稲川淳二が認めたホラー映画は?ムービープラス『この映画が観たい』8・7放送

エンタメ総合
2017年08月06日

『この映画が観たい』 CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中の『この映画が観たい』8月放送回は、怪談家で工業デザイナーの稲川淳二が登場する。

 稲川がセレクトした“オールタイム・ベスト”は、「慕情」(1955年)、「冒険者たち」(1967年)、「キャリー」(1976年)、「羊たちの沈黙」(1990年)、「タイタニック」(1997年)の5作品。番組では稲川がこれらの映画について熱く語った。

<稲川淳二 収録インタビュー>
私は生まれが渋谷だったもんで、近所に映画館がたくさんありましてね。小さい頃から映画は大好きでしたねぇ。現実にあるようなんだけど、なんかちょっと違う。日常の中の非現実に惹かれたんですねぇ。

小さい時に観たんだと思うんだけど、ジェニファー・ジョーンズの「慕情」が好きでね。子どものくせに、セットだと丸分かりの海のシーンだなぁなんて思いながらも、いいな~って憧れたもんですよ。あと、何を置いても音楽がいいんですよねぇ。昔、女房と一緒に、ある番組でこの映画の舞台になっている香港のヴィクトリアピークに行ったんです。もう気分はウィリアム・ホールデン状態で、もちろん女房はジェニファー・ジョーンズなんですけどね。ケーブルカーで上まで行く間、あの音楽が頭の中で鳴ってね。だけど、そこで夫婦喧嘩しちゃって。映画の世界と現実とのギャップを思い知りましたね(笑)。あれは悲しかったな~。

小学生の頃から怪談噺をクラスのみんなにしてたんですけど、自分が観た映画の話もしてたんです。そうしたら人気者になってねぇ。学校中の女の子が私のそばから離れなくてさぁ。あの頃はモテてモテて、女の子をブイブイ言わせてましたよ~。

「キャリー」はね、私認めますよ。他にも有名なホラー映画はたくさんありますでしょ。でもね、私に言わせればね、言っちゃあ悪いけど、どれもお話に無理があるんですよね。でも「キャリー」には無理がない。デッサンができているっていうのかな、あんまり常識から外れちゃうと「そんなことあるわけないじゃん」って醒めちゃうんだけど、この映画は“許せる範囲の非常識”なんだよねぇ。だからひょっとしたら「あるかもしれないぞ」って思わせてくれる。私は「キャリー」が本当の意味でのホラーの始まりだと思っていますよ。

アラン・ドロンにかぶれちゃった悪友のドロンちゃんっていうのがいてね。身長が160センチくらいなんだけど、もう自分の中ではアラン・ドロンだと思い込んじゃってるような奴なんですよ。今でも付き合いがあるんですけどね、そのドロンちゃんと一緒に7回も観に行った映画が「冒険者たち」なんですよねぇ。私は、フランス人の色彩感覚のすごさに驚きましたねぇ!どうやってこんな映画作ったんだろうって。グレーの空に、グレーの飛行機、翼もグレーなんだけど、ちょっとだけオレンジと緑のラインが入っててさぁ。かっこいいなぁって思いましたよ。あとは、中年の男と若い男ふたりの友情もいいんだよねぇ。ラストの夕陽のシーンなんて、日本人には絶対に撮れないシーンだと思いますよ。本当に大好きな映画ですねぇ。

 そのほか、怪談家として活躍するきっかけを作ったちょっと風変わりな母親の話や、怪談噺を始めてからもらうようになったという感動的なファンレターについてなど、爆笑エピソードがたくさん飛び出した番組「この映画が観たい#47 ~稲川淳二の
オールタイム・ベスト~」は、ムービープラスで8月7日(月)に放送される。

「この映画が観たい#47 ~稲川淳二のオールタイム・ベスト~」
初回放送:8月7日(月)23:00~23:30
再放送:8月13日(日)8:30~9:00、16日(水)11:15~11:45、25日(金)18:15~18:45、28日(月)11:15~11:45

9月は、舞の海秀平が登場。

「この映画が観たい」公式ページ:http://www.movieplus.jp/guide/mybest/