訳詞:福田響志
出演:岩田剛典/山下幸輝 藤原大祐 一色洋平 安西慎太郎 Mehri/坂口涼太郎 小手伸也 ほか
公式HP:https://www.spamalot.jp/
公式X(旧Twitter)・Instagram:@spamalot_jp #SPAMALOT
●photo/木村直軌(tweety) text/川倉由起子 hair&make/下川真矢(BERYL)










