映画『ありがとう、トニ・エルドマン』マーレン・アデ監督インタビュー

映画
2017年07月10日

128728_01_R 公開中の映画『ありがとう、トニ・エルドマン』の監督を務めたマーレン・アデのインタビューを紹介。

 思い合っているにも関わらず、今ひとつ噛み合わない父と娘の普遍的な関係を、温かさとクールな視点をあわせ持った絶妙のユーモアで描いた本作。冗談好きの父・ヴィンフリートと、故郷を離れ外国で仕事をする娘・イネス。仕事一筋で笑顔を忘れかけている娘を心配し、父は、出っ歯の入れ歯とカツラを装着し<トニ・エルドマン>という別人になって、神出鬼没に娘のもとに現れ……。

SNSで大絶賛された本作は、ハリウッドリメイクも決定。作品とともに、注目が集まるマーレン・アデ監督は「この作品の脚本はかなり時間をかけたのよ。複数の要素を積み重ねて書いたの。随分 コメディーを調べたわ。そこで行き着いたのがアンディ・カウフマンだった」と、本作を作り出すきっかけとなった人物について触れ、その姿にインスピレーションを受けたという秘話を披露するほか、自身の父親とのエピソードも語っている。

また、プレミア上映が行われた去年のカンヌ国際映画祭について、「カンヌは、すばらしかったわ。それに加えて……驚くほど忙しくて大変だった。走りっぱなしよ。月曜日はまだミキシング中だったの。火曜日に完成させ、水曜日に服を買い、木曜日にカンヌへ。その夜に作品の試写を行ったの。土曜日がプレミア上映だった。日曜日から水曜日までずっとインタビュー」と満面の笑みで過密スケジュールだったことを語っている。

http://www.bitters.co.jp/tonierdmann/

【作品情報】
『ありがとう、トニ・エルドマン』
シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国大ヒット上映中
©Komplizen Film

■監督・脚本:マーレン・アデ
■出演:ペーター・ジモニシェック、ザンドラ・ヒュラー
2016年/ドイツ=オーストリア/162分

<STORY>
ヴィンフリートとコンサルタント会社で働く娘・イネス。性格も正反対なふたりの関係はあまり上手くいっていない。たまに会っても、イネスは仕事の電話ばかりして、ろくに話すこともできない。そんな娘を心配したヴィンフリートは、別人<トニ・エルドマン>となって、イネスの元に現われる。職場、レストラン、パーティー会場――神出鬼没のトニ・エルドマンの行動にイネスのイライラもつのる。しかし、ふたりが衝突すればするほど、ふたりの仲は縮まっていく。