

『おしゃべり小料理ゆみこ』(MBS ※関西ローカル)が、7月5日(土)午後4時~5時に放送される。
この番組は、有働由美子が小料理店の女将となり、女将だからこそ聞ける客(ゲスト)の意外な一面をぐいぐい引き出していく、まったく忖度なしのインタビュー&トーク番組。
レギュラー放送2回目となる今回は、元プロ野球選手の“ミスタータイガース”掛布雅之と京都大学iPS細胞研究所名誉所長の山中伸弥教授が来店。異色の組み合わせとなったゲストたちに、ゆみこ女将が予約客のためだけに考えた一期一会の手料理(気の利いた酒のアテ)を振る舞いながら、小料理店の女将だからこそ引き出せる知られざる一面に迫る。
最初に暖簾をくぐってやってきたのは掛布雅之。1985年に4番打者として阪神を初の日本一に導き、“ミスタータイガース”と呼ばれた名選手の来店に大の阪神ファンのゆみこ女将は「きゃー!」とまるでアイドルを目にしたようなリアクションを見せる。さらにサプライズでマキシンのハットをプレゼントされると、「学生の頃の自分に言ってあげたい。あんた掛布からプレゼントもらうよって」とご満悦。
そんな憧れの掛布への1品目は「枝豆コロッケ」。幼少期にはまだおしゃれなサンドイッチ
などがなく、パン店でコッペパンを買い、精肉店でコロッケを買ってコロッケパンにして食べていたなど、掛布にとってコロッケは幼い頃から傍にあった思い出の料理だと話す。幼少期の話から、掛布は同じ千葉県出身のスーパースター“ミスタープロ野球”と呼ばれた長嶋茂雄さんへの憧れを語る。掛布は長嶋さんについて「失敗を美しく見せるのは長嶋さんしかいない」と唯一無二の存在だったと話し、そんな長嶋さんがいなければ自分は野球ではなく剣道をやっていたと回想する。
自身も“ミスタータイガース”と呼ばれ、プロ野球の顔として活躍した掛布。同時代には宿敵・巨人の原辰徳や江川卓といったスター選手がいたが、彼らを強く意識することはなく、最も意識していたのは巨人から阪神にトレード移籍してきた小林繁さんだったと話す。小林さんは移籍後「巨人には歴史と伝統があるけど阪神にはない」と言い放ったそうで、これに掛布は殴りかかりそうになるくらいカチンときたという。
そのシーズン、小林さんは巨人戦だけで8勝し、最終的に22勝を挙げる活躍で、これを見た掛布は「生え抜きが頑張らないと小林に阪神が乗っ取られてしまう」と思ったといい、ホームラン王を取れたのは小林さんのおかげと言い切る。他にも掛布が現役時代に一番つらかったという応援のボイコットなど、阪神ファンの女将垂涎エピソードが続く。また、注目の若手について聞かれると、大器の片鱗を見せている佐藤輝明の名前を挙げ、女将と熱い阪神談義に花を咲かせる。
続いて暖簾をくぐってやってきたのは、山中伸弥教授。2012年にiPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、再生医学の世界的権威。実は巨人ファンだというだと山中教授は盛り上がっている掛布と女将に「阪神ファンじゃなくてもいいですか?」と恐縮しながら「今でもバックスクリーン3連発が夢に出てきます」と掛布の伝説について触れ、「光栄です」と固い握手を交わす。ミスタータイガースとノーベル賞受賞者、異色の2人は野球談議で盛り上がり、意外なエピソードも飛び出して女将も興味津々で聞き入る。
山中教授への1品目は「水ナスの無限ゆみこ」。女将がいつも家で作り、無限に食べられるという“無限ゆみこ”に今回は夏らしい水ナスを使用したものを振る舞うと、女将は「そもそもiPS細胞って何ですか?」とあらためて質問。加えて「誰にでも分かる手短なバージョンと詳しいバージョンで説明をお願いします」とムチャぶりすると、山中教授は「誰からでも作れる万能細胞。これ10秒バージョンです」とiPS細胞を解説。その上で「脳や心臓などの細胞からも作ることが可能。しかもその細胞は、その人の0歳の頃の若々しい状態でもあり…」と詳しい説明も加えていき、見事に女将の注文に応える。それを聞いた女将は「20歳くらいに若返りたい」とiPS細胞の可能性に目を輝かせるが、「それはまだできない」という山中教授の返答に肩を落とす。
今では世界的権威となった山中教授だが「昔からできた子やったん?」と女将に質問されると、「偏った子」だったと言い、算数や理科は大好きだったけど、国語や社会は苦手だったことを打ち明け、少しだけ通ったことのある塾の社会のテストで0点を取ったことがあると言い、女将を驚かせる。女将は、山中教授の医師となった2人の娘への子育てや教育方針についても質問。山中教授は夫婦ともに多忙で、勉強面では娘を放ったらかしだったと振り返るが、生活面については、思春期の娘に対して一歩も引かず、お茶をかけ合ったなど、意外にも頑固親父の一面があると明かす。
また、ワインが好きな山中教授のために白ワインと一緒に「そうめんパエリア」を振る舞った女将は、「酔っぱらうとどうなるん?」と質問。「人に害はないと自分では思っている」と切り出した山中教授の酒の席での意外な失敗談に、女将は「一緒に行く人大変や~!」と苦笑い。その後、日本の未来に目を向けた山中教授は、若い世代に向けて“ありがたいお言葉”を言い残す。
それぞれ文武を極めた2人のゲストによる化学反応にゆみこ女将も酒が進み、すっかり上機嫌に。阪神の未来を見据える掛布、日本の未来を見据える山中教授の普段は見られない和やかな表情を引き出した。
番組情報
『おしゃべり小料理ゆみこ』
MBS ※関西ローカル
2025年7月5日(土)午後4時~5時
放送後、TVerでも配信
MC(女将):有働由美子
ゲスト(客):掛布雅之、山中伸弥
©MBS